地元の皆さんに親しまれる老舗スイーツ : Furansu ya

　「多古福」で蕎麦屋酒を楽しんだ後、近辺を少しブラつく。
　目的の一つはこの近所に昨年移転してきたと言う「七條」の場所の確認。
　すぐに見つかったが、時刻は12時半を回った頃のため行列が出来ているのではと思いきや、現在は記帳式になっており、名前を記してから自分の順番が巡ってきた頃合いを見計らって再来店するシステムのようで、店頭の人だかりは少なかった。

　さてもう一つの目的は、最近の蕎麦屋酒の後の常となりつつあるスイーツショップで一休みすること。
　上がって来たのはこちらで、それも「七條」から目と鼻の先。
　以前にマイフォロアーさんのレビューを拝見してBMもしていた、この地では老舗のケーキ屋である。

　ビルに組み込まれているが店頭に植栽が施され、ガラス張りで外光が差し込むすっきりした外観。
　自動ドアから入ると目の前にケーキ類が納められたショーケースが置かれており、飲食できるスペースは右手から奥に広がっている。
　席数は結構多く、20人近く座れる。

　こちらでは昼にパスタランチなどを出しており、それ目当ての客で満席のように見えたが、スタッフの女の子に訊くと大丈夫とのこと。
　一番奥の2人掛けのテーブルに通された。

　「ケーキセット」はケーキとお茶のセットで800円。
　一旦席に着いた後、改めてショーケースの前に行ってじっくりと眺める。
　選んだのは「ミルフィーユ」で、お茶は「ホットコーヒー」をもらう。

　程なく皿に盛られて登場したミルフィーユの断面を見ると、3枚のパイ生地の間にカスタードクリームと生クリームが別々に、苺と共に挟み込まれている面白いスタイル。
　2色となった色合いが綺麗で、添えられたナイフとフォークでカットして口に運ぶのは中々楽しい。
　パイ生地はサクッとした食感で、カスタードはきちんとした仕事で甘すぎない味わいも好ましい。

　マシンで淹れられたコーヒーは、苦みがやや強いフレンチスタイルで安定した美味さ。
　暫しの寛いだ時間が流れる。

　ケースに並ぶケーキは、何れも派手さの無い昔ながらの洋菓子といった趣。
　値段も200～400円くらいが中心で実質的。
　ケーキセットはケーキの値段がまちまちなのに、一律800円と言うところにもおおらかさが感じられる。
　結果的に一番高いミルフィーユを選んだため、何やら得した気分。

　卓上の紙ナフキンには＇SINCE 1985＇の文字が。
　この日も地元と思われる年配者が食事目的で訪れたり、幼児を交えた家族がテイクアウトで寄るなど、長年にわたり愛され続けていることが分る。
　いずれ「七條」を訪れることが有れば、その帰りにはまた寄りたい。