長年にわたりお世話になっている、地元の老舗和菓子屋 : Kogetsuan Houtoku

　来客用の茶菓子を求めて向かったのは、昔からこの地に店を構えるこちらの和菓子舗。
　もう少し足を延ばせば3月に桜餅やぼた餅を買い求めた「仙太郎」が在るが、こちらの評判も上々で、地元では優良店として周知されている。
　和菓子は不得意の分野で、自分のために購入することはまず無いが、来客時や植木屋さんが入った折の茶菓子などには度々利用している。

　今回は時節柄、「柏餅」が目当てである。
　購入したのは3種の柏餅を2個ずつ、こちらの名物である「虎やき」を3個、さらに目に付いた「節句クッキー」という焼き菓子も一緒に袋に入れてもらう。

　家に帰り、写真撮影のため皿に並べてみる。
　柏餅は基本の「こし餡」、淡い黄色に着色された餅にくるまれた「みそ餡」、よもぎ餅を使った「つぶし餡」。
　出来立てのせいもあるが餅の歯当たりが優しく、味は「こし餡」の上品な甘さ、白あんに白味噌を加えた甘しょっぱい「みそ餡」が印象的。

　こちらのオリジナルの「虎やき」は、一般的な「どら焼き」とは見た目も味も少し違う。
　黒砂糖を混ぜていると思われる皮は、文字通り＇虎の皮＇を模した縞模様の焼き色が付けられている。
　中の餡にも「とら豆」という、煮豆などに使われる表面に黄褐色や黒の斑模様が入った、大粒のインゲン豆が使われていると思われる。
　元来甘いものが苦手な私の舌にも馴染める、穏やかな食感と味わいが好ましい。
　
　お店は家族のみで製造・販売を行っているようで、手作り感あふれる品々の満足度は高い。
　私にとっては縁は薄いだろうが、茶席に用いられる季節を表現した「練り切り」からは、見るだけでも気品とセンスが感じられる。
　これからもお世話になることは確実な、近隣住民には掛け替えのない存在である。