雄々しくそそり立つか横たわるか : Tempura Ebinoya

ここ10年くらいの間でちょっとした百貨店や駅ビルの飲食店街に目立ち始めた業態の天ぷら店。
「天ナントカ」や「つな八」などのやや高級ラインに比べるとカジュアルでお手頃、嚆矢は福岡の有名店ひらおを範にしたのではないかと拝察するがま、なんにしても一定のターゲットのツボを刺激することは間違いないと思われ。

週末の八王子ランチに入店。10分ほど入り口で待ちました。
カウンターに案内されてメニューをチェック。嫌でも目につくのは天丼でそそり立つ穴子、そして定食には皿を覆わんばかりに横たわるこちらも穴子。
ここまで強烈なプレゼンを受けると穴子は俺の嫁！となるのは必然。さすがに天丼にカブりつくのは大人気無いか…とか考え「海鮮天ぷら御膳」なる一品をオーダーしました。税含みで約￥1.5K。

流れ作業で調理された天ぷらがサクっと盛り付けられ入店までの待ち時間よりも早く配膳されます。
ご飯は選択可だったので十五穀米、ごっそり盛り付けられた揚げたての天ぷら、味噌汁、たくあん、副菜に焼売、わらび餅、天ぷらのつけダレの一種に見えた小鉢はとろろでしたね。
天ぷらは花が咲いたような衣ではなくやや堅めのガッチリタイプ。カリっとクリスピーな食感重視にも思えます。
海老2尾、イカ、白身魚（サワラかな？）、穴子、茄子、南瓜。
とにかく穴子が巨大。衣が堅いので慎重に箸で折るように切り分け無粋にじゃぶじゃぶ天つゆに浸して噛り付きます。
均質な素材を調理しやすい形で仕入れて揚げて捌くという流れに組み込まれたかのようにがぶがぶ片端から頂きました。え、味？まぁそこは、細けぇことは気にするな、精神。はは。
この価格で見栄えもするし悪くないんじゃないのかな。とにかく天ぷらで腹一杯です。

ちなみに食事中もモヤっと画竜点睛を欠いているかのような思いに囚われていたのですが当店のレブーを改めて見返してみてそのワケが判明。そうそう、少し前までは明太子が食べ放題だったのかもしれません。その代替としてとろろが付いていたんですかね。
眦決して明太子でご飯を際限なく掻き込める時代も遥か昔に過ぎ去っているので無問題でしたが、明太子や塩辛などの副菜が付いていればそれなりの値ごろ感なのかもしれません。