住宅街の中の昭和レトロな餃子屋さん♥️ : Yae ko gi youza

山形市内での用向きが長くなってしまい、日も短くなったために、まだ午後６時前だというのに、とっぷりと日も暮れて街並みはネオンの彩る景色になってしまいました。そんな日暮れ時、市役所から西へ降りて税務署のある通りを北に向かっている時に、ふと、かなり前に妻から教えてもらった言葉が頭の中をよぎりました。思わず左にハンドルをきり、狭い住宅街の路地に入り込みます。そんなに何本も道があるわけじゃない古くからある街中の小さい住宅街です。当たりをつけて車を流すとそれらしきネオンの灯りが！

訪問は平成30年10月13日の土曜日、「灯りが点いてる！」と速攻で猫嫁に電話したら「買ってきて♥️」と躊躇なしの即答です。こちらの店こそ、猫嫁が猫娘の時分によく餃子を買いに来ていたというお店です。あまりの路地の狭さと曖昧な猫嫁の記憶と情報のため、前に一度うろついて探しましたが、見つけられませんでした。後で聞いてみると、今では夜しか店をやっていないとの事で、図らずも秋の夜長の早い日没のお陰で、鮮やかなネオン看板を見つける事ができました。

のれんをくぐって店内に入ると昭和レトロな雰囲気の中で年配のお婆ちゃんが一人で仕込みをしています。声をかけて餃子の持ち帰りをお願いしてみると、「一人前は七個」「この35年間、持ち帰りはしてない」と言われて、私が残念そうにしていると「まだ予約の客がきてないから良いよ」と引き受けてくれました。駐車場は前の60番、昼はやっていない、夜だけ、休みは日曜と月曜…、待っている間の会話でお婆ちゃんがポツリポツリと語ってくれました。

最初はちょっとぶっきらぼうな感じの応対でしたが、段々とほぐれてきたのか、「昔は県庁に来た人や、会社の接待で賑やかだった」と、皺を寄せて照れくさそうに笑って話してくれました。きっとはにかみ屋さんなんですね。照れ笑いしたお婆ちゃんの皺に35年の年輪が感じられます。

・餃子450円×３人前

家に帰り早速に晩御飯にいただきました。猫嫁は懐かしそうに食べていました。餃子としては柔らかな優しい感じのする味わいです。肉よりも野菜の味わいがよく分かります。最近ありがちの、中の肉野菜餡がみっちり詰まったような餃子ではないので、何個でもパクパク食べられそうです。餃子的には確かに他に美味しいお店やリーズナブルなお店もありそうですが、こちらの餃子はそういう次元の餃子ではありません。お婆ちゃんの時代の味付けが隠し味と御理解ください。

こんなお店がまだまだ残っているのですね。１日でも長く頑張って、マイペースにお店を続けて頂きたい。そう神様にお願いしたくなるような懐かしさの込み上げるお店でした。ごちそうさまでした。