讃岐うどんとすりだね : Yanagawa Tei

中央道の大月相模湖間はよく渋滞するので、回避して国道２０号を突っ走ることが時々ありますが、鳥沢から上野原の市街地に入るあたりは桂川の深い谷沿いの人家もまばらでカーブが連続します。その、上野原市に入る直前の場所に2020/6にオープンしたのがこちらのお店。オープンと書きましたが、もともと石和で営業されていたお店が移転してこられたようです。

道沿いの駐車場に車を停め、一昔前の小さなドライブインのようなお店へ。すぐに店員さんがこちらの席へどうぞ、と案内いただきます。どうやら車が入ってきた時点でお客さんを案内する準備をされてるようです。せっかくなので、川側の長めの良い席へ。家族連れのお客さんは奥の小上がり席に案内されていました。

店内のポスター等を見る限り、讃岐うどんのお店ということのようですが、「じつはとんかつ専門店なんです」と書かれていたり、吉田のうどん店のように注文票がテーブルごとに置かれていたり、いろいろとツッコミどころがあります。実際には注文は店員さんが聞きに来てくれるシステムなのですが。。メニューはかけ450円～。とんかつ定食やからあげ定食などの定食屋ランチセットもあるようです。とんかつも気になりつつ、かき揚げうどん700円を注文しました。先に突き出しにうどんのかりんとうが出されるので、これをポリポリいただきながらお茶をすすってましょう。

かき揚げ、結構巨大です（笑）。まずはその下のうどんを引きずり出してすすれば、讃岐うどんといってもかなり優しい口当たりの麺にほっこりします。うち乱れのないストレートな麺は、コシなどを主張せずするりぷるんと喉を通り抜けます。これはこれでいいけれど、冷たい麺でいただいたらまた表情が変わるのかしら。お出汁は昆布とカツオがメインでしょうか、あっさりスッキリ全部飲み干せるタイプ。

さてかき揚げ、玉ねぎ、長ネギ、にんじんがたっぷり。まずはお出汁に浸っていない部分をザクザクといただくと、玉ねぎのほんわか甘い味がいきています。もちろんお出汁にひたっている部分もゆるほわな食感と味が楽しい。ですが、さすがに大きいので、途中で机に待機している自家製辛味調味料「すりだね」にご登場いただきましょう。というか、すりだねがあるのが山梨は郡内（桂川流域のこと）らしい。唐辛子のピリッとした辛さがお出汁の味をキリッと引き締め、油っぽさを飛ばします。

こちらのお店の場所は10年近く空き家だったところで、移転にあたっては大月市の空き店舗・空き家の活用への補助金を活用され、故郷の梁川にお店を構えられたそうです。小上がりのご家族連れには、先にお子さんの料理を出したりと細かい気遣いもされていたのが印象的でした。お店の脇には「見晴台」もあって、ここから見下ろす数十メートル下の桂川はなかなかの眺め、休憩ついでにうどんをちょいとすするのも良いかと。ごちそうさまでした。