ホスピタリティ溢れるカウンターフレンチ！！ : Chambre denfants

3カ月ぶり、2回目の訪問である。こちらは一応フレンチのくくりのようではあるが、トラディショナルなものではなくシェフの発想を自由に反映させる「イノベーティブ」系統の料理なのだ。

小皿が多く最終的に何を食べたのか覚えていない・・何てこともある分野の料理ではあるがこちらはその中でもなかなかインパクトのある美味しい料理を楽しむことができた。

この日は

オペラ
ガトーショコラをイメージした
フォアグラのテリーヌ、ビターチョコで

サヨリ、タルト仕立て
ルッコラ根セロリ、ウド、菜の花

焼き立てのパン、藻塩とオリーブオイル

河豚の白子、湯がいたものロワイヤルコンソメスープ、
黒トリュフ

ホタルイカ、タイム、クスクスアーモンド、ペンネ
わさび菜
チョリソーとパプリカのソース
イカスミのマスタード
イカスミのチップス

越前がに、桑名の筍、筍の出汁
蟹の出汁と卵黄、ベーコンのソース黒胡椒

焼いた一週間寝かせたアオハタ、うるいとそら豆、蕗の薹とエシャロットのソース
ビーツのチップ

愛媛のイノシシのパイ
肩肉のビール煮込み
黒トリュフ、ナスタチウム

炭火でローストした和歌山の鴨、
むね肉、モモ肉、
プチベール、行者にんにく
粒マスタード

デザート
フランボワーズのアイス、ピスタチオオイル

柚子のムース、きんかん、甘平、ブラッドオレンジ

小菓子
ショコラカヌレ、焼き立てフィナンシェ、干しブドウのカヌレ、キャラメルのクッキー


どの料理もシェフの感性が感じられる組み合わせばかり・・・なんでこの食材の組み合わせなんだろう？？なんて思いながら料理を口に運ぶと不思議とそれが不自然ではなく美味しいのである。

特にイノシシのパイはとても好みのものであった。

どれもポーションは少なめなのだが、品数が多いので最後辺りになると私のような高齢者は食べ切れなくなってしまうのである。料理の種類が多いのは嬉しいのだが、残すのももったいないしそこのところを考えてもらうことができればありがたいと思うのは私だけではないだろう。


シェフ、そして奥様の温かいおもてなしが心に染みる素敵なレストランである。定期的に通いたいお店だ。

最近名古屋ではイタリアンとかフレンチの世界では、和食なのか洋食なのかよく分からないレストランが増えてきている。昨年オープンした池下のG・・・先日初訪問した東区泉のL・・、イタリアンとペルー料理をミックスさせたPとかがあるが、正直どの店も私の琴線に響くところはなく再訪はないな・・・であった。

そして今回は期待いっぱいで仕事の細かさ、美しさ、美味しさで定評のある私も大好きなヴァガボンド出身のこちらに初訪問させて頂いた。

入口を開けると最初の印象は木のぬくもりが感じられる温かさがある快適そうな空間であった。

店名はフランス語で「子供部屋」という意味であり、小さなお子さんを育てているご夫婦が家族で頑張って経営しているレストランのようである。

そういう家族経営の店って私はやはり好感が持てるのだ。奥の部屋で小さなお子さんたちが両親の仕事が終わるのを待っており、時折ちらっと顔をのぞかせるのが何とも微笑ましいのである。

店内は10人ぐらい座れそうなＬ字のカウンターと手前にはテーブル席があったが、そちらは花などがディスプレイされており使っていないようだ。

この日は２人×３組でのスタートであったためか席と席の間は十分に間隔が取られており窮屈さを感じることは全くなかった。たまたまかもしれないがこの日は高齢者が多くて同年代の私にとってはとても居心地の良い空間になっていた。

やはり同席する客層って大事だと思う。常連風を吹かせる客とか、オラオラ系で命令口調で話すオヤジなどがいると雰囲気台無しだからね！！

この日は

フォアグラのテリーヌ
クッキー
リンゴとピスタチオ


三河湾のミル貝にサワークリーム
京人参のムース、海老の頭のジュレ、キヌア

北海道寒ブリ、蕪みぞれ和え
ゼリーのシート
イカスミのガレット
近江蕪のアイス、キャビア

雲子のホルン
縮みほうれん草といんげん
アンチョビソース

長崎クロムツ焼き物、キャベツベルモント酒で、芽キャベツ
貝アサリとはまぐりの出汁、
菊芋、クレソン

兵庫県香住のせいこがに、殻で出汁を取ったパエリア
バレンシア米、春菊、
オリーブオイル、柚子で


あんこうの色々な部分とあん肝のパイ包み焼き
トリュフのソース
ネセルフィーユのピューレ

三河牛ランプのロースト、炭火の香り
タルティーボ
ピコロス
里芋
牛の出汁とマッシュルームのソース

デザート1
キウイ、ベルベーヌのアイス

デザート2
リンゴタルトタタン、
キャラメルのアイス
クッキー

コーヒー、小菓子

どれも素材の持つ美味しさを引き立てつつ、シェフ独自の世界に連れて行ってくれるようなものばかりであった。

前菜はどれもレベルが高く、全く非の打ち所のない。セイコガニのリゾットは今の時期しか味わえない物・・・季節を感じさせてくれる一品であった。

またアンコウのパイ包み焼きもとても手間暇がかかっているようで旨味たっぷりのものであった。

ただメインが三河牛はとてもしっとりとした仕上がりではあったが、火の通りが均一過ぎて少々私の好みとは違う物であった。低温調理かな？？

まだまだ荒削りで改善して欲しいところはあるが、総じて言えば素晴らしい料理の数々を楽しませてもらうことができた。

値段的にも「ホントにこれでいいの？？」と思ってしまう安さである。

もうかなりの人気店になっているようで予約は少々先になるとのこと。それでもめちゃくちゃ混まないうちに是非とも試してもらいたい、そんな素晴しいレストランであった。