理想の居酒屋に満点を献上申し上げます
品書
おばんざい
春のお題
ハゼ with 肝
ミル
鮍 with 肝
平目
あさり串
わかさぎ
お通し
おばんざい 鰯1尾
このわた
春告げの煮付け
冬の塩焼き
まだか(ふっこ)
筍
盛合わせ
野菜天ぷらAA
寄せ鍋 特A級
2012年9月某日のカウンター
八幡巻き(B+)
鰈(B+)
大あさり(B+)
珍しく涼しげ
お煮しめ(B)
土瓶蒸し(A+++)
松茸と鱧
美しく枯れる
いわし煮
夏・生サバ
夏・ミミイカ
秋・カワハギ The best
秋・赤ワガ
秋・豊橋鯛
鱧 梅肉
2013年9月の品書
店名 |
Chiyomusume
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类型 | 日本料理、日式小酒馆 |
预约・查询 |
0532-54-7135 |
预约可/不可 |
可预订 |
地址 |
愛知県豊橋市松葉町3-83 |
交通方式 |
JR豊橋駅東口より徒歩約7分 距離驿前 374 米 |
营业时间 |
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预算 |
¥6,000~¥7,999 |
预算(评价总数) |
¥6,000~¥7,999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 可使用电子货币 (Suica等交通系电子货币、iD、QUICPay) 可使用二維码支付 (PayPay、d付款、乐天支付、au PAY) |
收据 |
可以开具符合条件的发票收据。 注册号码T3810159982126 ※有关最新注册状态,请查看国税厅发票系统合格发票开具人公告网站网站或联系商店。 |
座位数 |
11 Seats ( カウンター5席、小上がり2テーブル) |
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个人包厢 |
可能的 可容纳2人、可容纳4人、可容纳6人、可容纳8人 6畳の個室。2名様より8名様までご利用いただけます。尚、個室利用料一室2,200円 (税込) 申し受けます。 ※個室ご利用の際は前日までにご予約をお願いいたします。 |
包场 |
不可能 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 完全禁煙につき電子たばこ等もご遠慮ください。喫煙の際は店舗外の灰皿をご利用ください |
停车场 |
不可能 近隣パーキングをご利用ください。駐車料金の一部を負担いたします。 |
空间、设备 |
平静的空间,有吧台座位,有日式包厢,可观赏运动比赛,提供免费无线网络连接 |
酒水 |
有日本清酒,有烧酒 |
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料理 |
对鱼类料理讲究 |
此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
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位置 |
神秘不为人知的餐厅,家庭式餐厅 |
服务 |
可提供两个半小时以上的聚会 |
关于儿童 |
個室をご利用の場合のみ、お子様連れの入店可。 |
网站 | |
备注 |
【臨時休業日】 |
餐厅公关 |
割烹 千代娘
割烹 千代娘 は愛知県豊橋市にて昭和32年に創業。伊良湖直送の鮮魚や三河湾産の豊富な魚貝類、地場の野菜を活用した料理、ほっとする味のおばんざいを是非ご賞味ください。家庭的なおもてなしでお客さまをお迎え致します。どうぞゆったりとおくつろぎください。 |
【再訪・2013年 秋分の記】
一年に数度、独り、千代娘の佳肴を味わうことは、季節の暦をハラリとめくる節事である。
初夏、「やっと、入りましたよ」と、女将さんが笑顔で勧めてくれたのは、生の鯖。そいつは、お造りとなっても、なお、私に噛まれることを拒み、奥歯を跳ね返して来やがった。ミミイカなんて、笑っちゃうくらい可愛いいのに、腹ワタのねっとりした滋味深さは大人の味わい。千代娘さんは、このミミイカを白麹味噌の酢味噌和えで愉しませてくれた。
閑話休題
二十四節気の秋分に当たる、この日。知己盟友と二人、開店時間の5時から9時まで居座り、しっぽり(?)と千代娘を堪能した。連れは「こんな店が、豊橋にあったとはね」と、感心しきり。「いいかい、ここは割烹じゃないんだ。居酒屋だからね。」と、私。
この日の肴は凡そ以下の通り。醸造の「千代娘」に始り、「吟醸蓬莱線」、「八海山」、「菊水辛口」へとパンチ力をアップ。全て、私の好みの日向燗で。水槽にカワハギが泳いでいたので、連れに、肝醤油を味わってもらうと、ご主人に頼んだが、「あれは、もう、痩せてダメです...」と、捌いていただけなかった。ご主人曰く、今年は鮍が不良とのこと。海水温度の上昇が原因ですねと嘆いていたっけ。
・お通し(玉子豆腐、カボスの香りがウイウイしい)
・おばんざいから
-蛸煮(日間賀の蛸をネリがらしで)
-いわし煮(生姜の千切りをハラリと)
-バイ貝(安定の十八番の肴)
-鰻の倶梨伽羅焼き(ゴボウ巻きにして)
・鱧の梅肉和え(鱧は好みじゃないですが...)
・鰈のお造り(弾力凄い、Agingして甘みは増大)
・鯛のお造り(皮つきを湯引きにして)
・赤ワガの煮付け(いわゆるメバルです)
・メゴチ、キス、野菜の天麩羅(軽い!天麩羅屋さんと勝負できます)
・出汁巻き卵(千代娘の定番の一品)
美味い肴で、しこたま酔い、千代娘の素晴らしい空気感を4時間味わって、19,530円也。「居酒屋の真髄を味わえる貴重な店」、「大切にしたい逸店」というのが連れの感想。決して、飲み代は高いと感じないとのこと。この日、我々以外の客は、出張先の居酒屋巡りが趣味だというオッチャン独り。千代娘の秋分の夜は、静かに更けるのである。
さて、店をしきる娘さんに、女将さんのことを尋ねると、先日の9月10日、急逝したとのこと。ショックで言葉を失った。太田和彦さんも、著書の中で、「白割烹着に、つやつやとした黒髪が映える女将さん」と称えていた。上品な立ち振る舞いと気遣いは、「女将さん」という職業の鑑でした。こちとら、酒飲んで笑っちゃいるけど、女将さんから出して頂いた数多の肴と、添えられた言葉が頭をグルグルよぎり、心の中では溜息がこぼれてくる。千代娘のFunとして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
付記.
娘さんによれば、着物には微妙なトラウマがあるのだという。幼い頃、花界で有名を馳せた母親の象徴が着物姿だったとか。これまでの千代娘という宝物を大切にしながら、新生・千代娘に期待したい。
【再訪(季節毎に)】
秋の初風に誘われて、千代娘。
たまに、愛知県に出張がある時は、カウンターの独酌を想い、昼間からソワソワしてしまう。
この日、6席しかないカウンターの黄金シートには、5人の先客があり珍しく盛況。こんな場末感ムンムンの千代娘にやって来るは、大抵が、フリークだけ。極上の居酒屋空間を大切にしたいという不文律が漂動するようで、カウンターには静かな時間が流れる。
女将さんは、以前、「盛夏になったら、酢でしめない、生の鯖を出しますからネ」とおっしゃっていたが、いつの間にか旬を逃してしまったようだ。暦は、ハラリとめくられ、今日は松茸の土瓶蒸しで一杯とあいなる。
合わせるは、浜松酒造の「出世城」の醸造をヌル燗で。出世城とは、家康が天下統一を成し遂げる前に在城した浜松城の別称である。ちょっと、重くてベタ付き感のある出世城と、酢橘を搾った土瓶蒸しを交互に飲っていると、主人と客人がどっちなのか混淆として来るが、腹に沁みて止まらなくなる。
今日は、女将さんが不在なので、娘さんが客の世話を焼く。いつもは、女将さんのサポート役に徹し、カウンターの中に立つ姿を見る事は無いが、形良く盛られた「おばんざいの煮〆」などを見るに出藍の感がある。先陣に晒らしてこその成長だネ。
鰈のお造り、八幡巻き、伊良湖名産の大アサリなどなど、滋味をしこたま堪能し、2時間あまりの飲み代は、約1万円の見当となる。独りで飲る酒代としては、やはり高いが、1時間当たり5000円の極上リラクゼーションと考えると激安である。客も、店も、私をほっといてくれるので、旨い酒肴をカウンターで味わう愉しみと孤独に、ドップリと浸かることができる。いつ来ても、千代娘の有体は不変。居酒屋の金字塔です。
☆☆☆☆☆
【初投稿】
千代娘を訪問する度、得も言われぬ居心地の良さを感じていたが、やがて、私にとって、理想の居酒屋であることに気が付いた。むしろ、この店に通う事で、居酒屋に求めていた幸福感の輪郭がゆっくりと醸成されたと言ってもいい。もう、千代娘に、惚れちゃった。
千代娘の風情を昭和レトロと評する方がいらっしゃるが、どっこい、千代娘が放つオーラの深みは、そんじょそこらの古民家風居酒屋とは、わけが違う。女将さんによれば、昭和30年代、「待合所(茶屋)」を買い取り、居酒屋を始めたとのことであり、千代娘の前世は「置屋」である。従って、良く手入れされた設えの、そこかしこに、妖美な艶が漂う。2階の貸切り部屋に続く急勾配の階段の脇には風呂が有り、「浴室」とペンキ文字で描かれた古風なミラーガラス扉の奥には、淫靡が閉じ込められているようで痺れる。
千代娘の特等席は、5人も座れば一杯になりそうな小さなカウンターである。味気ない丸椅子のクセに、ケツの座りが妙によろしい。背もたれが無いかわりに、後ろ手には、背中を支えるモタレ木のBarが配され、実に奇妙なカウンターの景観を呈する。
メニューは、判読しがたい達筆な毛筆で書かれた経木。値段は記載されていない。開店時間の5時に店に入ると、ご主人が、筆ペンで恐ろしいスピードで書き殴り、女将さんが、経木の四隅を目留めなどしていたりする。
京都で修業されたという大将の割烹然とした肴は、「ながほり」のよう華やかな創作感には及ばないが、いずれも、一手間を掛けた上品・上質な物でハズレが無い。地の物を丁寧に扱ってらっしゃるようで、お造りは、カワハギ、ミル貝、鰹などが主流となる。特に、水槽にハゼが泳いでいたら、その日は当たりだ。新鮮な肝醤油にありつける。豊橋市は奥三河の豊富な川に湛えられ、汽水粋が豊かなのだ。滋味深い串刺しのアサリの干物も、此の地への、ご主人こだわりなのであろう。〆鯖や、前日から仕込んで軽く熟成した平目などには、旨さというより、むしろ安心感を覚える。
カウンター前のおばんざいは、キンピラなどの定番の他に、ワカサギ南蛮、山菜、卵が詰まったイイダコなどの旬の食材が並び、ちょっとした季節便りだ。先日も、「近頃、巷も、季節感がなくなったなあ」などと、嘆いていた矢先、千代娘でタケノコの水煮を食べた際、春風が口元から頭のてっぺんに吹き抜けた。春は、千代娘に在ったのか...
千代娘は実に寡黙な居酒屋である。女将さんと娘さんは朴訥・素朴で、接客は、むしろ不器用だ。しかしながら、決して、客をぞんざいに扱っている訳ではない。分別ある客の、ささいな我儘は、大抵、叶う。いつぞや、「ながらみ」の殻蓋に、手こずっていると、女将さんが俎板の上に布巾を敷き、小さな金ヅチでトントンと「ながらみ」を割ってくれた。酒をチビチビとやりながら、誰もの心の内に居る、遠く離れた母さんの内職姿を見るような錯覚を覚えた。
千代娘の居心地の良さの大きな要因には、いつ行っても、静寂の中、マイペースで愉しむことができるという点がある。たまに、地元の客が声高に盛り上がっていることもあるが、大抵は、物好きの独り客が静かに徳利を傾けていることが多い。客の入りが少ないのは、恐らく、飲み代が相応に高く付くからなのだろうと思う。例えば、その時のネタにも因るが、おばんざい、お造り、塩焼き、煮付け、天麩羅(極薄の衣の何たる軽さ!)で軽く飲み、おにぎりと貝汁で締めると1万円を超えてくる。1次会の喧騒から解放され、心の整理体操のつもりで千代娘に駆け込み、ほんの軽く飲っても5千円程度になる。居酒屋の相場としては、2~3割は高いようだが、私には、この美味空間で過ごす心のリラクゼーションは何物にも代え難く、勘定なんぞは全く気にならぬ。以前、福岡のイカした飲み屋の主人が「私どもは空気を売っておりますので」とシャラーっと、言い切っていたが、言い得て妙とは、このことだ。
千代娘へのLoveLetterのような口コミをツラツラ書き連ねていると、またぞろ、想いがこみ上げ来る。
メバルの煮付けで一杯やりてえなあ...