煌々と輝く灯りに引寄せられて…『三金寿司』 : Sankin Zushi

青森駅前の『三金寿司』さんへ初めて寄せていただきました｡當初は以前､寄せていただいた『紀文寿司』さんへの再訪を予定しておりましたが予約の電話を入れた時点で既に満席とのことで不可抗力での結果的に新規開拓となった次第です｡以前は通称､パサージュ広場と呼称されていた旧『ホテルパサージュ』さん､現在では営業権の譲渡により『ホテルマイステイズ』にリブランドされたホテルに隣接した飲食店舗の集積ゾーン内にて営業されていたという當店､契約満了に伴い現在の地へ移転されたのだとか？薄暗い道路沿いにあって一軒だけ煌々と灯りを放っている當店の明るさに引寄せられるように暖簾をくぐり店内へ｡入って左側にL字型のカウンター席が広がり､その向かい側には畳敷きの小上がり席という造りの店内｡先客は馴染さんと思しき二組三名の方々､その方々に接続する形で入って四席目に席を取らせていただき先ずは地酒の『田酒』特別純米酒を所望｡御銚子に並々と注がれた酒を手酌で猪口に移しいただきます｡デフォルトで供されるつきだしの小鉢には『海鼠酢(ﾅﾏｺｽ)』が供されました｡一般的な『海鼠酢』とは些か味付の仕様が異なりピリ辛味の津軽風の味付で酒が進む味わいのものでした｡何か酒肴に少し切って貰おうとも思いましたが隣席から立ち上がる紫煙の二筋の煙を目の当たりにし咄嗟に長居は無用と判断し即にぎっていただくことに｡先ずは『〆鯖(ｼﾒｻﾊﾞ)』と『小鰭(ｺﾊﾀﾞ)』｡にぎりの根幹を成す舎利は大衆受けするであろう所謂､回る寿司店のソレに準じた凡庸のものではあり寿司種と舎利との結着加減も同様のにきりではありましたが『〆鯖』も『小鰭』も酢と塩の利かせ具合は決して悪くはないものでした｡『豊盃』の特別純米酒を追加でいただき更に『〆鯖』と『煮蛸(ﾆﾀﾞｺ)』をオーダー｡『煮蛸』には『煮つめ』を引いて供していただき仕上げの上がり酒には店主イチオシの『佐藤 企』の特別純米酒をいただき頃合い宜しく勘定をお願いし店を後にすることに｡隣席の方々の狼煙の様な煙害がなかったならば､もう少し腰を下ろしゆっくりしたいところでしたが流石に隣でスパスパは厳しいものがあり早めに席を立つことになった次第｡呑んで適度に摘まんで四千円程の会計でしたので決して高くはありません｡惜しむらくは地方の店ゆえ多少は已むを得ないところもあるやもしれませんが半強制的な受動喫煙の苦行｡折角の美味しい食べ物も美味しさも半減してしまい誠に残念でなりません｡