司馬遼太郎も通った店 : Sushi Yoshida

福井出張の折に、客先との接待で利用。そうした向きでの店としては結構名が通っている店の様だ。利用は今回が二度目。いずれも接待なので、座敷での利用。座敷は二階、三階にある。一階はカウンターである。

４人掛けのこじんまりとした落ち着いた和室での接待。今回は、冬の北陸。少しでいいので蟹を出して欲しいと事前に注文をしておいた。故に、値が張ったが、地元福井の人でも、今やせいこ蟹は別にして、立派な蟹はそうそう食べるもんじゃないと仰せ。蟹って高いからなあ。まあ、冬場に一度食べればそれで充分だが。

蟹は比較的大きなものを一パイ。４人でのシェアだが、身の付いた大きな足を茹で蟹として食べたのだが、うん、久し振りだが、やはり美味いね。日本酒が実に合う。そのまま食べてもいいし、ちょいと蟹味噌を付けて食すも良し。勿論、蟹酢も良い。至極、満悦した。

他の料理では、刺身と寿司。刺身は近海ものと仰せで色々と説明をしてくれたが、その言の通り、実に鮮度がよく美味かった。ただ、関アジと仰せであったが、そりゃあ大分だから福井としては近海とは言えんわな。

寿司は盛り合わせでどんと運ばれたが、本当はこうした供され方は好きでない。カウンターで一カンずつ食べるのが好きなのだが、接待で座敷なので仕方がない。何だか、せわしない感じで食べた（接待なので、かなり気を遣って食べたのは当然だが、何だか貧乏症で、すぐに食べないと鮮度が・・・　という様な気持ちが持ち上がるのが厄介である。トロや赤味、烏賊、いくら軍艦等、よくあるネタばかりだが、なかなか美味かった。
今回利用した部屋で僕の向かいの席が、司馬遼太郎が「街道をゆく」の取材で訪れていた際に座っていた席だそうだ。何だか、その席に座っている客先の人に「ははあ」とかしづきそうな心持がした。

この店、日本酒を頼むと色んな種類のものを見せてくれるのだが、流石に福井の日本酒故にどれも旨いのは確かだが、珍しい限定ものを見せるのは少し控えた方が良いかも。接待の際に値段を聞けない部分を逆手に取られている気がする。いつも料理の値段からして、支払う額にかなり乖離があるのは、酒が相当に高いものだと見ている。せめて品書きに価格を書いておいてくれればありがたいのだが・・・