神戸らしい和モダンな宿でいただく懐石料理 : Tousen Gosho Bou

有馬温泉では中心部と言える太閤通りから少しそれた所にある『陶泉 御所坊』。
外観は伝統的な和風の作りでありながら、内部は随所にモダンな趣向が凝らされた宿。
重厚な客間のような雰囲気の中で懐石料理をいただいていると、時を忘れてゆったりと楽しめます。

こちらの御所坊、前身となる湯処が創業して８００年の歴史を誇りますが、内部は４、５年以内にも改装しているのでしょうか、大正から昭和初期の和モダンな雰囲気で最近のトレンドを押さえているようです。

さて夕食になり１Fの食事処に出かけるとダイニングルームは幾つに分かれているようです。
通されたのは暖炉や書棚、ピアノがある客間のような和モダンな部屋。
庭の木々もライトアップされ青々としています。１１月にもなれば紅葉が見られるのでしょうか？

こちらでは温泉旅館でよくあるように多くの品が最初から並んでいるスタイルではありません。
最初に三段重に入った形で、付き出しや八寸、刺身盛合せなどが提供されます。少しずつ色々と楽しめる形。ウォーミングアップに熱燗で始め、刺身に合わせて冷酒もいただきました。

ついで、お椀として具沢山の薬膳仕立ての土瓶蒸し。

メインは但馬牛の赤身をうまくした但馬玄（たじまくろ）のわら焼きが提供されます。赤身の旨みの濃厚なこと。これにはやはり赤ワインということで勝沼の赤を合わせてみました。

食事の最後は天ぷら。これはご飯、留椀とほぼ同時に出てきます。お酒を飲まない人への配慮としては良いですね。

夕食では、雰囲気の演出、料理のレベルがよくマッチしてゆったりとしたひと時をすごすことができました。

こちらの御所坊、比較的こじんまりしたエレベーターがない宿ですので、スローライフを体現したようなゆったりした雰囲気を味わうには最高ですが、階段の上り下りが苦になるような方は宿の方と相談が必要かもしれません。

予想していた以上に満足度の高い、奥の深い宿でした。