ミシュラン1ツ星 篠山にある全国屈指の蕎麦懐石 ろあん松田 : Roan Matsuda Sasayama Ten

兵庫県篠山市にある ろあん松田に夕食を頂きに行きました。

場所は、神戸からも車で1時間以上掛かります。
自家用車でなければ、訪問が難しいです。

外観は、風情ある一軒家です。まさに田舎の秘境ですね。

店内は、テーブル席と座敷の3部屋のみとなっています。
６人で来られても１部屋、１人で来られても１部屋を贅沢に利用させて頂けます。

昼の営業は２交代制で、夜は1日3組のみです。
家族経営をされています。

夜のお任せコースを注文しました。
代金は、おおよそ1万円程度からです。

揚げ蕎麦で始まりました。

篠山の黒豆茶
中の黒豆も一緒に頂けます。

白無花果と蕎麦のソース

野菜サラダ
ステビア、蓮根、エノキダケ、プリック胡瓜、蕎麦板
自家製の山椒のオイルで頂きます。

八寸
小鉢が、南瓜のソーメン、南瓜、ウワバミソウ
鹿肉のロースト、鹿肉のしぐれ煮
鰊、出し巻き卵、蒲鉾、モロッコ豆、インカの目覚め

盛り蕎麦
蕎麦の実の中心部を用いた蕎麦
盛り、田舎、おろしの順で提供される蕎麦は、
十割、二八、外一と蕎麦の配分、打ち方、太さ、つゆまで変えるこだわりです。

茄子のお浸し
つるむらさきなど、地元野菜をメインに取り入れています。

桜海老のかき揚げ
椎茸、インカのひとみが添えられています。
カリっとした食感の桜海老のかき揚げは、なかなか美味しいです。
インカのひとみは、非常に甘みと旨み強いジャガイモです。

手巻き蕎麦
穴子、水菜、錦糸卵が中に入っています。

蕎麦がき
もろみ、山葵

粗挽き蕎麦
柚子胡椒、鴨汁、塩で頂きます。

お口直しの野菜

山かけ蕎麦
丹波の山芋を使用されています。
こちらの山芋の粘り気も強く旨い山かけ蕎麦です。

おはぎ、蕎麦茶

コース全体を振り返ると、どの料理も繊細な味わい、調理です。
地産地消を料理のテーマとされています。
夕食としては、ヘルシーで精進料理に近い要素もあるので、
男性客や若いお客さんには、若干、物足りないかもしれません。

私達も家族連れでなく、自腹で来られるお客さんとしては、若い方だと言われました。
比較的、年齢層の高いお客さんに支持されているようです。

17年前に蕎麦屋さんをされるために、松田さん一家で、ここに引越しされました。
元々、お蕎麦屋さんを営みたかったとの事ですが、
独学で、このレベルの一品を提供されているのは、ある意味凄いですね。

接客して頂いた長女さんは、非常に茶目っ気があります。
開業に至ったいきさつや、仕事をしていない時のプライベートの話しなど、
色々、お話しして頂きました。

夜の方が時間を気にせず、ゆっくりと寛げますが、
個人的には、昼のコースでも充分、事足りるかと思います。

むしろ昼の方が、外の景色を眺めながら、お蕎麦を頂けるので、
お代も含め、満足度が高いかもしれません。

蕎麦懐石というカテゴリーでは、非常に完成度は高いと感じられます。
しかしながら、蕎麦と鰻は、江戸の庶民の食べ物という感覚で東京の下町で育った私にとっては、
お蕎麦に1万円以上の代金を支払うのに少し違和感を感じるところもあります。
従って、今回の評価点とさせて頂きました。

関西で有名蕎麦懐石では、こちら、「玄」、「蕎麦十九 夢玄」が全国に名が通っています。
東京で長らく生活していたので、相対的に関東の蕎麦を好みます。
しかし、私見として、蕎麦懐石では、こちらのろあん松田さん、
蕎麦自体の味わいとしては、「かね井」さんは、別格であると思います。

関西に旅行に来られた際には、一度、こちらで蕎麦懐石を頂いてみるのも良いと思います。