クロワッサンの真髄 : La boulangerie 32

水戸の幹線道路、国道50号の陸橋下にある小さなパン屋さん。
ご夫婦で経営しているこじんまりした店構えだが、ここのクロワッサンは半端ない。
バターの香りが漂い、食べる度にサクサクと音を立てる。
クロワッサンといえばこの店と言わしめる、真髄を極めたお店なのだ。

今回はあえてそのクロワッサンではなく、チーズとハム、生チョコの焼きクロワッサン、黒胡麻と黒カレーパンをチョイス。

チーズとハムは粘りつく様なパン自体の食感と口の中で溶け出すチーズが大福を食べているかの様な錯覚に陥る。

生チョコの焼きクロワッサンは前述のクロワッサンに生チョコが仕込まれており、それを再度焼き上げてデザートを食べているかのよう。
チョコも甘いと言うより大人のチョコなのでしつこくないのだ。クロワッサンの歯応えと生チョコのしっとり感が独特のハーモニーとカカオの主張がはっきりと伝わってくるのだ。

黒カレーは濃厚すぎないルーが、パンの味を邪魔しない。アクセントとは違う黒胡麻が味の深みと胡麻ならではの油がカレーのスパイスを持ち上げてくれるのだ。

小さいパン屋さんだが計算された味の数式は食べる度に感動とオーナーの美味しさへの強いこだわりを口を通して教えてくれる。

あなどれない素敵な技術者がここにもいた。