大型船で快適なファミリー向けクルーズ : ROYAL WING

横浜港のクルーズ船です。

横浜港で営業するクルーズ船、屋形船の中で最大の船で、乗船は国際線ターミナルである大さん橋になります。

今回はランチクルーズでの利用です。
ランチクルーズは乗船料と飲食代を合わせて平日なら６，１００円のバイキングからあります。
ランチコースは、同じく平日で７, ２００円、１０, ５００円、１３，２００円などがあります。
料理はどれも中華料理で、土日祝は少し高くなる仕組みです。

案内された部屋は、２階にあるローズという部屋です。
こちらがコースのお客さんの部屋になっていました。船首に近い眺望のいい席から、価格の高いコースの人から案内されるシステムのようです。
窓際に席が配置されているので眺望もいいですね。
ちなみに３階の部屋がランチバイキングの会場になっていました。部屋の眺望のいい位置には料理が配置されているようです。
自分のテーブルからの眺望は、価格が高いほどよくなるように配慮がされていますね。

遠くから眺めると白く美しい立派な船ですが、古い船のようです。
メンテナンスは行き届いるので部屋からは古さを感じませんが、窓のサイズが小さく、船内からの眺めはマリーン・ルージュや屋形船に劣ります。
メリットとしては、船が大きい分、揺れは少ないですね。

布のテーブルクロスで、荷物が汚れないように不織布のカバーも用意してくれていて、価格相応に高級感のある対応をしてくれています。

いただいたのは、
■ロイヤルウイングコース（平日８，３００円）＋乗船料（２，２００円）
・ザクロジュース
メニュー表には記載がありませんが、ザクロジュースの食前ジュースがあります。適度に甘く、ちょっぴり酸味がある美味しいものです。
・五種の前菜盛り合わせ
ホタテのブラックビーンズ煮は、ブラックビーンズとのことですが、中華料理なのでトウチのことかと思いつつ食べると、 トウチとも違いますね。
しかし、単なる豆ではなく、熟成感のある旨みのある豆で、かつ、粒の小さなものです。熟成感のある豆とホタテの旨みで、自然なかたちで旨みが増しています。なかなかおもしろいものを用意していますね。
中華くらげは、味付けがほんのりという感じで、ありがちな強い味付けをしていません。くらげの下にはひじきと大根が敷かれています。
海老とオニオンのバジル和えは、前菜にしては海老のサイズが大きいもので、バジルは葉っぱが入らずにオイルに香りと味を移してあり、マイルドな効かせ方ですね。中華料理というよりもイタリアンみたいです。
カボチャの羊かんは、カボチャの一番美味しぃ中心寄りのところだけを取り出して、裏ごしして滑らかな食感にしたような感じです。
鶏肉の胡麻ソースは、見た目どおりの鶏肉のゴマソースかけです。
・蟹肉入り気仙沼産フカヒレの白湯スープ
白湯の旨みのレベル感が違う印象で、もはや、蟹の身は食べても味がわからないぐらいです。
フカヒレはそれなりにちゃんと入っていて、ばらけてはいるものの、１本の細いスジのようなものでなく、小さな短めのものがいくつか入っていて、食べている感じがします。
味はフカヒレ自体には味が無いので、白湯の旨みですね。
・大海老のチリソース
海老は大きくて立派なものです。このぐらいのサイズだと結構な値段がするのでいいものを使っていますね。
味付けもよく、甘さのある広東料理な味ですが、輪切りの唐辛子も少しだけ入っていて、エビチリの元が四川料理だったことを感じさせてくれる味わいになっていますね。
・鶏肉と栗　きのこの醤油煮込み
栗は大きいですし、食感もよくて自然な甘さなので生の栗を使っているようですね。エリンギのようなキノコが入っているのですが、軸がジューシーで美味しいものです。椎茸は干し椎茸を使っていて、旨みたっぷりです。２種のキノコの使い分けは素晴らしいでしょう。
味付けは醤油味ですがコクのあるもので中国のたまり醤油を使っているか、調味料をのばすダシが美味しいのかと思います。
・湘南しらすと大葉の炒飯
配膳されると、青じそが香りますね。食べてみるとそこまで香るわけではなく、適度にスッキリと香るぐらいです。玉子としらす干しのほかにキャベツも入っているのがおもしろいですが、無くてもいいのかなと思いました。
パラパラに仕上げてあって、日本のチャーハンではなく、本格中華のチャーハンです。
・マンゴープリン
マンゴーの果肉も入つた上質なマンゴープリンですね。デザートの前にはジャスミンティーが提供され、非常に気が利いています。
コース全体のボリュームとしては、やや軽めの印象です。量より質の内容ですが、一般的な１人前量よりも少し抑えてあると思います。


船内のエンターテインメントも充実しています。ピアノの生演奏があり、バルーンアートのできるスタッフが各テーブルをまわって、１テーブルにつき１個のバルーンアートを作ってプレゼントしてくれます。
屋上のデッキは、食事のグレードにかかわらず誰でもいつでも出ることができます。煙突の後ろに位置するので風向きによっては多少の重油の燃焼臭がしますが、広いので風向きに注意しつつ移動すれば問題ありません。
船が大きいのでベイブリッジが間近に見えるのもいいでしょう。
航路としては、大さん橋を出ると、山下公園やマリンタワーを横目にみながら、ベイブリッジをくぐります。その後、本牧ふ頭の先まで出て、大きく旋回して、大黒ふ頭寄りから戻ってくる感じですね。
ゆっくり動いている印象ですが、船が大きいからそう感じるだけで、意外に速度は出ているようです。
食事の提供はテンポよく出してくれるので、１１０分のクルージングのうち、半分ぐらいはデッキで過ごして景色を楽しむことができました。
最初は食事に専念して、景色は後半にデッキで楽しむといいでしょう。


船が大きいため、揺れが少なく、広くて快適で、コースの種類や価格に幅があり、エンターテインメント性もあるので、ファミリー向けのクルージングです。