そば屋のカツ丼は、なぜ旨い！？ : Sarashina Kazokutei

小生宅の家人は、定期的に食べさせてあげないと機嫌が悪くなる食べ物があるのであります。（笑）
その一つが更科家族亭さんの『生桜えびのかき揚げ』なのでありまして、この日も「定期摂取」に訪れた次第なのであります。

家人は、冬場なら「おかめそば」＋「生桜えびのかき揚げ(単品)」
夏場は、せいろか揚げなすやじゃこといった種モノに生桜えびのかき揚げを追加するスタイル。

小生は、天丼かカツ丼のセット。
冬場なら温かいそば、夏場は、せいろとほぼ毎回同じメニューであります。

最近、やたら家族亭さんを訪れると食べたくなるのが『カツ丼』であります！
おそば屋さんのカツ丼は、何をどうしても家では真似できず、カツ専門のお店のカツ丼とも一線を画した美味さであります。
家族亭さんのカツ丼は、厚さ1cm程度の豚ロース。
衣しっかり！噛みごたえもしっかり！（笑）
出汁と玉子でとじた、一般的な(東京スタイル)カツ丼。
出汁と衣の塩っぱさを玉子とご飯が緩和しつつお互いを高め合い、掻っ込まずにはいられない！
温かいできたては勿論！
出前で多少冷めても何故か美味しい〜
いや、むしろ少し冷まして、ご飯もツユを吸って膨らんでいる方が旨し！？

『そば屋のカツ丼』こそ、丼界のナンバーワン丼だと小生は、思うのであります！

「おかめそば」の由来は、丼の中の具材を「おかめの顔」に見立てて配したコトからきているそうであります。
囲碁の「岡目八目」からきているのだとばっかり思っていた小生。
飛んだ知ったかさんだったのであります〜（笑）

蕎麦屋のたねモノと言えば、天ぷら蕎麦が頂点に君臨し、きつねやたぬき、鴨やカレーetc
そんな中でも抽象的なネーミング。
「おかめ」と言われても何がトッピングされているのか皆目分からないのであります。

その正体は、上記の通り「おかめひょっとこ」でお馴染みのおかめを模していて、種そのものを表したネーミングではないのでありました。
基本的には、かまぼこや伊達巻等を種としてトッピングするのでありまして〜
お店毎に基本に忠実、顔に見立てたり「岡目八目」と混同されて？八種類の種を載せたりと様々なのであります。

更科家族亭さんのおかめそばは、八種類系？
かまぼこ、ちくわ、だし巻きたまご、お麩、紅葉麩、椎茸煮、たけのこ、ほうれん草の八種類〜♪
これだけ丼一面を飾り立てるお蕎麦うどんもないのでありまして〜
コレはもう！お蕎麦界の『幕の内』と表しても良いのでは！？
天ぷらや種モノが重たく感じる時には、持ってこい！な一杯だと思うのであります。

そして帰りしなに年末の年越しそばを抜かりなく予約するのであります。

小生、ここ十年以上、年末年始は、ルーティンワークをこなしてきたのでありますが～
令和の年に入って様相が一変したのであります！

12/28～1/4辺りまでの世間一般的な｢正月休み｣が取れなくなった。
家族一同が正月三ヶ日に集まれなくなった。
それまで当たり前の様に正月用品やら食材を購っていた商店が、軒並み閉店廃業・・・

これも時代の移り変わりなのでありましょうか？
コンビニが『元日は、休みます！』等と声を上げ始めましたが～
いやいや！｢正月三ヶ日は、お店も休みが当たり前！｣だったのを変えてきたのに、｢働き方改革｣？今になって原点回帰？に釈然としないのであります。

それは、さておき、毎年、年越しそばは、某立食いそばチェーンの年越しそばを買い求め、トッピングの天ぷらを地元定食屋さんが、大晦日にだけ販売する、胡麻油の香も芳ばしい天ぷらを購っていたのであります。
しかし、昨年末にその定食屋さんも閉店・・・
小生自信も電車通勤しなくなり、某立食いそばチェーン店へも足が遠退き・・・
その某店の『年越しそば予約券』の購入で、トップナンバー(その年の1枚目の予約券)を何度かゲットした事もある程に入れ込んでいたのでありますが、ライフスタイルや世の中の変化から年末年始のルーティーンも変化を余儀なくされた訳であります。

そこで、わが家の『新たな年越しそば』の責を担うのに白羽の矢が立ったのが家族亭さんなのであります！
お蕎麦の美味しさは、習知の事。
昔ながらの地元のお蕎麦屋さん。
家人の好きな『桜えびのかき揚げ』も天ぷら共々販売してる～
今考えると、何故もっと早くに気付かなかった!?小生くん！なのであります。

@かき南蛮そば
大振りのかきが5個どーん！
熱々餡かけ汁がそばに絡んでアツアツ、ハフハフ～
かきの出汁がそば汁にも溶け出し、プリプリかきを噛めば、口中いっぱいに磯の香が広がるのであります。

汗をかきかきそばを啜れば、お店で食べるのは、今年はこれがラストかしらん？と思いつつ、『今年もお世話になりました。』そして『今年からお世話になります！』と、心に思うのであります。

家人を連れて家族亭さんへは、よく日曜の昼食を取りに伺うのであります。
家人は、こちらの『桜海老のかき揚げ』が大好きなのでありますが、この時季もうひとつ楽しみにしている『天ぷら』があるのであります。

この時季にしか味わえない『春野菜の天ぷら』

本日は、『春野菜の天ぷら』温かいお蕎麦&単品『桜海老のかき揚げ』と、大盤振る舞い～
春を『食』で堪能するのであります♪
家人は、それでヨシとして～
はてさて小生は・・・
限定『自家製そば味噌カツ』？
限定と言われては、弱いのでありまして～
味噌カツは、味噌カツでも、所謂｢名古屋味噌カツ｣とは違い『自家製そば味噌』を使った味噌カツなのでありまして、限定の新メニュー、頂かない訳にはいかないのであります！

春野菜の天ぷらは、ふきのとう、野びる、菜の花、新玉ねぎ。
ふきのとうの仄かな苦み、野びるの大蒜に似た味わい、菜の花のほろ苦さと優しい食感、新玉ねぎの甘さ～
サクサク薄めの衣と相まってうまうま♪

桜海老のかき揚げ天も桜海老の風味とサクサク食感。
このところ駿河湾での桜海老漁が自粛されている様でありますが、産地を台湾産辺りに変更しているのでしょうか？
取り合えずは、メニューから外されていないのであります。

小生が注文しました『味噌カツ、小そば(温)』セット、うっかりしておりまして、ご飯が普通サイズ!?
これに小さいとはいえ｢丼めし&小おそば｣は、今の小生には、超！大盛りクラスなのであります。
サックリ揚がった、小降りな豚ロース肉。
自家製そば味噌がたっぷり～
甘じょっぱい味噌にそばの実が入っているのであります♪
そば味噌は、そのまま少～しご飯に乗せて食べてもこれまた美味なのでありまして、ごはんのともにもなれば、お酒のあてにもなる優れもの～
それを味噌カツのソースにするとは、お蕎麦屋さんならではアイデアなのであります。

梅の時季も過ぎ、菜の花もまだまだ疎ら、桜の蕾がそろそろ開きそうな～
でもまだまだ寒いのであります。

彼岸の入り、お墓参りも済ませ、頃合い久し振りに家人を連れて家族亭さんへ♪
先日、訪問してみたかったお蕎麦屋さんへ行った際より何だか嬉しそうな家人。
理由を訪ねれば、やはり行き付けのお店だから落ち着くのと、この季節ならではお蕎麦が楽しめるからだそうとの事。
この季節ならでは、家族亭さんのメニューとは？

｢春野菜天ぷらそば｣

ふきのとう、タラの芽、ウドの野菜天。
春の息吹を感じられるのと、こちらのさっくりとした天ぷらが好みだそうで、毎年楽しみにしているのだそうであります。

確かにこちの｢天ぷら｣は、お蕎麦さんにありがち？な重めの衣ではなく、どちらかと言えば｢剥がれ落ちそう・・・｣な、薄め軽めの衣。
胡麻か菜種か？油の香りも香ばしく、くどくないのであります。
逆に｢丼物｣の場合は、少し厚めの衣に甘辛い丼ツユをしっかり絡ませて、お蕎麦屋さん独特の｢天丼｣が美味しいのであります。
小生は、｢海老とホタテのかき揚げ丼セット(せいろ)｣を注文であります♪
食の細くなった家人には、普通盛りのせいろでは、持て余すのが何時もの事、小生のセットの｢ミニせいろ｣が丁度良い量なので、交換するのであります。

揚げたてサクサク天ぷらを楽しみつつ、美味しいお蕎麦を啜れば、春の訪れに胸踊るのであります。

そう言えば家族亭さんでカレーライスを食した事がなかった小生であります！
｢カレー南蛮｣は食した事があるのでありますが｢カレーライス｣となると、どうしても｢天丼｣や｢カツ丼｣に眼がいってしまい忘れていたのであります。
｢お蕎麦屋さんのカレー｣
こいつは、日本のカレー文化が生み出した傑作！
｢本式インドカレー｣や｢おうちカレー｣とも違う｢カレーのいち流派・蕎麦屋カレー｣とも言っても過言ではないのであります！

日曜の昼前、家人を伴って訪問。
本日は、ぶらり散歩の人や早朝野球やスポーツの人もおらず、お店はマッタリのんびりムード。
家人は、こちらのお蕎麦と由比直送の｢桜海老｣が大好きで、本日も｢生桜海老のかき揚げせいろ｣を注文。
小生も、何とかのひとつ覚えで｢天丼のAセット｣を注文しかけたのでありますが、冒頭の通りハタと気付いて思い直し｢カツカレーのAセット｣を注文した訳であります！

10分弱で皿着～♪
大振りの深皿にたっぷりのカレールウ、どーん！と厚切りのロースカツが鎮座しております！
紙ナフキンでくるまれたスプーン、然り気無く添えられている氷入りのお冷が昭和な雰囲気を醸し出しています。
お蕎麦も打ち立てではないですが、シャッキリと角が立った茹でたて～
別皿にそばの薬味のネギと並んだ福神漬け&らっきょがモノトーンの中に際立つのであります。

揚げたて熱々のロースカツを火傷に気を付けつつガブリ！
厚めの衣がガリリ！お肉をブツン！と噛み切れば、カレールウと渾然一体♪
尽かさずスプーンでごはんとカレールウを口へ運べば口福が訪れるのであります♪
カレールウは、黄色みの強いモッタリタイプ。
少し粉っぽさが残るところから察するに｢小麦粉炒めタイプ｣？
辛さはマイルド、後からほんのりヒリヒリ～
カレー南蛮程ではありませんが、なんとな～く｢ダシ｣の風味を感じるのは気のせいでありましょうか？
ルウの具材は、シンプルに玉ねぎと柔らかく煮込まれた豚肉(小さなブロック)だけであります。
カレーでしつこくなりかけた口中をせいろがさっぱりスッキリ～そしてまたカレーを掻き込む！
気が付けば、家人共々完食～｢満腹満足♪｣であります！

やはり｢お蕎麦屋さんのカレー｣は、いつものカレーよりひと味もふた味も違った魅力を秘めているのでありました！

長年月いちペース位で通っていながら、今更気が付いたのであります！

｢天ぷらそばって、大概のお店は既にお蕎麦の上に乗っかってるよね…｣
でも！家族亭さんの天ぷらそばは、｢天ぷら別皿｣
更には、丼の中には海老天以外、彩りを考えてか｢ほうれん草、かまぼこ｣が一緒に乗っていたりするのが一般的でありますが(セット物のミニそばには乗ってます。)その姿は見当たらない…

小生の灰色の脳ミソが思考するに、｢天ぷらそばなのだから《揚げたて天ぷら》も味わって欲しい！｣と言う気持ちの表れなのかと勝手に解釈するのであります。
別皿ならば、お父さんは、チョイと一杯のアテにもなりますし、
そんなお店があるのかは不明ですが、少しでもオペレーションを渋滞させない為に立ち食いそば宜しく、見越して揚げ置きしてホットなんちゃらで保温なんかしてません！と言う証左にもなるのかな…？
などと具にも付かない事を色々考えるのであります。

ふと、前を向けばめっきり少食になった家人が、食べ始めの意気込みはどこへやら…お約束の持て余し気味。
｢もうイイの？｣聞けば、コクリと頷き何十年も昔に繰り返したであろう光景が立場が逆転しているではありませんか…
そして1/3程丼に残ったお蕎麦は、小生の胃袋へと消えるのであります。

昨今、所謂｢街のお蕎麦屋さん｣は、減少の一途だ。
こ洒落た高級蕎麦屋は持て囃されるが、下駄履きで家族揃って入れる店は少ない。

お店の場所は、住宅地の中にあり地元の人間でないとかなり分かり憎いのだが、土日の昼時ともなるとほぼ満員状態。
メニューも豊富で、単品のそばうどんからセットメニュー、おつまみ、日本酒も充実のラインナップ。
小上がりの座敷では宴会も可能で、さながら元祖ファミレスの様相だ。
因みに駐車場も10台分はある。

肝心のお蕎麦も更級系の色白細面。
キリっとした辛めなツユとの相性も良い。
由比から直送の生桜えびがお店の一押し！
春先には、春野菜や山菜を天ぷらにしたメニューなど、季節ごとのメニューも楽しめる。

昼時の混雑時や宴会が入っていると忙しないが、時間を少しずらし、のんびりと一杯やりながら遅い昼食を～なんて下駄履きで気兼ねなくできるお店だ。