超一級の旅館の一つ/ あとはワイングラスのみ : Tawaraya

さぁ、こういう本物の旅館はこちらの教養が試されます。

京都という街の歴史から木造の建築物の内装・庭・風呂への造詣はもちろんのこと、本物の羽毛布団の良さや丁寧な味わい深い極上のお料理のどこまでをこちらが気付けるのか？試されるからです。

そういうことに興味のない方にとってはただの京都の結構素敵な老舗旅館で終わりでしょう。

そんな方は京都『リッツカールトン』『パークハイアット京都』のほうが喜んだりします。

ただ、アーティストやクリエイター・デザイナー・大工や料理人がこちらに伺うとあっという間に虜になります。

そして、ミシュラン三つ星レベルのお料理やスタッフ一同の心遣い、食器や室内デザインやお風呂などの建築設計やアートなど随所の唯一無二の素晴らしさに身も心も解けて癒されます。

同じく京都『柊家』『炭屋』と3大老舗旅館とされています。私は『俵屋』を定宿としていますが、ラグジュアリーモダンな雰囲気の京都を愉しみたいときは京都『パークハイアット京都』がお勧めです。

それにしても『俵屋』を故スティーブ・ジョブズが定宿にするのも当然です。

入り口の壁に設られた100年に一度3,000-4,000万円かけて作り直される栗矢来（くりやらい）で度肝を抜かれ、お料理だけでみても今流行の贅沢な素材を使わなくとも京野菜を超一級の腕とセンスで仕上げてきます。２日目以降のメインはお肉に、天ぷらが食べたい、ワインも持ち込みたいなどと注文しても心良くご対応頂けます。朝食も和食か洋食かで選べますが、干し魚は大したことありませんが、他がとても美味しいので及第点。

味覚の鋭い方なら判るはず。
こちらのお料理は目新しさこそありせんがお味は確か。
ミシュラン1-2つ星レベル。

生粋の京都の超富裕層達がミシュランを断り続けて今は無き世界トップレストラン5位にまでなった新橋『京あじ』をあんなの京都ではなんてことはないと断じるのにはちゃんと理由があります（注: 私は京あじ大好きでした！）。

お風呂は今は絶滅危惧種となった極上の木材『高野槙』。
檜のような華美な香りはありませんが、湯がうっすら緑色に見え、湯が冷めにくく、肌がふやけません。名作の椅子の一つ『Hiroshima』は実は湯を張った高野槙から着想を得たのでは？と思うほど、心地良い木肌でついつい長風呂になってしまいます。私は青森ヒバや木曽檜の浴槽も好きですが、高野槙の浴槽のほうが好きですね。

そして寝具。
今となっては知ってる方は知ってますが、布団も40年以上前からポーランドのマザーグースの胸元の手摘み、、、。

年に一度は全18部屋の1つを2800-4000万円かけて完全リニューアル。

御年88歳の11代目当主の佐藤年のもてなしの心という名の狂気。

とことん粗探しして唯一レベルが低いのは加湿器とワイングラスのみ。ただそれも顧客の率直な意見に敏感なこちらの旅館ならすぐに改善するのでしょう。

個人的には旅館ロゴのゴシック系の『T』は今の若い人たちには『Tポイント』を連想するだけなので別デザインかロゴ下の筆記体のみで充分だと思います。

実は京都旅行や出張において、京都のミシュラン和食店行くならここに宿泊して部屋で美味しい和食を頂いたほうが実は圧倒的にお得です。

メディアにもてはやされている名ばかりの名旅館や6-7万円/人する都内の高級割烹料理屋や中華やフレンチにお金使うなら、40歳代までにこういうところにお金を使いましょう。

美意識やセンスはお金では後から買えませんし、後から培えません。

今の京都の良さを知るならパークハイアット京都やリッツカールトン京都がお勧めですが、京都の奥深さを知りたいのなら、やはり洛中洛北にある生粋の京都の老舗旅館に勝るものはないでしょう。

別格の別次元です。

ミシュラン1つ星レベルのお料理やスタッフ一同の心遣い、食器や室内デザインやお風呂などの建築設計やアートなど随所の唯一無二の素晴らしさに細やかに気付ける人と、もしくは1人でゆっくり2泊以上泊まりたい方にお勧めです。

きっと毎月もしくは毎年通うことになるからです。

審美眼のあるお風呂好きの大切な方ともしくはお一人で。

※ 朝食は和食を選択しましょう。
焼き魚は干物のレベルは普通ですが、近くのかの魯山人達も通った平野豆腐店と湯葉半を組合せた湯豆腐を人間国宝の中川清司氏の最上作の豆腐桶で頂けます。漬物とこちらが特に素晴らしいからです。