五観の偈
『梅湯』
和合物・『焼琳子釜 水前寺海苔 碇防風 焼琳子白和合 アーモンド』
平・『白味噌仕立 粟編笠麸 鶯菜 梅柚子』
練物・『ピスタチヲ豆腐 山葵 大根梅 パプリカ梅』
八寸・『千枚漬寿し 長芋昆布巻 ちしゃとう味噌漬 堀川牛蒡山椒焼 つるし御麸 義省豆腐 金柑釜(黒豆) 新筍 梅人参 梅南京
小吸物・『若筍汁 木の芽』
お凌のぎ『達摩うどん 牛蒡 人参 針生姜 結び三ツバ』
揚物『小蕪 楤の芽 蕗の薹 慈姑 蕨 菊芋 岩塩』
酢物・『若竹梅肉和合 菜の花辛子酢味噌和合 汲上湯葉』
『汲上湯葉』
『若竹梅肉和合』
『菜の花辛子酢味噌和合』
煮物・『海老芋 餅湯葉 針柚』
飯物・『菊芋茶漬 あられ』 香物・『茎大根 青菜 紫菜漬』
『焼き米の湯桶』
『焦げ湯』
水物・『苺 スウィーティー ぽんかん』
抹茶・『又玄』
菓子・『ココア羹 胡桃』
お土産・『山椒しぐれ』
『食事五観文』
店名 |
Shoujin Ryouri Ajiro(Shoujin Ryouri Ajiro)
|
---|---|
类型 | 日本料理 |
预约・查询 |
075-463-0221 |
预约可/不可 |
仅限预订 |
地址 |
京都府京都市右京区花園寺ノ前町28-3 |
交通方式 |
JR嵯峨野線「花園駅」から徒歩約7~8分 距離花园 378 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算(评价总数) |
¥5,000~¥5,999
|
付款方式 |
可使用卡 (JCB、AMEX) |
座位数 |
30 Seats |
---|---|
个人包厢 |
可能的 可容纳2人、可容纳4人、可容纳6人、可容纳8人、可容纳30人以上 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
可能的 |
空间、设备 |
平静的空间 |
酒水 |
有日本清酒 |
---|---|
料理 |
对蔬菜菜式讲究,有素食菜单 |
此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
---|---|
位置 |
家庭式餐厅 |
服务 |
提供外带服务 |
网站 |
臨済宗大本山妙心寺・大心院の宿坊に泊まろうと思い立ち、
お寺に泊まると言う事で、お寺に纏わる『精進料理』とはどういった料理なのかと言うのを実際に食してみようと思い至りました。
精進料理とは?とまずおぼろげに浮かび上がるのは、ごま豆腐を代表とする肉や魚を使わない料理とか、お坊さんが拵えて食べてる食事とかぐらいしか思い浮かばないのが正直な所、
健康に良さそうですが、味が薄いのかなと思ったりと、全く精進料理については知識が無いまま、此方の【精進料理 阿じろ】に訪れました。
この御店は妙心寺御用達であり、そもそも創業者の妹尾吉隆氏はその妙心寺の料理方をされてる方、
そうあってか、御店の場所は妙心寺の南総門の袂に在りました。
訪れると、御店の玄関に自分一人の予約にも関わらず、“○○様 御席“と自分の名前が掲げられてるのに驚きつつ入店、
女将さんに案内されたお部屋には、妙心寺の和尚様の墨蹟があり、何だか身が引き締まります。
御席に着き、目の前の朱色の折敷に箸袋が置かれているのですが、
後々この箸袋にとても大切な事が記されているとは、この時点では露知らず、一体どの様な御料理がi頂けるのかと、興味津々な心境でした。
さて、事前に御頼みしていた献立は、11500円の精進会席【妙法】です。
まずは、『梅湯』の茶礼のおもてなしを受け、
和合物・『焼琳子釜 水前寺海苔 碇防風 焼琳子白和合 アーモンド』、
いきなり、リンゴを使われた献立が供されるのには驚きました。
リンゴは紅玉が使われていて、豆腐との白和えは初めて食すのですが、結構合うもので新鮮な思いです。
アクセントに、これまた初めての水前寺海苔、後々調べると九州の一部でしか採れない物と知りました。
ちなみにですが、食事を粗末にしてはいけないと思い、リンゴの器も全部頂きました(笑)
平・『白味噌仕立 粟編笠麸 鶯菜 梅柚子』、
京都のお味噌と聞けば白味噌を思い浮かべる訳ですが、甘いお味噌とも思う次第で、如何なものかと食すと、
スッキリした甘さのお味で美味しいと驚きつつ、粟が入った編笠麸の素朴な味、鶯菜の爽やかさと梅の形の柚子に、嬉しくなります。
練物・『ピスタチヲ豆腐 山葵 大根梅 パプリカ梅』、
女将さんから説明を受け、ピスタチオの豆腐?!と器を見ると、色合いはそのままピスタチオ色、上には山葵と梅に模った大根とパプリカ、そして醤油、
はて、ピスタチオ豆腐とはと食すと、割と固めの食感で、ピスタチオ感は控えめに抑えつつも濃い目の味に造られてます。
大豆がピスタチオに変わっても、醤油と山葵が会うのには驚きました。
八寸・『千枚漬寿し 長芋昆布巻 ちしゃとう味噌漬 堀川牛蒡山椒焼 つるし御麸 義省豆腐 金柑釜(黒豆) 新筍 梅人参 梅南京』、
八寸ながら十寸有りますが(笑)、色取り取り華やかな御品には、心が躍ります。
その中で惹きつけられたのは、『長芋昆布巻』・『義省豆腐』・『堀川牛蒡山椒焼』、蒲鉾に見立てたり、卵焼きに見立てたり、鰻に見立てたりと、
とても面白く、尚且つ味も素晴らしいです。
小吸物・『若筍汁 木の芽』
早掘りの九州の若筍汁、出汁は精進料理故に鰹節は使わず、昆布やどんこ椎茸や干瓢、そして煎り大豆などを使われるそうですが、
この淡くも一本芯が通った繊細なお出汁は、心に静かに響くお味でした。
お凌のぎ『達摩うどん 牛蒡 人参 針生姜 結び三ツバ』、
達摩うどんとは、饂飩粉ときな粉で造ってあるうどんだそうです。これを整え外側を揚げてあり、崩して頂きます。
食感はうどんと蕎麦の間、きな粉の風味でやや蕎麦寄りな感じ致します。
うどん出汁はやや濃い目に味付けてあり、先に述べた様に揚げてあるので、どっしりとお腹に溜まりました。
揚物『小蕪 楤の芽 蕗の薹 慈姑 蕨 菊芋 岩塩』
訪れたのは1月ですが、今暫く過ごせばやがて春が来る期待感とまだ続く冬を感じさせる品々、
その中で、小蕪の天麩羅は初めて食しましたが、熱いものの柔らかくじわりと感じる素材の甘さに目を見張ります。
酢物・『若竹梅肉和合 菜の花辛子酢味噌和合 汲上湯葉』、
油を使われた献立が続いた所で、さっぱりしたいと思ってた次第に丁度良き塩梅で提供されました。
ここまでで、若筍が3品目になるのですが、最初は煮含めて、次は汁物、そしてこの『若竹梅肉和合』と三様に楽しませて頂けた事に嬉しく思います。
煮物・『海老芋 餅湯葉 針柚』、
先の吸物のお出汁・達摩うどんのお出汁の味とまた違って、椎茸の風味を強めたお出汁の煮物、
丁度良い塩梅の硬さで炊かれた海老芋のホクホクとした食感、餅湯葉の柔らかさのコントラストの対比が絶妙です。
飯物・『菊芋茶漬 あられ 芥』 香物・『茎大根 青菜 紫菜漬』、
少しピリッと芥子が効いた出汁茶漬けは、程よい味でしかもサラリと頂けます。
そして香物ですが、茎大根に細やかな飾り包丁が入れてあり、尚且つ食べやすく、職人さんの細やかな仕事に感激致しました。
『焼き米風味の白湯』、
飯物終わり近く、女将さんがお持ちに成られたのは焼き米が入った湯桶、
この焦げ湯で御椀を綺麗にして、飲み干し御食事は終わりとなります。この焼き米を召し上がっても良いと勧められましたが、お腹一杯で遠慮いたしました(苦笑)
水物・『苺 スウィーティー ぽんかん』、抹茶・『又玄』、菓子・『ココア羹 胡桃』、
とは言え甘いものは別腹な訳で(汗)、しっかり頂戴して全ての献立は終了です。
最後に焙じ茶を頂くと女将さんが、箸袋の中を御覧下さいと促され開けると、『食事五観文』なる事が書かれてました。
内容は写真をご覧戴くとして、改めて思うと、この食事と言いますか、
今までの食事の中で、この五観の偈について、全く思ってない事に気付かされます。
これから先も、この五観の偈を常々心に秘めておくと誓う事は正直出来ない、情けない次第ですが、食に感謝の念は抱かねばと思います。
精進料理を頂き、とても美味しい事と、無駄の無い御料理で有ると言うのを学びました。
「1.旬の食材を使うこと、2.材料を生かしきること、3.念をいれること」が阿じろの眼目だそうです。
正に、その想いを垣間見た良き食事をさせて貰い、お見送りを受けつつ、再び妙心寺大心院に帰り着くのでありました。