店名 |
Abe Ryokan
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类型 | 旅馆/民宿、乡土料理 |
预约・查询 |
0229-83-2053 |
预约可/不可 |
可预订
食事付は3日前まで要予約。 |
地址 |
宮城県大崎市鳴子温泉字赤這125-1 |
交通方式 |
距離鸣子御殿汤 600 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算 |
JPY 8,000~JPY 9,999 JPY 1,000~JPY 1,999 |
预算(评价总数) |
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付款方式 |
无使用卡 无使用电子钱 无使用二維码支付 |
个人包厢 |
可能的 |
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禁烟・吸烟 |
− |
此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
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网站 | |
备注 |
Wi-Fiあり |
地元の米や野菜を使う。出来合いの業務用食品は使わない。
魚は近隣で獲れたものを使う。高価でなくても、地元でしか食べられない魚を工夫して使う。アラまで無駄なく使う。
できれば地域に貢献するような食材を使う。ご馳走ではなく、地域のひとが昔から食べているものを出す。
食べきれないほどの品数は出さない。器に頼らず料理に凝る。温かいものは温かいまま出す。固形燃料で誤魔化さない。
以上が、アタシが地方の宿で求める食事の理想。考えてみれば当たり前のことばかりなんだが、旅慣れたかたなら、こんな宿がどれだけ「ありそうでない」か、よくご存じだと思う。
アタシもあちこちフラフラと旅してきたが、上のような条件を満たしている宿は「せっちゃんのエクスペリヤンスの家」を含め、ほんの数軒しか知らない。
初めて鳴子温泉を訪れたのは、2011年の5月。震災直後で、南三陸町で家を流された方々が、鳴子温泉に避難しているという状況だった。
ボランティアでも何でもないアタシが、こんなところにノホホンと泊まりに来ていいのかしら、という思いもあったが、地元のかたがたは「むしろこの時期に観光で来てくれることが嬉しい」と歓迎してくれた。温泉も素晴らしく、また来ようと思った。
今回は2回目の鳴子温泉。前回ご案内くださった地元のかたが当宿のことをブログに書かれていて、とても良さそうだったので予約した。
当宿は正確に言うと東鳴子の赤這温泉というらしい。もともと湯治用の素泊まり宿だったそうだ。現在は大女将、女将、若女将の3代で切り盛りしている。
震災前、このあたりの宿は、石巻周辺から長期療養に訪れる湯治客が多かった。そこで震災後、復興を応援しようと石巻直送の魚を使い、地元産の食材を使った料理を出したところ、評判になったのだそうだ。
今回お願いしたのは、5月限定、1泊2食6500円の「みやぎいっぱいプラン」
夕食は刺身(鮪・カンパチ・赤貝)・天ぷら(幻魚、鰯の香り揚げ)・蒸し物(ほたてまんじゅう)・煮物(しみっぱなしと菜の花)・酢の物(白魚)・味噌汁・ご飯・香の物に温泉ミネラルウォーターといった具合。
夕食の天ぷらには、関東ではめったに見かけない「幻魚(ゲンゲ)」が使われていた。ゼラチン質の白身で、北海道や青森ではよく汁物などで食べられている魚。しかし宮城では人気がなく、二束三文で売られているという。天ぷらにすれば水っぽさも気にならず食べられる。刺身に使ったカンパチの「アラ汁」も、新鮮なアラを使っているので臭みがなくて実に美味しい。地元のかた曰く、最近の旅館の板前さんは、丸のままの魚なんてさばかないから、アラも出ないんですよ、だそうで。煮物には「しみっぱなし」という、この地域特有の食材が使われていた。高野豆腐に似ているが、いったん凍らせた豆腐を乾燥させずに、そのまま冷凍で保存するのだという。
いわゆる田舎料理だけでなく、帆立などの具を豆腐で寄せて蒸した「ほたてまんじゅう」などは割烹で出てきてもおかしくない、上品な味わいだった。出汁には津波で被災した「石巻丸平かつおぶし店」の鰹節を使っているそうだ。
米は鳴子温泉産の「ゆきむすび」、糯米のような食感で好み。地元の温泉水ミネラルウォーターもつく。食事の時間をすこし遅めにしてもらったのだが、天ぷらも煮物も温かいまま出てきて嬉しかった。
朝食には石巻産カレイの一夜干しに、自家源泉の温泉卵。味噌汁の豆腐の原料も宮城県産大豆。朝一番のバスで帰るので、朝食の時間を早められるかお願いしたところ、快く応じてくれた。
こんな素晴らしい料理を安く提供できるには理由がある。近所に石巻の魚を扱う魚屋さんがある。宿の規模が小さいので、その日入ってきた魚で柔軟に献立を変えられる。魚は丸のまま買って女将が自分でさばくし、ゲンゲなどの安い魚も工夫して使うから、仕入れを安くできる。地元の仕入れ先も色々と協力してくれているようだ。
正直、宿は昔ながらの自炊湯治宿なので、かなり質素である。
建物は年季が入っており、トイレも洗面所も共同で、布団は自分で敷く。浴衣もタオルも付いていない。
夕食後に横になっていると、宿の子供たちが廊下を走り回っていて、なんとも賑やかである。
こういうのが苦手なかたには、全くおすすめしない。
しかしながら、この宿の食事と温泉の素晴らしさは、モロモロの不都合を補って余りあるものだと感じた。
食事とは関係ないけれど、自家源泉を2つ持っていて、2つの内風呂は貸切でのんびり入れる。
休前日だろうがGWだろうが、1泊素泊まり3000円という破格。今回アタシが利用した「みやぎがいっぱいプラン」は5月限定だが、通常の1泊2食でも6500円~7000円で、女将の手作り料理が食べられる。
最近、地産地消の農家レストランなどがもてはやされているが、行ってみたら味はあんまり・・・ってことも多い。シロウトがやるんだから当然である。逆に、こういう小さな宿が地味に地産地消やっていても、あまり注目されない。勿体ないことだと思う。
久しぶりに良い宿に出会えて満足。また行こう。