中軽井沢 食堂 しらいと : Shiraito

店内は電気が消えているがのれんはかけてあるし、営業中の看板も外には出ている。

外からのぞくと電話中の中年の女性が見える。外から店に向かって両手でバツ印を作ると、さっと引戸を開けて招きいれてくれた。子機を片手に誰かと話し中のお母さんは、店内の電気をパチパチっと付けてお冷をだしてくれた。

ゆうに40年〜50年くらいやっていそうな雰囲気。
メニューは壁に書いてある。品数は少なくラーメン、うどん、そばに丼物といった感じ。
客が来たのにお母さんは電話を切る様子もなく1〜2分は過ぎた。自分はカツ丼ともう決めたのだが、中々電話を切る様子もない。ようやく切ったかと思ったら困った表情をして「◯◯さんが今日ウチにインゲンを届けたいって言うんだけど今、天皇陛下が来て…」と会話の内容を自分に話し出す始末。自分は話を遮るように「あ〜お母さん、カツ丼一つ下さい」と先ず伝えると、「はいよ、カツ丼ね」と中に入って行ってしまった。
チンと音がしたり、ジューと揚げ物の音がしたりトントンと包丁の音が聞こえる。
初めてなのに何だか懐かしい感じがする雰囲気の食堂だ。まずきゅうりとキャベツの浅漬けを出してくれた。ポリポリとつまんでいると味噌汁、カツ丼が登場。カツ丼は紅生姜が添えてあるが、見るからに美味しそうだ。
味噌汁は具沢山で野菜がいっぱい。しめじインゲンエノキキャベツ大根といった具合。優しく少しとろみがあって旨い。
揚げたてで熱々カツは厚めのものが4切れだが、旅行客で賑わう避暑地でこのカツ丼780円は良心的であろう。普通に美味しいカツ丼だったけど次からは紅生姜抜きにしてもらおう。