美人の湯に佇む静かな宿 : Tabi No Yado Nanjou

　訪問したのは2010年の春です。古いレビューで申し訳ありません。
　
　鰻は大好物であるマイレビュアー様のブログで、別所温泉にほど近い「北向観音」の写真を拝見しました。同時にわが家で2010年春に出かけた「上田電鉄乗車の旅」を思い出して、記録に留めておきたくなった次第です。

　旅の目的は、「上田電鉄別所線に乗ること」です。「上田電鉄別所線に乗りたい」という二男の希望を叶えるため、JR東日本のツーデーパスを使って出かけました。
　オプションで「鬼押出し園」に行きましたが、あくまでもオプションです。二男は帰りに軽井沢から乗った新幹線の方が印象的だったみたい。
　中央線→小海線→しなの鉄道と乗り継いで上田電鉄別所線に乗車しました。小海線もオプション（笑）。

　ちょうどそのころBS朝日で再放送されていた「レールのあった街」で取り上げられた「上田電鉄　真田傍陽線（さなだそえひせん）」の物語に感銘を受けたようで、廃線の遺構は見られないまでも上田電鉄に乗りたいという思いが募ったのだそうです。

　たった一本残った上田電鉄の別所線。終点の別所温泉駅は、鉄道好きの間では知られた木造駅舎です。
　別所温泉駅の女性駅員さんは、大正時代の女学生みたいな恰好をしているんですね。さまになっていました。
　「旅の宿　南條」は別所温泉駅から徒歩7～8分に位置しています。たっぷり時間をとって撮影したりぼーっとしたりして駅を堪能したあと、南條へ向かいました。
　
　ホテルの前に、「浩宮皇太子宿泊の宿」との石碑。やっぱり別の宿にすれば良かったかな。予備知識はありましたが、目の当たりにすると若干引きます。
　資料で見たより狭苦しい印象でした。
　夜に日本三大車窓のひとつに数えられる「姥捨」へのバスツアーがありましたが、なぜか二男はパスしたいそうです。気まぐれだよねぇ、と母親と笑いましたが、内心はガッカリしておりました。親は行く気満々だったので…(笑)。

　料理は、旅館で提供されるごく普通の懐石風日本料理です。
　値段を考えたらチープだったかも。子ども用の料理もありません。ボリュームもサプライズもなかった。特に朝食は寂しかったですね。いまどきビジネスホテルでももうちょっと良さそうな朝食が摂れるのに。
　駅から近めの宿を見つくろってフリーで予約したので仕方がありません。

　でも、仲居さんたちはホスピタリティ精神が旺盛で、良い方ばかりでした。二男と二人でカメラを構えてブログに載せたいと言うと、「あら、気合を入れてキレイに並べなくちゃね」とお茶目におっしゃられます。
　上田電鉄の楽しいお話もたくさん伺いました。

　こうして、翌日、旅館から徒歩圏にある「北向観音」に寄って「鬼押出し園」に向かいました。
　料理はちょっとがっかりで、旅館の設備も古くさく、変な音がしたりと不満は残りましたが、素敵な仲居さんがすべてを帳消しにしてくださいました。