角煮丼、東坡煮
長崎で坂本屋という屋号は、坂本龍馬を彷彿させてズルいと思います。笑
2012年は"別館1階 角煮めし処<長崎三昧>"で昼食をいただきました。別館は本館から6軒[約30m]離れた場所にあります。
築年数の古そうな、それでいて磨き掛かった和風館内に案内されると、畳の部屋だけどテーブルが用意されています。平日でお客が少ない為か、とても優雅な気持ちになれます。
館内空間独り占め+接客サービス独り占めって感じ!
料理の説明を受けます。
私 :東坡煮って何ですか?
店員:角煮のことです。
私 :角煮丼との違いは何ですか?
店員:角煮丼は、東坡煮を1cm四方に細切れにした肉を使います。温泉卵とタレをかけて食べると別の味になりますよ。
私 :おぉ~。それ良いね~♪
東坡煮と角煮丼を食べ較べるべく、それぞれ注文します。角煮丼(\860)という選択肢もあったけど、季節限定の"夏・涼セット"をよろめいて注文。だって角煮丼<小>と五島うどん<あごだし>のセットなんだものアンテナが立って<=よろめいて>当然です。
東坡煮は、いわゆる角煮だけど長崎市内の他店より1ランク上品な味わいです。甘さの中にも凛としたキレがあり「鷹の爪の使い方が違うんかいなぁ?」などと想像力を掻き立てられます。
でも最も気に入ったのは角煮丼の方です。うまいっ!温泉卵と無茶苦茶マッチしてます。別添えされるタレも美味で御飯お替りしたかったです。でも店の格式が高そうで、つい遠慮しちゃいました。
あと五島うどんは具だくさんで、かつ"あごだし"が美味しかったです。夏を意識してか、あごだしが冷たいまま食べられるよう氷を入れて提供されます。この氷が茶色っぽいので訊ねてみると「あごだしをそのまま凍らせました」との事。
嬉しいですね。氷が融けても出し汁は薄まらず、五島うどんもぬるくならない。こういう配慮が好きです。
ご馳走様でした。次回は"本館で卓袱料理"を食べに寄りたいです。
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東坡煮膳(\1,480):梅酒,松花堂弁当<煮物:東坡煮>,<造り:鯛/イカ>,<炊き合わせ:エビ/里芋/サヤエンドウ/昆布巻/高野豆腐>,<小鉢:もずくと山芋の酢の物/大豆と昆布のそぼろ煮/つけ揚げ>,茶碗蒸し,梅じゃこ御飯,つみれ吸い物,香の物,マンゴームース
夏・涼セット(\980):角煮丼<小>,冷やし五島うどん<あごだし/錦糸卵/蒸し鶏/椎茸/海苔/ワカメ/海老/水菜>,温泉卵,タレ,香の物,マンゴームース。うどんダシは3種<あごだし/梅/柚>から選択
店名 |
Sakamotoya
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类型 | 乡土料理 |
预约・查询 |
095-826-8211 |
预约可/不可 |
可预订
ランチは2名から予約可 |
地址 |
長崎県長崎市金屋町2-13 |
交通方式 |
距離五岛町 231 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算(评价总数) |
¥15,000~¥19,999¥4,000~¥4,999
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付款方式 |
可使用卡 (AMEX) 可使用电子货币 |
个人包厢 |
可能的 |
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包场 |
可能的 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
可能的 |
此时建议 |
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网站 | |
备注 |
【別館は3月31日で閉店致しました。】 |
初回訪問は2012年。久しぶりの長崎-坂本屋です。前回訪れた別館は既になく、今回は本館での昼食。念願の"本館で卓袱料理"っす。
坂本屋は官庁街の裏手に位置した料亭で、グラバー園などの観光名所や思案橋などの繁華街からも離れているので、観光客も少なく閑静な趣きです。
専用駐車もあり食事客は2時間まで無料なので、ゆっくり食事するのに適しています。
今回案内されたのは8畳間の個室。畳の部屋ですが2012年同様に漆塗りの丸テーブルが用意されてて年季を感じます。2012年は大広間を2人で独占利用する贅沢さでしたが、今回は小部屋で密会風。嫁との昼飯ゆえ巡らす陰謀がないのが残念です。笑
今回は卓袱料理をいただきました。卓袱料理ってのは、和食/中華/蘭洋料理を大皿で用意し、丸テーブルで食べるもてなし料理です。江戸幕府の鎖国政策による長崎出島限の初代ファミレスとも呼べる異文化融合ですが、士農工商の身分制度の時代に丸テーブルを使って、身分の上下なく平等を演出する会席は当時は斬新だったに違いありません。
さて料理の紹介です。
女将の口上で「おヒレをどうぞ」から始まり、吸い物を一口すすると大皿料理の説明へと続きます。食前酒があるのに椀物から先に口を付けるのって変だよね。まぁ卓袱のお作法らしいので……。
ちなみに、御鰭ってのは鯛の身を使った鰹ダシの吸い物ですが、鯛よりも焼き丸餅と"どんこ"の方がインパクトあります。餅を焦がした風味と立派な椎茸から溢れる旨みが美味しいです。
続いては大皿料理が5皿です。[中央]のブリ刺しから始まって……画像参照。この中で美味しかった黒豆/コノシロ/ベニサシ/松風の4品をピックアップ。
黒豆は説明できないけど妙に美味しいです。甘みに緩さがなくキレがある感じ。
コノシロは酢〆加減が美味。コノシロは成魚の名で幼魚のシンコ/コハダの方が関東者には耳馴染みます。関東ではシンコ/コハダばかり持て囃されてコノシロの需要は少ないけど、成魚だって充分うまいよ。この店みたいに調理技術次第でコース料理の一翼を担えます。
ベニサシは長崎地方の呼び名で全国的にはヒメジ。小振りのヒメジを二度揚げしてるのかな。カリっとしてて薄塩と合います。きっと南蛮漬けにしてもウマいんだろうなぁ。
世に松風と呼ばれる料理は数あれど、坂本屋の松風は卵と魚のすり身の蒸し物です。ケシの実を纏った3層構造で小麦粉感はなくカステラとは別物です。
そしてメインの東坡煮の登場です。東坡煮ってのは要は"豚の角煮"なんだけど、坂本屋のは他所とはひと味違います。なんちゅうか甘さの中にも品があるる。今回は長崎市内の3軒<坂本屋/岩崎本舗/多ら福 亜紗>で豚の角煮をいただきましたが、坂本屋の圧勝。
他2軒も決して不味い訳ではなく工夫されてて美味しいのに、坂本屋の東坡煮はそれらを凌駕して寄せ付けない味付けで、鷹の爪やスパイスの仕込みが隠されてるようです。同じ日に3軒食べ比べると味の違いがよ~く伝わってきます。坂本屋の東坡煮が通販で人気なのも頷けます。
その後も食事/水菓子といただいて、全部で2時間弱のコース仕立て。ゆっくり食事ができて大満足です。歴史と風情のある個室利用と卓袱料理で1人4千円弱。お値打ちな体験だと思います。ご馳走さま。また寄らせてください。
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あじさい卓袱(¥3,740x2):
食前酒,御鰭,
小菜<ブリ刺し/鶏肉,エビ,蟹,イクラ,ほうれん草のお浸し/黒豆/ベニサシ{ヒメジ},苺の寒天,松風/ふぐ,コノシロ,酢の物>
東坡煮,
御飯,香の物3種,鶏のスープ,
水菓子<苺,マンゴーの寒天,オレンジ/お汁粉>