麺あげの腕は糸魚川随一 : Oshokujidokoro Toki

2013年9月　ラーメン\550

　店主は浜寿司に勤めていたという。そこで〆のラーメンを担当していたところ、浜寿司は寿司も旨いが〆のラーメンが大変旨いと評判になったという。それで、独立する際に寿司屋ではなく中華料理のお店にしたらしい。
　しょうゆラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンとあるが、それらとは別に「ラーメン」がある。これが旨い。先の三品は、野菜炒めの油が入ってこってりと仕上げてあるのに対し、「ラーメン」はすっきりしたいわゆる「新潟魚介系」なのだ。貝由来のコハク酸系の旨みがするところが、新潟市の「東堀石門子」に少し似ている気がする。
　20番細麺。手もみ縮れで加水率はやや高め。固めの茹で上げで、きりっとした味の印象だ。茹で汁をきちっと切った確かな麺あげ技術。こんなところで出会うと思わない上品な味にカウンター気味の驚きを味わうことだろう。
　おかみさんが漁師町の気風の良さで、シャキシャキ強い口調と態度なので驚く人もいる。お客が食べ終わるや否や「はいちょっとごめんね」とテーブルを拭いたり、うるさい子どもには「静かにしな」くらいのことは言う。でも全然悪気はない。せっかちで大声なだけなので、気を悪くしないでほしい。
　予約すれば寿司やお刺身メインで宴会もできる。