煮アワビ肝和え、イサキ塩焼、出し巻、琉球丼 : Kitchen WILL

初回訪問は2022年。大分市の飲み屋街をウロついてます。選んだのはKitchen WILL。半地下の居酒屋です。照明をやや落とした店内は、BGMにビリーバンバンの"iichiko CM SONG COLLECTION"が流れてます。また君に～恋してる～♪　ってヤツね。

大分の飲み屋なので麦焼酎の曲は似合いますが、私がiichiko<三和酒類>と二階堂<二階堂酒造>を混同してて、勘違いな質問でマスターを困らせてしまいました。ゴメンね。
因みに、ビリーバンバンは東京出身で大分との直接的な繋がりは無いそうです。

この店で美味しかったのは、煮アワビ肝和え、イサキ塩焼、出し巻、琉球丼の4品。以下に紹介します。

先ずは"煮アワビ肝和え"。アワビがとっても柔らかくて調理手順に工夫が感じられます。肝を纏ったアワビは濃厚な味わい。肝の苦みをチョイ効かせることで肝の旨みが数倍強く感じられるから不思議。マスターが推すだけのことはある渾身のスペシャリテです。

次は"イサキ塩焼"。刺身盛合せの中でイサキの鮮度と歯応えが素晴らしかったので、塩焼きで再オーダー。にしても見事なサイズのイサキですな。関西の料理屋では小振りで上品なイサキ塩焼に出会うことが多いのですが、マスター曰く「大分ではイサキは大きいのが人気がある」とのこと。

肉厚な魚体で、塩少なめ、皮目パリッ、白身肉ほっこりに焼き上げられてて、チョー私好みです。美味～♪

3番目は"出し巻"。ひたひたと出汁が滴る玉子焼き。っちゅうか鰹出汁が溢れちょる。ぐびび。スープを飲み干すような心持ちでいただきました。満足っす。

4番目は"琉球丼"。"りゅうきゅう"はアジ/サバなどの刺身を醤油/砂糖/酒でヅケにして、胡麻/ネギなどの薬味で食べる大分の郷土料理。それのドンブリ版。この日の魚はカンパチとのこと。美味しいんだよね。大好きなんだよね。りゅうきゅう。

大分県の対岸の愛媛宇和島のひゅうが飯や宮崎の冷や汁など隣県には"りゅうきゅう"の親戚みたいな麦味噌を使った地元メシが沢山あって、どの料理に胃袋を割り当てるのか毎年悩みます。"りゅうきゅう"自体は麦味噌を使いませんが、麦焼酎あるから良いよね。

食事をしてると店の外からピ～ヒャラ♪ピ～ヒャラ♪と笛や太鼓の音色。マスターの解説では「近くの天満社の夏祭り」とのこと。店の外に出てお練り行列を観ると神輿はあるものの参加者はやや少なめで寂しい。

マスター曰く「東京と違って大分は田舎なので、コロナの感染者増がNewsになると大分の人はスグに家に籠る。お陰で店の予約はキャンセルになるし、祭りは縮小されるし、何ひとつ良いことが無い」と恨み節。たしかにこの日の客は私達含めて、たった2組。

そりゃそうだよね。早く感染者が減って町に活気が欲しいよね。マスターに申し訳ないと思ったので、いつもより多めに飲み食いしてみました。

でもね。iichikoの曲を聞きながら静かな時間に身を任せて大分の味と会話を楽しむのって、個人的には良い思い出になりましたよ。また寄らせてください。ご馳走さま。
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刺身盛合せ<関アジ/縞アジ/コチ/イサキ/鯛>(\1,600),椎茸つくね焼(\650),
煮アワビ肝和え(\1,500),白身あん肝和え<コチ>(\1,200),イサキ塩焼(\850),
出し巻(\500),琉球丼,高菜(\1,000),お通し<南瓜/茄子の煮浸し/ひじき煮>(\300)