お代わり逡巡 ☆ 縁 : Sushi En

『お代わり逡巡』


天然もずくを纏った驚くほど旨味の強い下津井の蛸
夏のひとさら目キリリと効いた酢が気持ちよく今夜の食のスタートを切らせてくれる。

ふたさら目は赤酢をくぐらせたハーブに天然シマアジのタタキ。
続いてネギとガリを巻いた鯵は海苔にも巻かれる中間管理職。
軽く干したメヒカリはやはり軽く炙ってある。
つまみの山場は蒸し鮑と肝ごはん。
鯛は柑橘と醤油で和えている。
手巻きは天草の赤うに。
炭火でカリリと焼かれた鰻は吉井川の青鰻。
酒の肴に鰯のつみれ。
貝の旨味が極上のお出汁は蛤の茶碗蒸し。

さてここから握り始める。
先ずは白身が3貫。
鯛、アラ、縞鰺
続いて氷見の鮪2貫。
赤身のヅケに中トロ
コハダを挟んで貝2貫。
これが強烈に旨いミル貝と蛤
才巻きが来て
由良の雲丹が来た。
岡山名産の黄ニラのお味噌汁の後
鰹の手こね寿司。
軽く炙った穴子が出たらトロを叩いた手巻き。
最後に穴子とかんびょうを合わせた太巻きが出て
ふわりのデザート卵焼きでひととおりだ。

そこで後輩に聞いてみる。
何が旨かった？
後輩とこの店に訪れたのは7年ぶりだ。
赤酢のシャリはハラリとほどけ
ネタとシャリのバランスが目を見張るくらい良くなっているのはお互い言わなくても分かる。
今日のお代わりを何にするか聞いてみたのだ。

悩みながら後輩がミル貝に1票入れた。
私もミル貝と最後まで迷ったが
爽やかでみずみずしい由良の雲丹に1票を投じた。
大将に雲丹のお代わりをお願いすると後輩もそれに乗っかる。
大将からは今日お出ししてないネタで渡り蟹があります。
との想定外の答えをもらいどちらもお願いする。

やはり由良の雲丹だ。
飛び切りフルーティーで香りがいい。
ガリをひときれ残しとくべきだった
と後悔しながらお茶を啜ってごちそうさま。

岡山で忘年会の予定が入りました。
そこで社内の食べ友にすぐに連絡。
彼は東京時代のレビューで書いた七厘・かねさか・ＤＲＹＤＯＣＫ・福竹でも一緒だった同僚です。
その彼の今の勤務地が岡山。

そこで忘年会の後に行けるおススメの店は無いか聞いてみました。
すると・・今年度の岡山アワードhttp://okayama-award.com/nominator/2012/2012_prizar.htmlで
表彰された鮨屋の大将が居て、その店の評判が良いとの事。
じゃ　忘年会の食事は抑え気味にしてそこに行こう！

ということで昨日21：30過ぎに訪問してきました。
お店に入ると白木の一枚板の長いカウンター、全体的に落ちついた造りで本格派の鮨屋の趣があります。

料理はある程度食べてきたことは伝えずに　おまかせで頂きました。
まずは鰆のたたきの握りから。
握りからのスタートとは意表を突きますね。
燻製のような藁焼きの香りがする脂の乗ったさわら。
さすが岡山ですね　鰆が美味しい。
お皿も備前焼で岡山らしさを感じます。

続いて九州で獲れたやいと鰹の刺し身。
回遊しない鰹のことだそうで、関東で食べた時は　ねだ鰹と言ってたように思います。
脂が乗ってるいい鰹でした。

そして・・・
・しじみのスープ
・真鱈の白子
・青利イカエンペラの炙り
・たいらぎの炙り
・鯖の手巻き
これは少量のシャリも巻いていますが、あくまでも　つまみ的な手巻きです。

と続き・・牡蠣のオイル漬け　。
これが秀逸な一品です。
牡蠣の臭みはしっかり消されているのに、牡蠣の風味というか、旨味が凝縮されたような料理。
これはホンマに旨い・・・お代わりを試みましたが、私たちが最後の客で品切れとの事。。。残念。

続いて　雲丹のご飯混ぜ
北海道の雲丹との事だったんで「○川の雲丹ですか？」と聞くと・・明礬を使った雲丹は使わないそうで
釧路産の明礬を使ってないものだそうです。

・ししゃもの南蛮漬け

ここからお寿司に入ります。
・鯛
・失念・・写真を見ても思い出せない。
ここら辺りでは岡山の日本酒　造酒錦（みきにしき）を頂いてほろ酔い状態。

・烏賊
・中トロ
・アオヤギ
・煮はまぐり
・鰤　脂がのった鰤は大将は好まないとのことで富山産を入れてるんですが背の部分だそうです。
　　　　　　脂が少ない分、鰤の味がしっかりとしていました。
・コハダ
・つづいてまたも失念。。。造酒錦・・2杯目行ってる頃ですね^^
・イクラ　柔らかく味がしっかりしたイクラ。　こだわりを感じる良いイクラでした。
・おうぞう海老
・わさびのスープ
・蛸
・煮穴子
・芽葱
・玉子焼き

ここまでで一通り。
追加で　かんぴょう巻き・煮穴子・玉子焼き　を頂きました。

大将は岡山の寿司割烹のご出身で日頃からよく食べ歩き(研究)されているようです。
東京・関西・北陸・中四国・九州のお寿司屋さんのことも詳しく、いろいろ良いお店を教えていただきました。
今月も福岡のお寿司屋さんを数件回ってきたそうです。

この日頂いた　つまみやお鮨も、熱心な大将のこだわりや工夫が垣間見えるお鮨で
美味しいだけでなくすごく好感が持てる料理の数々でした。
もっと良いもの・もっと美味しいお鮨を　の姿勢が伝わる気持ちの良いお店です。

料金もこれだけ食べてビール一番搾り一本・日本酒　造酒錦コップ2杯頂いて15000円。
とても良心的だと思います。

これはまた来たい店が増えました。

ごちそうさまでした。