さよならはつけ麺で　辛味噌つけ麺 : Menya rouran

「本年の3月末（予定）を持ちまして麺屋楼蘭の営業を終了することと致しました。開店から20年、当初は大阪では初めてのWスープ（豚と魚介）とつけ麺の店通してオープンいたし、（中略）今回のコロナ過（原文ママ）を機に業態変更し6月を目処に美味しくてリーズナブルな牛ステーキの店のオープンを予定しています。」


　店頭の張り紙です。
　本当に大阪で初めてのWスープとつけ麺の店だったのかは知りませんが、これでロングループのラーメン店は全滅となりました。
　
　最終日と思われる3/31日にわたしは足を運びました。
　
　わたしが入店した段階では客入りは5割に満たない感じでしたが、わたしの来店が合図であったかのように席が埋まっていき、わたしが注文を発したときには満員になっていました。

　周囲の注文を聞いているとまんべんなくいろんなメニューが出ている感じ――わたしがたのんだのは辛味噌つけ麺でした。


　麺の入ったどんぶりには海苔が1枚、なんだかちょんまげみたいでおかしいです。
　つけ汁の器にはチャーシューが2枚、縁にもたせかけてあり、中央に白髪ねぎ。茶色の中に白がまぶしい。
　
　麺は中太で、気持ちのよい弾力がある麺です。割とプレーンな仕上がりに感じるのですが、それにしては妙にウマイ。前回、焦し味噌ラーメンを食べたときには感じなかったことです。

　つけ汁はチャーシューにメンマ、白髪ねぎ、もやし、わかめ、それに牛ミンチが入っていました。
　クリーミーなスープで辛味噌と合わせてもトゲトゲした刺激はなく、まろみがあります。旨辛です。
　もやしは味噌煮よく合っていますしシャキシャキ感もよいですが、わかめは存在感がありません。チャーシューもちょっとパサつき気味に思えます。
　
　
　食べ終わる寸前に、目の前に貼られているメニューから「三色飯」なる料理名が目に入りました。気になりますが、もう滞在時間がありません。これが永久の別れになるのでしょうか。

　こちらのオーナー企業の株式会社ロンは梅田周辺を中心に大阪キタで飲食店を経営しています。＜大阪トンテキ＞、＜グリル・ロン＞、＜北斗星＞、＜ぶどう亭＞、＜欧風軒＞など、手がけるお店は食べログの評点ですべて3.5を超えています。
　洋食メインのこのグループで現在唯一のラーメン屋がこちら（過去にはほかにもあったようです）。しかしグループで最も高い点数を誇るのもこのお店だったりします。なんと3.67（2020年7月現在）。
　
　うるさ型の多いラーメンにおいてこの点数をたたき出すのはただ事ではない、そんな期待を抱いて来店しました。
　
　駅前ビルらしい細長い店舗で、設備の配置がちょっと独特に感じます。とくに大型冷蔵庫が客側の通路の奥にあるところ。
　
　看板メニューらしい焦し味噌ラーメンを注文。
　
　
　具やトッピングは貝割れ、もやし、メンマ、肉味噌、わかめとシンプル。
　色濃いマー油がスープに回しかけられており、これが「焦し」たるゆえんでしょうか。
　
　
　麺は中細。
　スープはうん、味噌ラーメンだねという感じで特筆するようなものはなし。
　マー油もそれほど強い香味があるかではありません。
　肉味噌はまんま甜麺醤そのものの味です。
　なによりわかめが全体のバランスを壊している感じがしました。何も足さず、ひたすら異物感。
　
　
　この焦し味噌ラーメンを食べる限りではこの評点のわけが理解できません。
　ゆず塩でも食べればよかったか、それとも＜大阪トンテキ＞にでも行けばよかったか。
　そんなことを思ってしまいました。