秋の味覚を和を織り込んだ大好きなイタリアン : Ristorante Due Fiori

仲良しのドクターが暫く岐阜に行ってしまうことになったのでお気に入りの隠れ家イタリアン『Ristorante Due Fiori』さんで送別ランチに訪れました

ノンアルコール白ワインのスプリッツァで乾杯したら
折柄のグラスの中に見える蝦夷いしかげ貝の歯応えに爽やかな酸味のジュレが纏います
つづけて白磁のシンプルなカップに松茸の土瓶蒸しを思わせる雉と鳥節のブロードを器に注いで…
スープの下に見つけたふわふわの鱧をスプンに乗せ翡翠と松茸、酢橘をそっと忍ばせると馴染みの深いスープに笑みが溢れる


楽しみにしていたパスタ2品、
ショートパスタからは仔牛のほうれん草のラビオリ
バターソースとナッツの香ばしさでパンチがあると思いきやミルクの泡の甘い香りが優しくまとまり
ロングパスタは柔らかな秋刀魚のコンフィを使ったコク深いマリナーラ、しっかりとしたトマトベースのソースに絡んだホロリと崩れる秋刀魚は秋を凝縮させた味わいがまた極上。

メインは大好物のシャラン鴨
ピンク色が艶めく見事な大きさで、小さくカットした鴨にたっぷりのポルチーニのソースを纏わせダイナミックにその旨味を頬張る

そして驚いたのがデザートのフルーツを散りばめたマチェドニア
発酵乳のエスプーマの下に隠れたシュワっとスパークする食感が新しい
見た目のボリューム感からは想像もつかない驚きと楽しさで最後まで楽しく食事させていただきました
気づけば土谷シェフの創り出す奥深いお料理のファンの1人に、次回は是非ペアリングでコースを戴きたいと思います

ごちそうさまでした。


(メニュー表示から抜粋)
※コロナウイルス感染症蔓延防止対策として
会話の際にはマスクの着用】をお願いいたします
当店ではサービス料、水代金、チャージ料など一切頂戴しておりません
フルサービスはいたしておりませんが
ごゆっくりとお食事の時間をお楽しみいただければと存じます
chef 土谷 哲平

今日は以前からとても気になっていたお店西天満の「リストランテドゥエフィオーリ」さんに家族の食事会で伺いました

日曜日、人もまばらな静かな西天満のビルの合間を通りオリーブの葉越しに見つけた細い細い路地の奥にあるお店、
静かに開けた扉の先は小さな空間に広がる真っ白なクロスの上に咲いたスガハラの花畑
女性ならずとも誰もが心ときめく気品と愛らしさのある雰囲気です

こちらの土谷シェフはポンテベッキオで総料理長をされていた方なのだそうですが
恥ずかしながらポンテベッキオの味を存じ上げない無知な私は今回一度にそのどちらも知ることができるという嬉しさと謎めいた初めてのお店というわくわくする気持ちで胸が高鳴りました

先ずはアルコールの入ったレモンのカクテルで乾杯、
喉を潤す爽やかなほろ苦さとすっきりした酸味は青空の下陽をいっぱいに浴びたレモンの実と涼やかな風を思わせます

お皿の上に置かれたキャビアの小瓶そっと瓶の蓋を開けると艶めくキャビアがびっしり
底から縞鯵や翡翠茄子オクラをスプーンで混ぜてひと口運ぶと
その瞬間、滑らかな味の調和がハーモニーを奏でます
程よいキャビアの塩味に合う縞鯵のトロッとした甘みと歯応えの良いオクラに優しいすだちの酸味、いきなり心を鷲掴みされたような一皿にびっくり
生魚の苦手な娘が美味しいとペロリと平らげた姿には大変驚きました

続けて夏の代名詞とうもろこしの甘みの詰まった冷製スープが出されました
淡雪の塩味がとうもろこしの甘さを引き立てつるりと舌の上で滑るじゅんさいが涼やかでこちらも見事な味わい

お待ちかねのパスタはキタッラ
香ばしく焼き目のついた鱧にからすみ…
これがあの名店の味なのかとじっくりとその味わいを確かめるように戴きました

そして驚くべきは金色のお皿の上のフレゴラトスタータ
彩の良い夏野菜は食感をそのままに口の中で踊るように粒状のパスタと絡み合います
美しすぎるお料理、土谷シェフの世界観を観るようなエレガントで素晴らしいお皿でした

メインは瀬戸内牛とフォアグラのロッシーニですが
フォアグラが最近苦手になり抜いていただきました
串から外す楽しい趣向、
まるで夏休みのバーベキューみたい
肉の旨味染み出す赤身とカブ3種類の味を楽しみながら戴きました
私のお気に入りは玉ねぎのピクルス、さっぱりとして何処からか現れた山椒の香りが上品に纏う
肉の旨みを引き立てるスパイスの使い方がとてもお上手でドラマティックな一皿でした

美味しさの因子はフレーバーとテクスチャー、
視覚や聴覚を使いながら咀嚼して飲み込むまでに触覚で感じるものといいます
バリエーションの豊かさは満足感を生み味わいの不均一さがコースを組み立てる
生まれ持つセンスとは凄いものですね、素晴らしいの一言に尽きます


［本日のランチコース］¥6050税込＋ドリンク（カクテルとグラスワイン赤）

◆砦翠茄子 シマアジの炭火レア焼き キャビア　オクラ 浅葱の花
生姜　酢橘シブレット

◆雉と鳥節の冷製プロードのジュレ とうもろこしのスッコ
秋田産天然じゅんさい 紫芽紫蘇 淡雪塩

◆キタッラ ハモの炭火焼と万顧寺とうがらし
自家製からすみ 白ネギ 酢橘

◆夏野菜とサルシッチャのフレゴラ.トスタータ 菜園風
モッツアレラ 熟成パルミジャーノ

◆香川県産赤身牛「瀬戸内牛」 とフォワグラのロッシーニ風
ナスタチウム 玉葱のピクルス夏カブ トリュフ 実山椒塩

◆天然酵母パン＋枝豆の発酵バター
・全粒粉のパン
・ライ麦と米粉のパン

◆ダークチェリーとクロテッドクリームのカンノーリ
バニラジェラー下濃厚チェリーソース
◆カフェ　エスプレッソ


最後に
こちらではサービス料、水代金、チャージ料など一切無くフルサービスではありませんがシェフに直接お料理のお話が聞けたり寧ろソムリエの目を気にする事なく肩肘張らずにリラックスしてコースが戴けたのがとても気に入りました
お料理と器のトータルバランスはシェフのセンスと経験値から生まれた言うなれば芸術作品、
探していた作品に出逢えたような嬉しさです

ごちそうさま。

今回知られたくなくて投稿を少し躊躇いましたがとても良いお店なので敢えてご紹介致しました
季節ごとに通いたいお店です
土谷シェフ今日はありがとうございました、
これからもどうぞ宜しくお願いします