料理とのマリアージュも最高 : Kaji synergy restaurant

霜降月もあとわずか、すっかり陽も暮れるのが早くなり、御船山の綺麗な庭もよく見渡せないのは残念。今夜は同僚の招きで、その御船山にあるこちらへ。店内は広く、落ち着いた音楽が流れ、モダンでこだわりのある素敵なインテリア。

料理は久しぶりにイタリアン、予約しておいてくれた「オリジネ」（5500円）。まずは喉が渇いた、ビールで乾杯！美味い、いつも思うがやはり一杯目はビールがいい。今夜の料理は：

◆ストゥッツィキーノは、「カボチャトリュフ」、意外にもあっさりとした味わい。

◆アンチパスタは二つ。一つ目は「ヒラマサと焼き茄子のインサラータ」、地で獲れた魚がとても新鮮。

◆アンチパスタの二つ目は、「甘鯛のグリル」、インゲンとカリフラワーが添えられ、甘鯛の鱗を立てて香ばしく焼いて、鱗も身と一緒に食べれるように仕上げているのが特徴、海老ソースとよく合う。

◆プリモピアットは、「雲丹のリゾット海苔添え」、長崎の手長海老と有明の海苔を使っているそうだ。

◆セコンドピアットは、「若楠ポークの薪焼」、地元武雄のものを使い、丁寧に薪で焼き上げたこの店自慢の逸品。有田徳幸窯の味のある皿に、地元で採れた新鮮なゴウヤ、人参、ピーマンなどの焼き野菜と一緒に美しく盛り付けられている。若楠は癖もなく繊細で、表面はしっとり中は柔らかく、とても美味しい。そして、薪特有の燻香がいい。

◆パスタは、「アマトリチャーナのタリアッテレ」、白っぽい有田李荘窯の器に盛り付けられ、佐賀白石の玉葱が甘くとても美味しい。

◆ドルチェは、「パンナコッタとバニラ」をコーヒーと共に頂く。

全７品の料理は、どれも地元の素材にこだわり、旬のものを使った大変美味しいものばかり。しかしながら、今回のメインは何と言ってもワイン、同僚はイタリアワインに詳しく、こだわりも強い、白か赤かといいながら、ソムリエでもあるシェフと話して彼が選んだ一本が、イタリア北部ピエモンテ州のバルバレスコ、プロドットーリの「ランゲ　1995」(7700円)。同僚は以前、現地でビンテージは違えどこれを飲んだことがあるというツワモノ。

グラスに注ぐと、色は明るめ、既にオレンジがかってはいるが、ガーネット色。香りはキノコやプルーンのような複雑性がある。一口含むと、２５年の歳月が過ぎているが、まだ壊れていない、骨格はしっかりしている、柔らかな酸味で、軽い飲み口、白か赤かと迷っていた我々には丁度良い、料理とのマリアージュも最高。さすが、同僚はイタリアワインのツワモノだ。イタリアワインは品種が多く難しいが、ネッピオーロに今回興味を持った。

同僚との久しぶりの再会を、素晴らしい料理と彼の思い出深きワインで、互いの誕生日を祝せたことは最高の思い出となった。ご馳走様、次回また是非伺いたい。