埼玉・浦和、浦和駅東口「冨士寿司」。【7th】 : Fuji Zushi

この「にぎり」、「武骨な集団」だな、と感じた。

暖簾をくぐった時から、何だか感じるモノがあった。
どこか雑然としている部分も見受けられるのだが、格を感じる空間。

まだお若いだろうが、眼光の鋭い大将。
相対すると、背筋が伸びる感覚。

カウンター中央に陣取れば、年季は感じるが一枚モノの白木のカウンター。
漆塗りの付け台。

であれば、ランチメニューの中から選ぶのは一つ。


「横綱にぎり」(2,000円)　ーー　写真の通り。

全貫を握ってからゲタで出されるタイプ。
まず、なるほど、と思う。

色合いである。
バランの緑がど真ん中に差し込まれている。
その緑を取り除くと、上段も下段も、黄・赤・白・赤・白という並びである。

にぎり１つ１つに目をやれば、なかなかのツワモノ揃いである。
タネが厚切りなのもあるが、そもそも素材の魚がデカいのが伝わってくる。
エンガワなど、波の間隔を見ればいかにデカいかがよくわかる。

ソコで、冒頭のコトバである。
「武骨な集団」だな、と思った。

お椀の、ナメコ豆腐汁も良い感じだった。
軍艦の海苔も、お茶も美味しい。

ランチ１食を食べただけで、全てを語ろうとは思わないが、そういうモノにもこだわりを感じる昔ながらの江戸前寿司の良店であろう。

ごちそうさまでした。


（文責：京夏終空、2022.7.27）
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