店舗敷地にスッポンまで飼う熱き店主 : Ukarokkon

心惹かれるのは熱い心を持つ料理人さん。
銀座しのはらの篠原さん、仁修樓 の上岡さん、フナシェフの船岡さん・・・・
五箇荘町にもそんな料理人がいました。

滋賀県五箇荘町は近江商人発祥の地。
繊維関係企業が多いですが、その中でもワコールは有名。
その塚本家の番頭だった方の築180年の邸宅をリノベ。
玄関先にはスッポンの水槽、玄関土間には鮎の水槽。
自家製果実シロップの瓶がズラリと並び圧巻。

靴を脱いで上がると、スタイリッシュな木の座卓が並ぶ広間。
庭を望める椅子席の半個室。豪奢な年代物の象嵌で飾られた座卓の個室。

ドリンクは自家製ジンジャーエール（500円）に。
生姜の繊維まで底に沈んでいる濃い～もの。

七膳の淡海のコース　4400円で予約しました。
他に九膳の湖国コース（6600円）があります。

先付け　新玉ねぎ豆腐　おかひじき　ジュンサイ　生姜オイル　酢橘胡椒　鰹出汁
　ちょっと食感を感じるも滑らかな豆腐　芯を感じないジュンサイ
　お出汁も美味しいし、幸先良いスタート☆

八寸　①冬瓜炊いたん　②ビーツと貝柱出汁に漬け込んだ新玉ねぎ　③テンペ（インドネシアの大豆発酵食品）
　　　④鴨ロース　⑤赤蒟蒻　⑥蕪炊いたん　⑦トマトピクルス　⑧胡瓜塩もみ　⑨山芋漬物
　　　⑩薩摩芋蜜煮　⑪琵琶湖小鮎の七香煮　⑫コリンキー（生食南瓜）　⑬カボッキー(韓国南瓜）　
　　　⑭琵琶湖の天然スッポン加薬粽　⑮オクラ
　圧巻の品数。小鮎の七香煮はその名の通り、7種類のスパイスで炊いたもの。
　粽はスッポン、鰹、鰯、鯖、干しエビなど18種類から採った出汁に、
　黒鮑茸、クコの実、ナツメなど8種類の具材入り。
　医食同源そのもので、深い味わいに引き込まれる☆☆

焼物　琵琶湖天然アユ塩焼き　黒枝豆　新ショウガ　昆布
　1時間かけてジックリ焼いた鮎は骨まで柔らか

蓋物　手打ちうどん　バイリン　黒木耳　たもぎ茸　絹さや　麹オイル
　バイリン？中国原産の白い希少な茸だそう。見た目はエリンギに似てる。
　たもぎ茸は栄養満点で旨味の濃い茸。お出汁が美味しい☆☆

口休め　九条葱と焼き玉蜀黍の白和え　ホワイトアスパラ、ウコン、隠元、大豆をトッピング
　　　　ペコロスのコンフィ
　感嘆するほど滑らかな白和えはとても美味☆☆

揚げ物　琵琶湖のニゴイ唐揚げ・チーズ鋳込み　シャドークィーン、ズッキーニ、万願寺、黒鮑茸
　ずっとサッパリ系のお料理だったので、ここで油物は良いアクセント。

食事　近江牛の糠漬け茶漬け　茗荷　葱　アラレ　香の物
　お店の看板メニュー。近江牛のモモ肉を、花山椒などを加えた番茶オイルで1時間ほどじっくり加熱。
　1日置いたのちに30品目ほどからなる自家製のぬか床に2日間漬けるという手の込みよう。（ヒトサラより）
　ひつまむしのように、最初はそのまま、次に出汁茶漬けにしていただきます。
　お肉からは発酵の滋味あふれ、出汁はこれまた旨い☆☆　お代わりが欲しいくらい。

水物　青梅のシロップ漬け　青梅ジュレ

こちらの接客はこれまた極上。物腰柔らかでよく気がつくこと、この上なし。
お料理を更にワンランク上げるものでした。

お見送りの際に、店主とお話させていただきましたが
お料理のみならず、町おこしイベントなど、多方面に熱い情熱を語っておられました。
食べ仲間に、良いお店に出会ったとすぐ報告しました^^