桜岡茶寮 : Sakuragaoka Saryou

熱海の老舗旅館の１つのあたみ石亭の別邸となるお宿。少ない室数と全室離れ（の様な）の造りで、ゆっくりできる旅館です。

様々なタイミングが割と合い、お祝い＆慰労的に旅行をしようとなり、これまた様々な制約の中で泊まれる良さげなお宿ということで、こちらへ訪問しました。熱海駅から車で10分ほど、駅としては来宮駅の方が近いようです。ファサードは個人のお宅の様なコンパクトな感じで、ロビーなども無くお部屋でのチェック・インとなるため、仲居さんやスタッフの方がいなければ本当に邸宅に訪問したような印象さえ受けます。お部屋は正統派の日本旅館といった佇まい。全室では無いようですが（恐らくあまり使われない２階の部屋だけ無い？）、お部屋に半露天の温泉もあります。大浴場を使いたい際には石亭のお風呂を使わせていただく形になり、そちらへ出かけていくという形になります。今回子ども連れでしたが、その為の様々なアメニティ？的な様々が充実していて、そこはいい意味で旅館っぽくない滞在でした。

お食事は部屋食でオーセンティックな懐石料理です。お魚を使った品々が並ぶのが立地を感じさせてくれて良いです。お酒は地酒の飲み比べなどもありながら、色々な地方の日本酒、ワインも旅館でいただくというシチュエーションを考えれば結構種類があると思います。ただ、お値段は全体的にやや強気なような気は致しました。。。とは言え、お酒もいただきながら食事を進めます。

先付けに様々な品々。中にはムール貝を使った洋食よりなアプローチの品もあり面白かったです。色々な食材が使われ、食べ応えもあり楽しめました。吸物は、土びん蒸し。松茸、鯛、車えびとこの時期らしい季節感で。最初の内の繊細な香りと柔らかい味わいから、最後の方の濃厚な味わいへの変化は思った以上に楽しかったです。造りは、カンパチなどで4種ほど。肉厚な切り身で美味しかったです。焼物は、秋鮭の西京焼に金平牛蒡を添えたお皿。あしらいなどにちょっとした贅を感じ、豊かな気分になります。お味はしっかりとした濃い目の味付けでお酒が進みますw。煮物は、海老芋と穴子。こちらは優しい味ですんなりと食べ進みます。揚物は、帆立貝しんじょう。衣がカリッと香ばしく食感が良く食欲が湧きます。ここまでの流れの中ではメイン的に食べ応えがある一品でした。一緒に酢の物も。ずわい蟹と胡瓜、くらげ。こちらは落ち着く酸味で料理を〆る印象です。その後、食事はきのこご飯です。

翌朝の朝食も熱海らしく干物を使った朝食になっていて、おいしくいただけました。朝食の白米が美味しく、旅館泊ならではの贅沢を感じながらあっという間にチェック・アウトです。

お安くはない旅館ですが、サービスや調度はそれだけのものがあります。昔ながらの日本旅館を地で行く雰囲気や滞在を楽しめますので、そういう向きを楽しみたい際に。