肉の後にはバーボンを
夕食で使った、上等のミニッツステーキが口腔に残したグッド・フィーリング©︎木之内みどり な後味を治める、というか昇華させたくなり、ここにバーボンを投入したらいーんじゃねーかな、と、ボンヤリ思いながら雨のザギン・シティをそぞろ歩き。
こういう時、以前であれば、五丁目のルパンやとりぎんの近くにあったバーボン専門バーDinoに飛び込めば良かったが、四半世紀ほど前のコーンウヰスキー・ブームが終わり、いつの間にか閉店してしまって久しい。
傘を鳴らす雨足を気にしながら晴海通りに至り、ああそういえば、と、こちらを思い出す。
人気店で客層が比較的若く、週末の時分どきなど満席で入れないほど、であるが、雨の日の酔客というのは不人情なもので、この日はバーテンダー三人、お客も三人の「マンツーマン・ディフェンス」状態。
好き嫌いだけ申せば、やや「盛りすぎ」に見える店内普請であるが、若い人にはこういう風が「重厚で落ち着きがある」という事になるのかもしれない。
ま、銀座的ではある。
低く、タップリとした椅子に腰掛け、相変わらず見た目カッチョいい「突き出し」が運ばれて来たところで、目の前の(勝亦オーナーではない)年若なバーテンダー氏に
「バーボン・ノーアイス、チョッといいヤツ、でも高すぎないの。食事の後、ステーキ」
と、申請。
以前は書籍にあたり、或いは武者修行のように「銘酒バー」を回り、銘柄、仕様、陳年に凝り、覚えたものを言い立てる「北方謙三的ハードボイルド」オーダーを面白がったものだが、世の中には新旧の酒が溢れてい、一方、じしんの記憶力は衰退気味という #冷徹な事実 に直面し、そもそも目の前に「その筋の玄人」が立っているのだから、最近はこうやって、欲しいものの属性と自らのシチュエーションだけを言って、投げ出すようにしてしまう事が多い。
それでピタリとハマれば儲けものだし、自分の思っていたものとは少し違い、しかし思いがけず調和を見せるようなら、その「ゆらぎ具合」が新鮮で面白いから、だ。
ヒマだねオレ、はは。
運ばれてきたのはフォアロゼスのプラチナ。
「高すぎないの」が効いたらしい。
バーボン・ノーアイスはショットグラスに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、トーモロコシ主体の火酒は、香りを楽しむというより、舌と上顎の粘膜に擦り付けるように味わい、その「焼け具合」に妙味を覚えながら、小さなグラスを掌の中で玩弄しているような飲み方が適切に感じられるから、とは、数週間前に劇場で観て興奮し、長距離移動の飛行機の行き、帰り、と繰り返し座席テレビで観続けた、久々の西部劇映画の秀作「マグニフィセント・セブン」にカブれているから、とは、自分の相変わらずのお調子者ぶりと脳の煮え具合があからさまになってしまうから黙っている。
そう思いながらショットを二杯、手首を返すようにして喉に放り込み、というのはウソでチビチビと舐めながらバーテンダー氏と話し出すと、先ほどまで味わっていた肉の話から、なぜかとんかつ談義になり、
凹凸はどう?
いや、ありゃもう、昔からの人気でいつも混んでるし、カツ丼のアタマに生タマゴの黄身がポンと置いてあるのが野暮ったく、やりすぎだし、なにより女将がイバっ…
と、おおやけに文章に起こすのが憚られるような展開となり、あゝこれはバーボンで舌が滑りすぎてら、と、自重し、三杯目は酒棚から目についたオールド・プルトニーをテイスティング・グラスで所望すると、スカッチのりんごっぽい香りと塩気が饒舌を封印し、空気が正常に流れ出し、
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
と、信州松本の居酒屋の壁に貼りつけてある若山牧水の詩を思い出し、首をすくめない、事もない。
シェイクン・ノット・スタード!
週末に銀座でゆっくり呑むのは、実を言うと至難である。
なにしろ会食・会合・逢引・倶楽部活動のビフォー・アフターと街中に酔客が溢れ、或いは呑み足りないからもう一軒と、或いはアタマに血が登っていて、これから繁殖活動に持ち込んじゃうゼ! と息まくカップルが前哨戦に、一週間お疲れ様~な女子会諸君が懇親の場をと、それぞれに居場所を求め、酒場を回遊する。
なかでも当店は、故大槻氏の系統のなかでもカッチョイー系、尚且つ、比較的顧客平均年齢が低め。
それだけに人気が高く、しかも上記の繁殖系・女子会系から絶大なる支持を受けているため、一般に長っ尻でカウンタ席の回転があまり早くなく、間違っておぢさん、なかんずく後期中年者に属する人間がふらりと入ってみると、往々にして満席で入店がかなわぬか、それを見て席を譲るべく、慌てて勘定を済ませアタフタとする一人客の同輩諸兄と目を合わせて苦笑い、とか、そういう目にあう事が少なくない。
カッチョイー系のバーではギブソンに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすればどうせじっくりと腰を落ち着けて呑んでもいられないから、初手からガツン! とキツいのを、とは、余裕のない発言なので黙っている。
そう思いながら、黙っていてもステアではなくボストンシェイカーで確りと振られた酒は、液面にチラチラと細かい氷が浮かびつつ薄くなっておらず、強い酒の組み合わせなのに口当たりは丸く、目と舌を驚かせ、さすがは2009年エチゴのカクテルコンペで優勝した名人の店だけはあるな、けど、バーテンダーの数が多い割にみんなテンパってるね、どうにも落ち着かないけど細かい事は気にするな! 優れた指導者は感情を表さないものだ©副島隆彦と、自分に言い聞かせない、事もない。
店名 |
Fo Shi Zun Zu(Fo Shi Zun Zu)
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类型 | 酒吧 |
预约・查询 |
03-3563-0808 |
预约可/不可 |
可预订 |
地址 |
東京都中央区銀座4-3-12 伊藤ビル4F |
交通方式 |
地下鉄銀座駅C4出口からは徒歩2分 距離银座 44 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算(评价总数) |
¥5,000~¥5,999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 无使用电子钱 无使用二維码支付 |
服务费收费 |
チャージ 1,000円,サービス料なし |
座位数 |
21 Seats ( カウンター12席) |
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个人包厢 |
可能的 可容纳6人 半個室あり |
包场 |
不可能 |
禁烟・吸烟 |
可全面吸烟 自2020年4月1日起,有关被动吸烟对策的法律(修订后的《健康促进法》)已生效,因此请在访问前与餐厅联系,并且可能与最新信息有所不同 |
停车场 |
不可能 |
空间、设备 |
平静的空间,座位宽敞,有吧台座位 |
酒水 |
有葡萄酒,有鸡尾酒饮料,对调酒讲究 |
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此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
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服务 |
有品酒师 |
网站 |
同じような組み立てのカクテルでも、ギムレットは通年、季節のことは「あんまり」考えずに喫するがダイキリやマルガリータとなると、夏限定、と思い込んでいる節がある。
そしてそれらを注文し、口をつけると、なんというか「夏休みの課題」をやり遂げた「ような気に」なり、ホッとする。
近代的な処方で名高い「大槻学校」出身の一軒。
若いお弟子さんが振ってくれた一杯は期待通り、シャープな味わい。
カウンタ一部にアクリル板の残るものの、行動制限が緩和して久しい店内。
マスクを着け続けていたせいか、声の出し方に抑揚をつけるのが苦手になったらしい客さんが増えたね、と、甚だでっけえお世話を感じつつ、もう少し静かに飲みたいなと、はしご酒の言い訳を思いつき、早々に店を後にしない、事もない。
尚、具体的な飲料の詳細は、別掲の写真ないし、写真のコメント欄に当たって頂きたい。