モダンスパニッシュに初挑戦 : ZURRIOLA

初訪問。
盆休みのメインイベント（笑）
計画していた登山が天候悪くて中止になり、ガッポリ空いたスケジュール。
せっかくなので滅多に行かないジャンル、お店をと言う事でいろいろ探して辿り着いたのがこちら。
予約は1週間前で取れました。しかもお一人様もオッケー。
ホームページから予約に進むとテーブルチェックにリンク。
私はパエリアは大好きなので銀座の『エスペロ』には何回か行った事ありますが、世界のフードシーンを席巻しているモダンスパニッシュなるジャンルの店は初体験。
私が知ってるこの系統のお店は日本橋『アカ』や永田町『サンパウ』くらい。
しかし私が今までモダンスパニッシュに手を出さなかった理由は２つ。
１つはモダンスパニッシュって、どんな料理なのか、どんな味なのかさっぱり想像つかないコト。
そして２つ目の理由は当店も含めて『アカ』や『サンパウ』も、フレンチに比べるとお値段が高めであること。
今回は新たな味の世界を求めてチャレンジです。
場所は銀座『交詢ビル』。
先日たまたま１つ上のフロアの『赤坂離宮銀座店』に来たばかりなので、その時スリオラの下見も済ませてあります（笑）
平日ランチにオヤジ1匹で突撃。

■本多シェフの経歴
ホームページの本多シェフの経歴を見ると面白い。
調理学校を卒業後はフレンチに進みフランスの『ジョルジュ・ブラン』にもいたらしい。
そこらかスペイン料理に傾倒。しかし帰国後はなんと『龍吟』にも（笑）
そして『サンパウ』のスーシェフを経て、2011年に『スリオラ』をオープンし、現在ミシュラン2つ星。

■店内の様子
予約時間の10分前に到着。
声をかけるとまだ準備できて無いとの事で、なんと個室に通されそこで待機することに。
店内はカウンター席、別のエリアにテーブル席、個室もありかなりの大箱です。
準備ができて私はカウンター席へ案内。
逆L型カウンターでかなり広いです。
隣の客席と肘が当たるような事は皆無（笑）
オペレーションは、本多シェフとアシスタント3名で、基本的にアシスタントが調理して、料理の提供と説明は全て本多シェフがやります。
なので2人でもカウンター指定した方が、本多シェフから直接説明を受けられるのでオススメかと。
あとメイン辺りからカットや火入など肝心なところは本多シェフがやってました。
ちなみに私は残念ながらコンロや炭火があるところから1番遠くて見えづらく残念なポジション(T . T)
サービスは支配人の他スーツ姿の男性2人で、距離感、会話もわざとらしくなく完璧であり流石は2つ星の接客で文句なし。

■感想
期待を超える感動の連打で、マジ再訪確定！
スリオラに来て良かった〜❗️
これでお盆休み、後悔なしに終わる事ができます（笑）
当たり前ですがフレンチやイタリアンでは味わった事の無い味のオンパレードに大興奮（笑）
現在フレンチどっぷりの私には、明らかな違いがあり全て新鮮でぶっ刺さりました。
癖がある訳でもなく受け入れやすいテイストで、全皿素直に美味い。
私のツボに完璧に刺さりました！
聞くとモダンスパニッシュと言うよりは、本多シェフの修行したバスク地方サンセバスチャンの味をシェフの多彩な経験を生かしてアレンジしているとの事でした。
スペインには行った事が無く、スペイン料理ではパエリアとアヒージョしか知らない私には、まだまだ知らない味の世界がある事を再認識。
ボリューム的にも大食いな私でもしっかり満腹感。
しばらくスペイン料理にハマりそうです（笑）

■本日の税込27500円のコース内容は以下の通り
❶スナック
・豚の形をしたジャガイモのスフレ、チョリソーのクリーム
・パン、オリーブオイル
いきなり経験した事の無い味と食感に、この後のワクワク感全開。ちなみにパンの中に何やら辛いオイルが入ってるらしく時間差でむせる。
私以外の客もむせていてスペイン料理の挨拶がわりか（笑）

❷サルレモ。ガスパチョ、ウニ、アボカドのピューレ。
この夏いろいろなお店でガスパチョを飲んだのですが、私の求める酸味に出会う事ができず。
さすがは本家でありこのガスパチョは感動レベル。

❸タパス
・茹でタコ、イカ墨のチップス、ピティージョピーマンのクリーム。
チップスの独特な食感に萌える。
・毛蟹のスフレ。
独特な甘味がたまらない。
・つぶ貝のアヒージョ、パセリのソース。

❹乳化させたフォアグラ、シェリービネガーのジュレ。
スペシャリテとの事。
ペドロヒメネスと言う甘口のシェリー酒が効いたフォアグラが、甘いの大好きな私にはドストライクの味。しかもフレンチでは体験した事ない味に興奮（笑）
更にスペインの種付きの干し葡萄が甘味、食感と共に素晴らしいブーストで感動！

❺乳飲み子豚のコンフィ。
本日1番感動したメニュー。
子豚のコンフィの下に、黒ニンニクのピューレ、メンブリージョ（カリン？）のグミ、赤玉ねぎのピクルスがありレタスで巻いて食べると、甘じょっぱい、そして複雑な味が口の中に広がり、感動のハーモニー。
すんげー美味い！

❻軽く燻したキャビアのラビオリ。
これもスペシャリテとのこと。
見るとものすごいキャビアの盛り（笑）
葡萄の枝を使って燻したキャビアとの事で、そもそも燻したキャビアを食べるのは初めてで、素晴らしい燻製臭。
更に玉ねぎのソースが入ったラビオリを大根で巻いてオーブンで焼き上げたものと合わせて食べると、もう感動しか無い。何も言えねぇ〜（笑）
更に締めた鯖で味変して、昇天します。

❼ルッコラステーションのサラダ、トマトとケッパーのジュレ。
ルッコラステーションと言う八街の農家？から仕入れた野菜。
トウモロコシ、ボイルした車海老、カボチャ、蓮根などとにかく１つ１つの野菜の味が強くて半端ない。
そしてスペインの牛乳を使ったチーズのソースが未体験な味わいで、野菜達をつなぐ。
これは感動のサラダ、
私の人生で感動した『ラトゥーエル』のメリメロサラダ、神保町時代の『傳』で食べた傳サラダに並ぶ衝撃の味でした。

※ここでパンの登場。
ホイップバターとオリーブオイル。罪悪感を感じつつたっぷりつけると幸福感しかありません。

❽五島列島産天然のクエの炭火焼き。
まずものすごい大きさのクエの切り身にテンションアップ。
食べるとブリブリの歯応えで、クエそのものポテンシャルが高過ぎる。
そしてクエの出汁とソプラサダ（チョリソーソーセージ）のソースが、これまた初体験の何とも言えないソースで感動。
付け合わせのスペインのシシトの素揚げとレモンのアルベドも美味い。

❾熊本県さんあか牛の炭火焼き。
フレンチやイタリアンで牛を食べても面白く無い私。メインはやっぱり牛かぁとテンション下がっていたのですが、こちらの牛は別物でした。
岩塩つけて炭火焼きしただけとの事でしたが、なんとも言えない個性のある味わい。そしてマンチェゴチーズとルッコラのソースをつけるとこれまた未体験ソースに笑顔しか無い（笑）
更に付け合わせのチコリのエスカリバーダ（オーブ焼き）の軽い苦味と合わせるとこれまたたまらない。

➓メロンをライム、レモングラス、サトウキビのお酒でマリネしたもの。
お口直しの位置付けですが、手間を感じる複雑な味とかつ爽やかさ。

11.クリームチーズのムース、ヨーグルトシャーベット、国産のサフランのソース。
デザートも完璧。
サフランの香りがビンビンに効いてて力技でねじ伏せられる。

12.自家製チョコレート、ハーブティー
・ライムソースの入ったポンポンショコラ
・カカオのムース
・ブラウニー
・ガナッシュクリーム
・カカオジュース。
スペインらしくお茶菓子は、チョコレート攻勢。
豆からお店の手作りチョコレートでどれもメタクソ美味い。
特にカカオの殻から取ったカカオジュースが、独特の甘さがあってしみじみ来ます。