「伝統と革新」を模索する
テーブルの個室から日比谷公園を散策する人々が見える
折敷に先付け
明石の鯛の昆布〆。できれば "へぎ造り" をトマト醤で食べたい
京麸、京野菜に胡桃白和掛け
椀
蓋を取ると湯気が立ち上る
鱧、冬瓜。瓢亭の出汁の基本は鮪節
八寸
土佐ジロー隠し味に土佐醤油
マスノスケの粽、加茂茄子、ヤングコーン、土佐赤牛
瓢亭で牛肉を食べるのはこれが二回目。楓の実が添えられている。
宮城県産小鮎の揚げ焼き三尾、陸若布敷き
小さいのに肝玉を潰さず串打ちがされている。おいしい!
碗 (本店で使われる "永樂" とは異なる)
炊合せ、京湯葉、南瓜、絹芋、車海老、焼き万願寺唐辛子
瓢亭らしい味付けは白眉もの
食事 (ピントずれ御免)
これを食べるためにだけ訪れても良いと思わせるほど、おいしい!
新生姜ご飯、お米は庄内産 "亀ノ尾" の子孫品種
二膳目は白米多めにして
炊いた雑魚や牛蒡笹掻を載せて食べる。おいしい!
水菓子は、枇杷のコンポート、卵のアイスクリーム
「革新」このスプーンで食べると素材そのものの味が楽しめる
筒茶碗に番茶
テーブルの疵は作法を心得ない客が器を引き摺ったのかなぁ。
向可うと古ろ 障里なし(上村松園)、掛花は銀座「野の花 司」
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ここより二回目訪問時の写真 2023年2月末
寶舟
店名 |
Nanzenji Hyoutei(Nanzenji Hyoutei)
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类型 | 日本料理 |
预约・查询 |
03-6811-2303 |
预约可/不可 |
可预订 |
地址 |
東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 3F |
交通方式 |
距離日比谷 86 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算 |
¥15,000~¥19,999 ¥6,000~¥7,999 |
预算(评价总数) |
¥30,000~¥39,999¥10,000~¥14,999
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付款方式 |
可使用卡 可使用电子货币 |
座位数 |
26 Seats |
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个人包厢 |
可能的 可容纳6人 |
包场 |
可能的 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
可能的 |
空间、设备 |
平静的空间,有吧台座位,有日式包厢 |
此时建议 |
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网站 | |
开店日 |
2018.3.29 |
【二回目の訪問・・・2023年2月28日】
写真のみ追加
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【一回目のレビュー ↓】
私は、都内の移動でも公共機関を使うことを控え、La macchina (車)を使っています。「瓢亭 本店」の "くずや" に座し、谷崎潤一郎の "陰影礼賛" を堪能したいのですが、新幹線に乗ることができず、ここ二年間、訪問していません。
ならば、2018年3月29日に営業を開始した「南禅寺 瓢亭 日比谷店」があるではないかと訝る方も多いかと思いますが、私には日本料理に対するささやかな拘りがあります。
1、座敷で食べる。(料理がおいしく評判が良くても目の前で調理されるカウンター割烹は落ち着いて味わうことができない)
(飲食店の主役は客であり料理人ではない。食事中は優れた仲居が間を執りもてば十分である)
(衣擦れの音、足袋が畳を踏む音、襖を静かに開閉する音、風や鳥や虫の音が心地良い)
2、時間の経過と共に変化する光の "うつろい" を楽しむ。(ビルの中に設えた人工の光ではなく自然光が座敷に入ること)
この二つは、四十五年前に初めて訪れた「瓢亭 本店」で衝撃を受け、多くの日本料理店から学んだことでもあります。
(当日は、カウンター席ではなく奥のテーブル席をご用意いただいた)
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筆の進まないレビューというのがあり、自らの言葉で表すとSNS上で軋轢を生じることにもなりますので、下記の記事を引用させていただきます。(掲載については未承諾ご容赦ください)
2017年に取材した↓「Foodion(フージョン)」より抜粋:
https://foodion.net/interview/yoshihiro-takahashi/1?lang=ja
瓢亭 十五代目当主:高橋義弘 氏 (1974年、京都府生まれ)
聞き手:齋藤 理、文:田中 智子、写真:岡 隆司 、各氏
■日本人が、日本料理や文化を語れる世の中になって欲しい
齋藤氏:
髙橋さん自身43歳でまだ働き盛りですが、10年、20年後の展望は。
髙橋氏:
大変難しいことだと思うのですが、海外への発信よりも、「国内でもっと日本料理を語れる人が多くなれば」ということをずっと考えているんです。
例えば、海外で爆発的に売れた日本酒がありました。当時、ニューヨークで見かけた時は「日本では目にしたことないなぁ」と思っていたのですが、後に日本でも海外のフィルターを通して大ブームになりました。
海外で日本のものが売れて広まると、逆輸入されて日本でも売れるという流れは、とても良いことなのですが、一方で、初めから日本できちんと評価され、消費されるようになるといいなとも思っています。
今、小学校の講習で食育の活動も続けているのですが、出汁のひき方からテイスティングまで体験してもらっています。「うちの家では、これとあれを使って出汁ひくんやで」とか、学校で当たり前のように話題になる時代になればと思っています。昔は乾物屋さんがあって、家庭の味に合わせてブレンドしてもらったりしましたけど、今はそういう姿も見られなくなりました。
今の子どもたちの世代が、次の食文化を作っていくんです。テーブルがあって椅子に座ってナイフとフォークを使って…という食事を続けていたら、なかなか出汁の文化も根付いていかないですよね。肉を大量に食べるようになって来る一方で、お米は全然食べなくなってきていたりします。
齋藤氏:
2000年かけて作られてきた文化が、どんどん消えていく。気付いた時には遅い、というのはあるかもしれませんね。
髙橋氏:
いろいろな食に関する活動をしていますが、結局「食育」がいちばん大事だと確信しています。学校の講習はもちろん、家庭の場でも教える場を増やした方が良い。その習慣化が、次の文化を創っていくのだと思います。そうしたことの手伝いを、これからも続けていきたいですね。
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ZENB initiative ↓ より抜粋:
https://initiative.zenb.jp/voices/takahashi_yoshihiro/
髙橋氏:
「最近、日本人のなかで食のルーツを大切にしようという意識が薄らいでいるのではないかと残念に感じることがあります。厨房の中で調理する京都の本店ではあまり直に実感する機会はなかったのですが、昨年(2018年3月29日)に東京店を出店して、カウンター越しにお客様と接する機会が増えたからかもしれません」
日本人であっても和食の作法を知らない人や、料理を上手に食べられない人なども目立つという。
髙橋氏:
「最近、気にかかるのは不自然な食べ残しですね。お寿司のネタだけや、卵の黄身だけを召し上がるような食べ方をされたりする。ダイエットやアレルギーなど事情があるのかもしれませんが、料理人としては複雑な気持ちになります」
率直な思いを語る一方、その理由を冷静にこう分析する。
髙橋氏:
「食材や食べるという行為を大切にできないのは、礼儀作法など日本の伝統的な食文化の知識が薄らいだせいかなと思います。これは生活様式の変化が大きい。たとえば、かつて日本料理はお座敷に座り高膳を用いて食事することが日常でした。お椀との距離も遠く、自然と器を手に持つ作法も身についた。しかし、今は洋式のテーブルと椅子の生活が普通です。作法の意味を自然に受け取れなくなっている環境へ時代とともに変化してしまったわけです」
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「古典的なものや伝統は守りながらも、常に“革新”は必要です。革新とは、即ち勉強の繰り返しです。」と、仰る十四代目 高橋英一氏は、2015年、その当主の座を十五代目 高橋義弘氏へ譲りました。瓢亭十五代目当主 高橋義弘 氏 (1974年生まれ) は、現在 四十七歳です。私が初めて訪れた時の十四代目当主 高橋英一 氏 (1939年生まれ) は、三十八歳でした。四百年以上もの歴史を持つ「瓢亭」は現在も「伝統と革新」を模索し続けています。
料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
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瓢亭が一番大切にしているのは、出汁です。
十四代目 高橋英一氏は、ご自身が味わってきた出汁の引き方に納得がいかず、素材から試行錯誤を重ね、鮪節を主体にする出汁を考案し、大きな“革新”をしました。これを引き継ぎ、東京の水で京都と同じ出汁を引くことは至難の業です。また、現代的な作法を好む東京人が受け入れる出汁の味に合わせる試行もされていると思います。
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