【伯爵とフレンチ#36】オクターブが上がる。 : L'Octave Hayato KOBAYASHI

ー Menu Loctave ー
◆サーモンのマリネ
◆天使の海老フライ
◆毛蟹のタルタル　
◆オニオングラタンスープ
◆自家製パン
◆穴子のフリット
◆甘鯛の松笠焼き
◆ブルターニュ産オマール海老のロースト
◆宮城県産A5黒毛和牛ランプのロースト
◆フォンダンショコラ　塩ミルクのアイス
◆アップルパイ
◆お茶菓子

◆サーモンのマリネ
サーモンの脂、クリームのコク、キャビアの塩味が三味一体となってバランスよく旨味が広がる。

◆天使の海老フライ
小ぶりながらむっちりとした身質で旨味を感じられる海老フライ。さっぱりと仕上げたタルタルもグッド。

◆毛蟹のタルタル　
タルタル仕立ての甘味がある毛蟹にグレープフルーツのソースがぴったりと寄り添って涼を感じさせるさっぱりとした味わい。コリンキーのほのかな甘味と食感のアクセントも小気味よい。

◆オニオングラタンスープ
熱が入って甘味が膨らんだ玉ねぎとトロっと伸びるチーズのコクがリッチ。蓋裏の玉ねぎも食べると甘味が濃くて美味しい。海老フライといい、シェフは洋食屋をやっても人気が出そうです。

◆自家製パン
ほぼワンオペでパンも自家製とは恐れ入ります。硬めのクラストで噛むと小麦の甘みがちゃんと感じられる。小ぶりなのでスナック感覚でパクパク食べ進めちゃいます。

◆穴子のフリット
「Congre」フランス語で「穴子」を表現。シェフの遊び心が感じられます。サクッと揚がった穴子は淡白ですが、夏野菜のマリネと敷いたジャガイモのムースがしっかりと穴子を補完。スパイスと一緒に口に運ぶと、カレー風味のオリエンタルな味覚へと変化。スパイスの効いた味わいに夏の食欲がそそられます。

◆甘鯛の松笠焼き
立ち上がった鱗はスナックの様にサックサク。油の風味が甘鯛のふくよかな脂と溶け合って香ばしくリッチな甘味が広がる。ソースも素晴らしく、貝の旨味がバッチリと効いていて、甘鯛ととうもろこしの甘味をより豊かに引き立てている。

◆ブルターニュ産オマール海老のロースト
最高級のオマール海老の旨さに脱帽。余計な水分が飛んで、ブチっと弾ける身質と逞しい旨味が堪らない。そして何よりも素晴らしいのはソースとリゾット。濃度120%のアメリケーヌソースを吸い込んだリゾットは旨味のK点超えでひたすらに恍惚となる美味しさ。
ヤングコーンの食感もアクセントとなって存在感を発揮。最高に美味しかった。

◆宮城県産A5黒毛和牛ランプのロースト
オマール海老に続いてこちらも素晴らしい。
程よくサシの入った牛は噛むとじゅわっと濃い脂のジュースを吐き出し、口いっぱいに旨味を広げる。ジュのソースもバチッと塩味が効いていてしっかりとクラシック。肉を喰らっている喜びに心音のオクターブが上がります。

◆フォンダンショコラ　塩ミルクのアイス
クラシックな甘味どっしりのフォンダンショコラ。ビターでアダルトな味覚抜群で思わず心音はクレッシェンド。夏だからって軽いデセールに逃げない姿勢が素晴らしい。大満足のデセールでした。

◆アップルパイ
アップルなのでイヤホンと遊び心溢れ過ぎな一品。小ぶりながらリンゴがしっかりと感じられて素晴らしい出来。焼きたてのアップルパイは意外と食べられないから嬉しい。

◆お茶菓子
お茶菓子も自家製と最後まで徹底した仕事ぶり。特に生チョコはとろける様な食感と濃厚な甘味が人気の一品。これを目当てに来る方もいるのも頷ける美味しさでした。


クラシックなソース使いでモダンフレンチのウィークポイントである物足りなさをカバーした、痒い所に手が届く素晴らしいコースでした。軽いものから段々とギアを上げていくコースの流れも流麗。クラシックフレンチ好きな方にもバッチリとハマること間違いなし。また行こう。