南昌飯店/新宿通り、何らかの飯店
メトロを四ッ谷駅で乗り換えて新宿入りする方法を覚えてしまったら、とくに意識しているわけでもないのだけれど、映画を新宿で観る割合が高まったような気がしてる。
国鉄、青い電車を田端で緑の電車に乗り換えて新宿入りしたって時間的にはそれほど変わらないと思うが、それって何故だろう ……?
おそらく、国鉄新宿駅周りの喧騒をパス出来るからということと、そしてまた、四谷三丁目、新宿御苑界隈のご飯処に、私のspiritがあらたなるfrontierを見出そうとしているからだろう
<R4.2.26>
「南昌飯店」
駅を這い出し、新宿通りを西へ行ったところの中華屋に目星をつけて歩き始めたところ、とつとして目の前に別の中華屋が現れた。
既に勃興するコンサル開店系大陸中華居酒屋を見限っている私だが、こちらはこの地に長らく定着している昔ながらのお店のように見え、また店頭の看板のおすすめにも興味が沸いて、先ずは押さえておこうかと突っ込んでみた次第。
午後1時の少し手前のところ。
こじんまりと見えていた間口に対しては豊富なテーブル席を抱えているようで、身の置き所に不自由はなさそう。
そのとおりにお姉さんが奥へどうぞと促してくれて、先客の女性と、パーティションで隔たれたアベックの間に腰を収めつつ、明らかに毎日同じだろうという感じの“本日の”おすすめを注文
本日のおすすめ定食
“蟹肉と春雨の煮込み” @900也。
こういった如何にも定食 ! というご飯を実はやることが稀なため、ちょっとどきどき ♪
はるさめとご飯を口中調味していく為に用意されていたのは潔く箸のみだが、結局スプウンだってフォウクだって使えないだろうと思い、長くsauceの絡み難いはるさめと、粘ってはいるのだが何故か連帯感が希薄でぽろぽろと崩れてしまうご飯を、これは日本人として恥ずかしいことだが、けっこうに苦労しつつ食べ進めていく。
でもほんとうは町中華のこ~ゆ~のは、おいしい ! ってならなければならないはずなのに、それほどでないのはいったい何故だろう ?(笑)
それがおそらく、“春雨”というwordから、自分が渋谷「パンダ・レストラン」の麻婆春雨を知らず知らずのうちに期待してしまっていたからだろう、ということに気づく
となりのアベックの女の人が、この昼間っから、酔っているのか大きな声で居酒屋トークを連発させていて非常に気に障るのだが、もしかしてそれってぼくの嫉妬 ?(笑)
ホールのお姉さんは中国人のようだが、厨房の男性とは日本語でやりとりしており、思った通りに大陸系中華とは一線画されているようで、その意味では目論見通り。
最初はご飯ちょっと少ないけどお代わりはfreeなのだろうか ? と思っていたが、食べ終わってみるとおかずとご飯の進み具合はぴったりで、しかしこれは良いことというよりは、味に麻婆春雨のようなパンチがないからであろう。
それをこれは昭和の優しさを基調としている料理なのだから、と、自分を納得させにかかった。というか、もうそうすることしかできなかったぼく
ひとつ料理をやらない私に分からないことは、このひとつの料理として蟹肉と、合挽きか豚挽き肉を合わせているところで、こういった動物系のお肉と魚介系のお肉を合わせるのって、セオリーとしてどうなのかな ? ってこと。
ラーメン屋だったら魚介系とんこつとか、ふつ~にやっちゃうんだろうけどね ……
―― 現実的にも、挽き肉使わないで蟹肉だけでしょぼくならないようにこの皿作ろうと思ったら、高くついっちゃって無理なんだろうけど ♪
店名 |
Nanshou hanten(Nanshou hanten)
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类型 | 中国菜 |
预约・查询 |
03-3356-2827 |
预约可/不可 |
可预订 |
地址 |
東京都新宿区四谷3-13 大高ビル 1F |
交通方式 |
東京メトロ丸ノ内線【四谷三丁目駅】徒歩2分 距離四谷三丁目 163 米 |
营业时间 | |
预算(评价总数) |
¥2,000~¥2,999~¥999
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付款方式 |
可使用卡 (JCB、AMEX、Diners) 无使用电子钱 可使用二維码支付 |
个人包厢 |
不可能 |
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包场 |
可能的 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
不可能 |
此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
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服务 |
提供外带服务 |
关于儿童 |
接待儿童 |
备注 |
出前アリ(11:00~23:00) |
大晦日ということで心配事はご飯処の営業状態だが、今年は去年おととしに比べ、とくに繁華街にいると、それほどの全滅状態は感じない。どころかけっこうふつうにどこも営っているではないか、と思えるのも、コロナ死者数が過去最高に達しているというのに緊張感がまるで薄れ、営業自粛を簡単に忘却してしまうこの日本社会の病理か。
今まさに迫りくるトリプルデミックの恐怖 ! 新型コロナ、インフルエンザ、そして痛風発作に同時に襲われる危険が非常に危ないという専門家たちの意見に、どうして皆耳を傾けないのだろう ……
四谷三丁目でライズしたら、きしめん専門だと思っていた「尾張屋」さんが営業しており、この寒風の中、つゆの芯まで滲みてちょっと黒っぽくさえなったあのあたたかいきしめんに瞬間恋焦がれるも、既に一組待っているようなのでpath。
1、2度入ったことのある中華屋さんの先にも香港料理の店があるよあで、暫し看板に見入ったが気分が乗らず、シフトレバーをreverseに入れ、その手前のお店の前までバック
「わたしバックが好きなのよ~お ♥」
―― by あき竹城さん
<R4.12.31>
「南昌飯店」
新宿区の条例では悪質な客引きが禁止されているはずだが、それを無視して店頭で待ち構えているおばちゃんのターゲットは無論、若い男。
そのことに全盛期のジャック・ニクラウスのように集中している為に憐れ気付いてもらえない私は、その横を静かに通り抜けようとしたところ寸前のところでバレてしまい、「オクド~ゾ、オク !」と、お店の奥へと強制連行されてしまう。
おばちゃんのおすすめは「牡蠣味噌ラーメン」。牡蠣を6つ使っており、大変おいしいという !
「あの3番ってゆ~のください」
しかしその勧めを強靭な意志力で振り払い、思った通りの注文を貫くぼく
ちっ ! と舌打ちしながら悔しそうに調理場に注文を通すおばちゃん
(それは嘘ですごめんなさい)
本日のおすすめ
“マーボー麺 (小チャーハン)” @800也。
そして蠱惑の中国料理が舞い降りた !!
中国5000万年の歴史に包まれた店内の中、悠久なる大陸気質に溢れるおばちゃんの持って来てくれたどんぶりは、日本人であり、またそもそも子供の頃麻婆ラーメンなんか食べたことなかったぼくをもしかし、何故だか懐かしい優しさで包み込んでくれる。
挽き肉はちゃんと日本のお肉問屋のもののようで、さらに生姜が機能しているようで嫌味を感じないのかな。
となりの女性は後ろ髪引かれるように、私と同じくおすすめ定食系の麻婆春雨を残して去っていくようだが、それもそのはずのボリウム満点 ! でも食べちゃうことは、決して意地ではなく、素直に箸が止まらないから
マーボー麺のつゆは、麺の質との兼ね合いもあろうが、つゆと麻婆豆腐の一体度(逆に言えば分離度)を加味しつつ、全体としての粘度をどのあたりに持ってくるかがキーとなろうが、それがちょうどマッチしているのであろう。
まさしく昭和のトラディショナルな炒飯とも相まって、お値段に対し非常に満足度が高く、まさに“おすすめ”を名乗るに相応しいご飯と思った
「カキロッコハイッテル、イマシュンダカラ !」
その後も続くお客さんに執拗に(笑)牡蠣ラーメンを勧めるお母さんだが、なんでも明日の元旦も営業し、なんとここ二十数年休んだことがないという !
(と、となりのアベックに言ってました)
そんな勤勉精神をぜひママに聞かせてやりたくとも、もうママのお店もなくなった。けれど過去のことにはとらわれずここは前向きに、ぽかぽかになった体で新宿通りを、東に向かって元気いっぱい歩きはじめるぼく