たまにはこういうランチも悪くないかと : Ai Kawa Tsukamachi Ten

私は転勤族としてサラリーマン人生を送ってきましたので、これまで色んな地方で勤務してきましたし、最近の単身赴任時にも、その勤務先において色んなところへ出張することが多くありました。

そんな機会に出張先でランチをとったり、場合によっては夜の席があることも多かったわけですが、ランチにしても夜の席にしても、用務先の地元の人と一緒する機会については、利用するお店に何となく共通項が見えるような気がしていました。

それは、大都市ではなくて、地方の中小都市により顕著で、簡単に言ってしまうと、その地方に昔からある老舗の割烹、小料理屋さんの類いが多いんですね。

地元の人から見ると我々は客みたいなものなので、地元の料理を食べさせてあげられて、落ち着ける個室があるお店ということで、そんなお店が選ばれることが多かったということかと思います。

ただ、東京勤務になってからは、たまの出張の機会を除いては、そんなお店とは縁遠くなっていました。

なぜこんな話を冒頭に書くかと言うと、この日ランチ友とのランチで訪れた当店は、そんなちょっと懐かしい気持ちを思い起こさせてくれるお店だったからです。

神田ランチも大手町から比較的近い内神田エリアはほぼ制覇していますので、現在はその外縁エリアを探索中ですが、当店も神田司町二丁目の外堀通りから一本中に入ったところにある和割烹です。

ランチタイムは、2階の個室での御膳も提供しているのですが、お店は専ら1階での弁当販売の方が賑わっている感じです。

この日当店に到着したのは12時15分前。
実は、当店の少し先にあるシンガポール鶏飯の「松記鶏飯」が空いていればそちらを利用するつもりもあったのですが、残念ながら店頭に4〜5人の待ち客が見られましたので、ターゲットを当店に切り替えました。

当店は、創業昭和40年と伝わる割烹なので、自社ビルとは思われるものの、お店全体はやや古めかしいように感じます。
店頭にはお弁当メニューのほか、2階個室の御膳メニューも掲示されていました。

入店したところは、お弁当売場になっていますが、そこにいた男性店員に2階の個室利用は可か確認すると、今日は天ぷら御膳は出来ないが、刺身か焼魚であればOKとの回答。
しばらく前に、貸切りで断られたこともありましたが、今回は大丈夫でした。

女性店員さんが慣れた所作で2階に案内してくれますが、我々が一番客だったようで、行く先々で電気のスイッチを入れながら進んでいきます。

2階は全室個室になっているようです。
案内されたのは4人用の掘りごたつ席のある小上がり個室。
襖で完全に仕切られてはいるのですが、防音は十分では無く、後から入ってきたグループ客の会話は丸聞こえでした。
静かな空間であるが故に聞こえ方も半端ではありません。
全体の貸切りならいいですが、フォーマルな個室利用としては決して適していないですね。
それでも、この4人個室、冒頭書いた出張先でよく出会った割烹を思い起こさせるには十分。
たまにはこういうゆったりと寛げる雰囲気もいいですね。

席に着くと案内してくれた女性店員さんが、ランチメニューを持ってきてくれます。
店頭に出されていたものと同じで、お刺身御膳、焼魚御膳、天ぷら御膳が各1,080円。
この他に1,620円、2,160円等の御膳弁当も予算に応じて可と書かれていました。
ただし、前述の通りこの日は天ぷら御膳無しということで、これは御膳弁当を頼んでも同じだそうです。

ランチ友が焼魚御膳を注文しましたので、私はお刺身御膳にしました。

御膳と言っても、お弁当風なので、あっという間に提供されるかと思っていたら、そうでもなく、待つこと10分ほど要しました。

お刺身御膳は中央に刺身三種盛り、それを囲むように、焼魚、サラダ、煮物、ごはんが盛られており、純和食で栄養のバランスが良さそうです。
刺身は、生タコ、まぐろ、タイでいずれも鮮度の良さが感じられるものでした。
お刺身御膳でも焼魚(鰆の西京焼き)が付いていたのは嬉しいところ。
サラダはレタスにカニかまで平板。煮物も肉団子とさといも、こんにゃく、にんじん、インゲンで特に強調すべきものではありませんが、まずまず美味しかったです。
お吸物はワカメと豆腐でやや塩辛かったですね。

ランチ友の焼魚御膳は、お刺身御膳の刺身のところに焼魚(この日はメダイの西京焼き)が入り、焼魚のところに刺身(イワシの刺身)が入っており、後は共通です。
個人的には、メダイが美味しそうだったので、隣の芝生が青く見えましたが、ランチ友もまずまずの評価でした。

普段の神田ランチとはちょっと趣の変わったランチタイムになりましたが、どこか懐かしい感じもするこういう雰囲気もたまには悪くありませんね。
ただし、コスパが決して良いとは思いませんでしたが。