日本料理店で此処まで鰻の味覚を磨けるものかと驚いちまう鰻丼は至福の鰻の味わいを見せてくれて頬っぺたが落ちまくりでした。 : Sakuragi

■訪問日:2023.5.14（日）12時〜13時

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■本日のお料理 鰻丼 ¥5,000税込

[お膳]

お膳には

○鰻丼
○トマトと蕗
○香の物:蕪 胡瓜 奈良漬
○肝吸い
○粉山椒

[馳走]

所狭しと並べられた美味なる馳走たち
整然として壮観な眺めに先ずうっとり
ジ〜ッと鰻のデカさに見惚れて仕舞い
中々お箸が手に付きません。
先ずはお口慣らしとして肝吸いに手を
掛けてお口を湿らせます。
んん、これがまた乙な肝吸いで吸い地
淡く佇むうま味は鰻の肝を邪魔しない
寧ろ丁寧に肝を洗う様に磨きを掛けて
肝吸いの味わいを深掘りして居ました。

[白米]

新潟の農家さんより新之助の玄米を頂いて
自家精米されたお米を炊かれております。
表面積の直径も長くて底も深い大きな丼に
新之助の炊き立てご飯が山盛りなのです。
サービス精神旺盛な櫻木大将の心意気には
拍手あるのみです。
そのフカフカに湯気立ちしている白ご飯に
此れも濃厚な自家製の鰻ダレをたっぷりと
白ご飯にタラタラ〜ッと注いで頂き下味を
純白のご飯一面に纏わせてご飯と鰻蒲焼の
繋ぎを巧みに仕込んでおります。

この新之助の炊き込みご飯での鰻丼こそが
日本料理店で頂く鰻飯の醍醐味ですよね。
江戸焼の鰻専門店とは又違った鰻とご飯の
相性の良さを満喫出来るお楽しみを頂ける
そんな悦びに期待膨らんでしまう丼のご飯

誘惑に駆られて鰻丼の鰻を少し避けご飯の
炊き上がり良好なふっくらとした白米様を
摘み食いしちゃいました。

もう、粒感も去ることながら甘さにキュン
良く蒸されて炊き込んでいるからでしょう
少しもっちりして鰻ダレに染められたご飯
粉山椒を振っただけでも食べれる艶々ご飯
素直に咀嚼を重ねるとジワ〜ンと米粒から
糖度が浮き上がって鰻ダレの濃厚で甘美な
味わいに染まりつつもしっかりして自分を
見失わない新之助のフカフカ食感に感動。

[愛知一色の鰻]

さぁ、前哨戦から本戦に挑みます。
これからが本番となる愛知は一色の鰻の
名産地の逸品を炭火でじっくりと地焼き

元来照り焼きのお仲間である蒲焼はタレ
との調和次第で甘味も鹹味も鰻に被せて
その美味なる舞いを口内で踊らせる故に
絶倫の逞しい生命力と共に舌を唸らせる
その醍醐味を存分に発揮させる炭の力を
駆使してこその地焼きの冥利に尽きます。

焼き場では櫻木大将が柵通しの鰻に炭の
熾火に慎重に翳してジワジワと鰻を攻め
皮目も表も交互に返しながら煙を立てて
火を入れては特製鰻ダレを刷毛塗りして
又炭火に掛けてを何度も繰り返して鰻の
焼き加減を見極めてます。

お客様が何人待っててもお一人様分ずつ
丹念に焼かれてから次の鰻に手を掛けて
お一人様への鰻丼を完成させて行きます。
この辺は妥協を許さない調理を通されて
大将の意気込みみたいなものを感じます。

而して焼き上がった鰻の蒲焼は柵を外し
ザクンッと二枚にカットし丼に鎮座し
そのサイズ感の迫力あるままにお膳へと
配置され肝吸いや香の物を添えて手前に
お届けされます。

圧巻のど迫力で威風堂々たる鰻の姿態に
目が釘付けとなり暫し溜息しちゃいます。
とにかくデカい！
鰻のでかいのがド〜ンと丼に鎮座してて
其れもダブルで積み重ねられてて丼から
尻尾の方がはみ出そうとしてるのです。
見応えも有りますがどの部位からお箸を
付けて行こうかと迷ってしまいますね。
とても重たそうに座っております鰻様に
一度軽く会釈をして頂く事にしました。

[鰻丼]

先ずは矢張り最初の一口はグサッと鰻を
端から裂き一切れだけ食べた〜い誘惑に
駆られてお口に放り込みます。
んん〜、行形悶舌しちまいますね〜。
ヤバヤバ地焼きのパリパリ感が真っ先に
歯にビンビン届きますよ。
ガッツリ歯を食い込まれせて鰻の皮目を
しっかり食い千切る食感が頗る爽快にて
その直後に届く鰻の身肉のふっくら感が
すぐ後を追いかけて来て滅茶苦茶美味し！
もう、堪らん位の食感のコントラストが
吠えまくって舌も歯もその舌妙な食感と
味覚の狭間に押し潰されそうになります。

江戸前の蒲焼の様なしっとりミルキーな
蒸し焼きタイプとは全く違ってて炭火の
温度と間合いに依るものかと思いますが
温度が高いまま鰻が保温され続けてる為
ふっくら感が全く食べ進んでも変わらず
故にこの大きな丼のご飯量に対して鰻が
負けずに温感も優れたままなので美味が
劣化しないと言う好循環なのです。
然も表面はサクサクに焼き上がっており
かつ、皮目はパリッパリ感が凄まじい程
膨らんで来て其処に粉山椒がツンとする
刺激を衝いて来るので蒲焼の甘味に皮の
焦げ付きからの鹹味と山椒の辛味たちが
混沌と絡み合って目まぐるしく味覚同士
戦っている中から自然に三位一体となり
ホクホクご飯とも一体化して美味炸裂！

味わいがどんどん深堀されて行き鰻から
プリッとした膨よかさが弾けながら身は
フワッと柔らかく舌に着々する優雅さも
兼ね備えておりこれ程迄に完成度の高い
鰻丼に出会えた事に感謝したくなります。

大変美味しい昼餉をご馳走様でした。