セットものがお得な町の蕎麦屋さん : Matsumiya

明治35年創業と暖簾に書かれています。
かなり歴史のある蕎麦屋さんの様子。
かなりお年を召した地元の方も昼時には足を運んでくる姿がみられます。
ご主人や女将さんとも顔なじみのようで、長く地元に定着した蕎麦屋さんであることが窺えます。
入口の脇には金魚の入った大きな陶製の鉢が一つ。
こういうところになんとなく風情を感じます。
ビルの１階にありながらも、店内も昔からの蕎麦屋さんらしい雰囲気です。

地元に馴染んだお店であっても、やはり昼時は近所のリーマンで賑わうお店。
女性のお客さんもボツボツ来店しています。

ランチタイムはセットものがお得なようですね。
ある日は、ミニカレーとたぬきそば(900円)。
カレーは、蕎麦屋さんの安定的和風カレーです。
出汁の味がほんのりして、ちょっとかえしの味と甘みを感じる味、豚肉だってちゃんと入っています。
たぬきそばのそばつゆが濃いですね。
甘目で出汁がしっかり効いていて、個人的には好きな味です。
そばは機械打ちの蕎麦ですが、そこそこコシがあって、町の蕎麦屋さんとしては悪くないと思います。

またある日は、おかめそば大盛り(950円)。
具材の配置には歴史的な伝統は感じないスタイル。
椎茸は甘めの味付けでそばつゆとは別に煮てあることが分かります。
いなり(100円)を一つ追加してみましたが、なかなかジューシーなお揚げで、これは伝統的な甘辛さを備えた江戸風の味のいなりです。

「本日の気まぐれ」という日替わりのセット（900円）もあります。
ある日は、さんまのかば焼き丼にもり蕎麦というセット。
別の日は、あさりのかき揚げ天丼ともり蕎麦のセット。
また別の日は、小エビのかき揚げ天丼ともり蕎麦のセット。
もりそばは、機械打ちの蕎麦でもコシはあって風味も感じます。
そばつゆは出汁を効かせたやや甘味のある辛汁。
ナチュラルな蕎麦湯で割るとなかなか美味しいです。
丼はミニ丼サイズですが、蕎麦とセットになればボリューム的にはちょうどいいかという量。
「気まぐれ」に作られる丼は今日は何かな？という楽しみがあります。

夏になってくれば、冷やし五目蕎麦(950円)。
細く切った油揚げ、キュウリ、カニカマ、玉子焼きにワカメという五目が乗った冷たい蕎麦。
揚げ玉も付いてきますから、それを入れると六目に化けるという仕掛けです。

店の運営はご家族でやられている様子。
ご主人が帳場、女将さんが接客、息子さんが調理、奥さんが調理の補助や接客の補助をこなしている家庭的な雰囲気。
地元の方に昔から愛され、今は地元リーマンにも重宝され、町の蕎麦屋さん健在という感じの店ですね。