店構えで決めちゃダメ。誠実な店内と美味ラーメン、赤塚「蝶香軒」。 : Chuukaryouri Choukouken

　勇気を持ってその扉を開けると、想定通り寂びた古き良き空間がありました。厨房は大旦那と大将の2名。お二人は決して寂びてなんかいません、活気がありますよ。大旦那は主に仕込みや配膳、大将が調理担当の分業形態です。

　壁を見上げれば黄色い短冊メニューが並んでいます。ひょー、町中華すぎる。麺か、一品おかず系か、ご飯系か。どうするどうする。お店の気質を感じるなら、スタンダードラーメンかチャーハン。お店の推しはキクラゲ炒めや麻婆豆腐。さあどうするどうする。

　こちらは赤塚の地にお店を構えてどのくらいの年輪を重ねているのでしょうか。かなりの古参かと察します。和食トイレではありますが、いろいろと気を使って店内は清潔に保たれています。店内全体から誠実さが伝わります。


●「ワンタン麺」¥550
　ワンタン4個入り、と丁寧に表示されていました。このこともお店の誠実さが伝わります。
　スープ美味しいですね。煮干しですね。煮干しかガラかわかりませんがスープに細かい粉が混じっています。旨味と塩味のバランスが絶妙です。
　麺は細麺の固茹で。コシが強い。ワンタンの柔らかさとは区別される食感です。スープによく合いますね。麺も美味しいです。
　ワンタンは餡に大陸系のスパイスが入っていて独特の味がします。ハッカク？ なんでしょうかね。皮は柔らかくて優しい食感。

　大変失礼だと承知しながら申しますが、ここまでクオリティの高いラーメンをいただけるとは想像していませんでした。何度も言いますが、やはり誠実に作られているんです。古いお店だとかいうことで開き直ったり諦めたりしていない、ちゃんと赤塚の客に誠意を持ってスープ作りをしているのです。お見それしました。


●「レタス炒飯」¥600
　普通の「炒飯」の写真を判断基準にこれにレタスが入ったもの、と考えてオーダーしましたが、少し様子が違いました。
　具材は、そぼろ肉、卵、ネギ、レタス。炒飯の写真はチャーシューの角切りっぽいものとかナルトのようなものが入っているように見えますが、少し事情が変わっています。レタスは結構たくさん入っています。回鍋肉のようなシャキシャキ感とまではいきませんがシナシナではありません。
　ただライスは水分が多くて少しベチャッとした食感です。レタスからの水分流出は想定の範囲ですが全体水分が少し多いようです。炊き具合なのか鍋の火力の課題なのかわかりません。
　写真で確認できた普通の炒飯をオーダーすべきだったかもしれません。


　ラーメン、美味しかったです。炒飯付属のスープからも感じましたが独特な香辛料を使用しているような気がします。大将はもともと大陸の方なのかもしれませんね。違ったら失礼。
　赤塚中華のプライドと風格を感じました。ごちそうさまでした。