全品値上げ致しません/女性一人客もOKです
久しぶりの大坪屋さん。
荷物や上着は、皆さんひとつのテーブルに集めておいているので従う。
手前の一般客用のお席で並んで腰かけた。
しの字型のカウンターの向こうがご常連用のお席だ。
ここではいつも酎ハイ。
女将がいつものように勢いよく栓を抜く。
キンミヤをグラスに入れて酎ハイ用のエキスをたらし、炭酸と一緒に運んでくれる。
そのタイミングで煮込みをお願いした。
煮込みは、タライみたいな不思議な形の鍋の中で煮込まれている。
小さなきれっぱしのような煮込みだが味は美味しい。
あなたがお料理の写真だけ撮らせてください、とお願いする。
女将にOKをもらってからでないと写真を撮ると叱られるので、要注意。
大将が厨房から、いい鮪、あるよと大きな塊を見せる。
いる人言って!
ではということで、鮪ぶつをお願いした。
次々お客が入って来て、女将は常連さんにこぼし始める。
みんな、早帰りできるんかね、コロナのせいでさ、あたしゃ忙しくってかなわないよっ
まだ5時半じゃないのさ?
そう言いながらもくるくる女将はカウンター内を舞うように動く。
ドンっとグラスを置く音も、このお店ならではのBGM。
一時期は女性一人では入店させてもらえなかった時もあったが、今は大丈夫のようだ。
カウンターの端は女性の一人客だった。
よかった…
数年前、ここまで来て入店を断られ、仕方なく丸千葉までとぼとぼ歩いたことがあったのである。
南千住で飲むなら、やはり一軒目はここ。
女将に叱られたり、ちょっとドキドキするのも楽しいお店だ。
酔っぱらいは入店を断られるので、はしご酒の半ばや〆にはご注意を。
黒い制服
南千住の改札を出て徒歩10秒。
懐かしい大坪屋ののれん。
前回、ひとりで丸千葉のゼロにと来てみたら、
女子ひとりでは入れてくれなかった。
何年も前から何度もひとりで来ていたのに、ここ2,3年ほどの間に男子と一緒でないと入れてくれなくなったのである。
夏の初めのまだ早い時間、店内に入るとお客もまばらだったため、入り口側のカウンターに適当に並んで座った。
酎ハイ(200円)を頼む。
女将は炭酸を二本、冷蔵庫から取り出す。
小さなグラスに定量の金宮を一升瓶から開けて、台の上にドンっと思い切り瓶を置く。
ジョッキにコップの金宮を入れると、シロップを少々たらす。
そして思い切り炭酸の栓を栓抜きで開けると、栓をゴミ箱にシュっと捨てる。
その動作はまるで舞台女優のように大仰で、いつも変わらなかった。
届いたジョッキと炭酸を割って乾杯。
メインが次のお店のため、軽くということでまぐろぶつと煮込みをお願いした。
いずれも200~250円ほどと安い。
その間に女将はくるくるとカウンター内を舞い踊るように動いた。
黒いいつもの衣装がひらりと揺れる…
あなたが、あの衣装を何枚持っているんだろうね?とささやくように言う。
そういえばいつも同じよね。
制服のように同じものが2,3枚あるのかもね。
噂では女将はダンスを習っているそうで、かなり年配と思うがとても姿勢がよくてほっそり痩せている。
目元の化粧も隈取りのように濃い。
壁にもメニューの掲げられた厨房側にも、写真撮影お断りの紙が貼られるようになっていた。
しょっちゅう来ているあなたは、もう写真はダメになったんだよ、と言った。
煮込みは味がよくしみており美味しかった。
まぐろもこの値段だと思うとありがたいものだった。
酎ハイをおかわりすると女将は他の仕事で忙しかったので、
店主が厨房から出てきて作ってくれた。
台に金宮の瓶をドンっと置くのは店主も一緒で、きっとお店のルールなんだろうということに話がまとまる。
そのうちに店内はどんどん混んできた。
酔っているとみえる客は女将が決して入れてくれない。
女将の厳しさに評価の分かれるお店だと思うが、私はなぜかここが好きだった。
ひとりで来られないことが残念でならない。
さあ、予約の時間が迫ってきた。
北千住まで一駅、また電車に乗ろう。
独壇場
2015/04
もう半袖でもいいくらい暖かい宵。
いつもの200円の酎ハイ。
女将がどんっと炭酸の栓を抜く。
それが幕開け。
筍のお造り、肉豆腐、餃子。
この申し訳程度の肉しかみえない肉豆腐がまたいつものごとく美味しい。
肉豆腐は絶対牛肉に限るな、などと思う。
筍のお造りは名残の春の味がして、
少し寂しい気がした。
女将はひらひらといつものように黒い衣装で舞い、
私は酔いを深めないように、そっとあなたの横顔をみつめる。
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2014/08
200円の酎ハイ。
浴衣の背筋を伸ばして乾杯した。
少し緩い炭酸・・・
この浴衣、笑っちゃうけど28年前のもの。
灰の地に紫の矢絣。
当時若い子には斬新な柄だったのだけど、客観的には地味な柄だったので、
28年たつとしっくりと着られるみたい。
あなたがいいねと笑った。
ありがと。
あてはトマトとぶつ切りのまぐろ、肉豆腐。
北千住での飲みの0だから、控えめにね。
肉豆腐は肉なんて申し訳程度にくっついてるだけなんだけど、
味はよくしみていてウマイのだなあ。
ただ切るだけなのになかなか出てこなかったトマトは、
冷たくて美味だった。
くるくるフロアを踊る女優は今夜ももちろん女優で、
私は浴衣を着ていても全然女優にはなれなかった。
あなたがこのお店をとても好きだと言った。
私はそれがとても嬉しかった。
だって私もとても好きだから。
女優じゃなくていい、ただあなたと一緒に飲むことができれば、
私しあわせなんだ・・・
2011/7
のれんをくぐって引き戸をあけよう。
そこは舞台だ。
華麗な女優【女将】のひとり舞台だ。
細くしなやかな身体で舞台の袖から端までをくるくるとまわる。
焼酎を注ぐこなれた手の捌き。
そこには加齢による疲れなどみじんも【感じさせない】激しい魔力がある。
新しい一人客は入り口付近の袖側におとなしく坐らされよう。
カウンターの向こうは常連のお客。
あちら側に坐ろうなんて思ってはいけない。
酎ハイ
煮込み
〆鯖
お漬物
つくね
どれも安い。
女優が瞬く間に運んできてくれるのだ。
踊る
踊る
踊る
安い酎ハイはよくまわる。
しっかり濃いめなせいもある。
それ以上に、くるくるまわる女優をながめているだけで、
こちらも酔ってくるのだろう。
ダンス
ダンス
ダンス・・・
いいね、いいよな、こんな店。
三度目に訪れた時、
隣に坐った常連さんがこちらの顔を覚えていてくれて、
酎ハイを1杯ごちそうしてくださいました。
ありがとうございます。
店名 |
Ootsuboya(Ootsuboya)
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类型 | 日式小酒馆、泥鳅、馒鱼 |
03-3801-5207 |
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预约可/不可 |
无法预订 |
地址 |
東京都荒川区南千住4-4-1 |
交通方式 |
JR南千住駅西口より徒歩2分 距離南千住 210 米 |
营业时间 |
营业时间和节假日可能会发生变化,因此请在参观前与餐厅联系。 |
预算(评价总数) |
¥1,000~¥1,999
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付款方式 |
无使用卡 无使用电子钱 |
个人包厢 |
不可能 |
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包场 |
不可能 |
禁烟・吸烟 |
严禁吸烟 |
停车场 |
不可能 |
空间、设备 |
有吧台座位 |
酒水 |
有日本清酒,有烧酒 |
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此时建议 |
许多人推荐的用途。 |
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位置 |
家庭式餐厅 |
网站 | |
备注 |
店内・料理を撮影をする際は、事前に女将さんの承諾を貰う事! |
あなたがお店の前のガードレールに腰を預けて、私を待っている。
本当はずっと私のほうが先に着いてしまったのだけれど、時間までぐるぐる街を散歩していた。
手を振って駆けよれば、今宵久しぶり、ふたりのデートのはじまり。
荷物置き場になっている入り口付近のテーブルで手を消毒、その周囲には間引かれた椅子が多数。
テーブル席をいただいたが、アクリル板越しに対角に座るようにと指示をいただく。
透明ではないアクリル板は熱いふたりの間を阻む(笑)
魔女ってば、新型コロナ対策に命を懸けてるんじゃないかと思うくらいだ。
酎ハイをたのみ、あてに中落ちとお漬物を。
酎ハイはすぐに出たが、あてはなかなか出てこない。
魔女は相変わらずひらひら舞うようにお仕事されている。
その動きにはキレがあって、伺うようになってから10数年がたつが全く変わっていない気がする。
厨房は大将と二代目のご子息とそのお嫁さん。
この家族リレーは今、どれだけこのお店にとって大切なことか。
酎ハイをおかわりするあなた。
ふたり、次の本会のために時計をチラチラ見上げる…