ごろっとゲンコツみたいなハンバーグ : Men ajeru

家庭風、という意味の「めなじぇーる」なる店名の富山市内のこの洋食店が気になっていたのは妻の方でした。午後から近くのシネコンに行く前にこちらで昼を食べることにしました。

中に入ると、確かにそういう内装や小物、そして高齢の店員の方と老シェフ、かなり高齢のお客様たち。高岡の喫茶Parisがそのまま30年歳をとったらこうなる、みたいな雰囲気満点な店内でした。

私は、20数年継ぎ足してきたデミグラスソースによる黒のハンバーグ定食(1500円)、妻は、こちらのお店のもう１つの売りであるスパゲティとトマトソースのハンバーグを迷った末、どちらも食べられるトマトソース煮込みハンバーグスパゲティ(1300円)にします。

まずは冷製じゃがいもスープが運ばれます。とろっとして冷たくて、今日のように30℃を超える日にはぴったりです。スープを食べ終わったタイミングでサラダが出てきました。トマトやレタスが新鮮で美味しいサラダでした。ただ、バランス的に少し量があったのか、サラダを食べ終わらないうちにメインが出てきたのはご愛嬌。定食だとライスかパンを選べましたが、何も言わないでいると、「ライス」ではなく、ご飯茶碗に入ったご飯が付いてきました。

というわけで、サラダに引き続き、お箸でメインのハンバーグに立ち向かいます。これがごろっとゲンコツみたいな分厚さ無骨さ、横から見て厚さは４cm以上ものボリュームがあります。これを箸で割ると、断面から肉汁は流れず、肉がぎっしり、つなぎにはパン粉ではなくパン。そして刻んだ玉ねぎ。なんと古典的に真面目に作られたハンバーグでしょう。継ぎ足しで深い味わいになっているデミをまとわりつけて食べるとちょうどいい。ご飯も美味しく炊けています。お代わりをすすめられ、してもよかったのですが、ハンバーグのボリュームでお腹が膨れており、我慢しました。

妻のスパゲティの方は、細めのスパゲティにあっさり味の（つまり真面目にトマト主体で作られた）トマトソース。そして、その上にごろっとした煮込みハンバーグ。全体にチーズがかかった、これもいかにも洋食メニューな外観と味でした。妻の皿にはバゲットも一切れついていたので、私も少しいただいて、残ったデミグラスソースを全部掻き取って食べてしまいました。お皿をさげにこられた老シェフがお皿を見て「きれいに食べていただきましたね(^^)。」このようにお店の方はちゃんとお客さんを見ておられますから、接客もつかず離れず絶妙でした。

最後、デザートに出てきたのは、ゴマゼリーとアイスコーヒー（妻は紅茶）。ゴマをすりつぶしプルプルのクラッシュゼリーにしたのがカラメルソースに浮かんでます。見た目はスイーツには見えないのですが、これがとても美味しい、そして初めて食べるオリジナルな味でした。老シェフ、やりますな。

合計2800円の昼食は、少し高い気もしますが、ゲンコツみたいなハンバーグを食べた満腹感とゴマゼリーのプルプルで甘くて香ばしいゴマの香りを考えれば妥当なところかとも思います。