駅前にこんな居酒屋がある山形がうらやましい : Aramasa Sakagura

山形出張の第一夜。19時過ぎにホテルに荷物を置いて駅方面を探訪。
店の落ち着いたたたずまいと新政のブランドに安心感をいだき、思い切って引き戸を開ける。
あいにく5～6人掛けくらいのカウンターは満席、だが、お一人がもう帰るのでどうぞ、と譲ってくれる。
カウンターに座ると両脇の馴染みのお客さん（いずれも二人連れ）はあらかた出来上がっており、非常に楽しげに
酒の余韻を楽しんでいる。やはり、良い店に良い客ありだ。

メニューは壁にかけた木札のみ、つぶ貝の煮たのを肴に新政をお燗で。おかみさんがお湯でお燗、厚くなりすぎたかも、と言いつつ
常温の酒を足してくれるのも愛嬌。ママさんしっかりしなよ～、と常連客の突っ込み。
隣の御仁の馬刺しを食べてみぃ、に素直に従いオーダー、これは旨い。もうスーパーの馬刺しは止めよう。
きれいな赤い色、適度にサシが入り、ほのかな甘みを感じつつ、かすかな弾力を楽しむ。

おかみさんが煮込み食べる、と問うので、ここも素直に従う。カウンター内にはいつの間にか男前のおやじさん、お手伝いの
清楚な感じの娘さんが立つ。常連客はおやじさんと震災の話などで盛り上がる。しばし待つうち煮込みが温まる。
普通の味噌味の煮込みを想像していたが、出されたのはクリアな醤油ベース、こんにゃく入り。やわらかいスジ肉と締まったこんにゃくの
食感が心地よく、素材のだしの出たスープがまた旨い。おかみさん曰く、クリアなスープにするのが至難とのこと。

メニューにはないが、山形郷土料理の「だし」を頼んでみる。おかみさんは心得たとばかりに、ちゃちゃっと、きゅうり、みょうが、大葉などを
きざみ、「これはサービス」とおっしゃる。オレ流のだしはナス＋みょうが＋大葉だが、きゅうりも悪くない。また、ナスはおいておくと色が
変わるので飲食店で供するのは難しいらしい。そんなことをおかみさんと語らいつつ時計を見ると22時。明日は早いのでこの辺で。

新政燗4合、つぶ貝の煮たの、馬刺し、煮込み、だし（サービス）、他で会計は3,000円弱（ややうろ覚え）

25年ぶりに過ごす山形の夜は、駅近の老舗居酒屋での至福のひと時に。