あまりにも特別過ぎる空間 : Maison owl

◆ノンアルコールペアリング50,000円

構想3年、工事に7年、計10年を経て完成された洞窟レストラン。

宇部の住宅街に異質なレストランがあるとの事前情報をキャッチしていましたが、実際に目の当たりにするとその独特すぎる施設に思わず感心してしまいました。

通常紹介制ですが、今回はお店のインスタで一般予約を開放しており、運良く予約成功。

羽田から飛行機で約1時間半。
山口という土地に来たのは5年ぶりです。

指定された17:30に来たタイミングはまだ夕暮れ少し前。

お店の敷地内に駐車スペースがあるのですが、入口がなかなかに狭く、勝手にSUVにアップグレードされたひとまわり大きいサイズのレンタカーが駐車スペースへの進行を妨げます。
何とか入れた頃には汗だくだくでした…。

店内へは、上から下へ降りる設計。
ホントどんな頭持ってたらこんな凄い設計のお店を思いつくのか…。

さて、入店すると、少しの間店内をじっくり鑑賞できる時間が設けられ、日が沈むとディナー開始です。

お写真は自由に撮ってOKとのことで、この素敵すぎる店内を撮りまくりました。

洞窟の形状に合わせて作られた窓ガラスはすべて形状の異なるもの。
これだけでも相当なコストかかってそうです…。

この非日常過ぎる体験がまさか山口県の住宅街で味わえるとは何とも不思議な気分です。

ディナーの時間になり、お席につくと、ファーストドリンクについて案内されます。

今回はノンアルコールペアリングをお願いしておりましたが、少しならアルコールもオーダーできるとのことで、連れは白ワインをオーダーしていました。

自分はドライバーなのでノンアルコールです。

最初はマリアージュフレールパナマのお茶。
ミントの香りが心地よく食欲が増します。

それではお料理の紹介。
美味しかったものは◎で表記します。

◎グジェール
フランスのブルゴーニュ地方のおつまみで、シュー生地にラクレットチーズが練り込まれた暖かくて香り高い一品。

◎シラスと鰆とビーツの最中
たっぷりのシラスと鰆の旨みが際立った最中。
ずっしりと重く、コンパクトなサイズながら食べ応えありです。

◎ブリオッシュ
バニラがプラスされたバターにつけて食べます。
このバターがとんでもなく美味しい。感動ものでした。

・虎河豚とほおずきのキャビア乗せ
ほおずきの酸味、キャビアの塩味が際立ったカルパッチョに近い一品。
虎河豚の味は主張控えめです。

◎白アスパラガスのオランデーヌソースかけ
やわらかくみずみずしい白アスパラとソースの相性が抜群。

・クロワッサン
パリッとしてますが、適度な重量感があります。

・魚介のスープ（バゲット添え）
河豚と甘鯛のアラをメインに絞り出したスープ。
ビスクのような味わいですが、深みと甘みが凄まじいです。
あまり煮出しすぎるとくどい味になってしまうようで、ほどほどの調整にしている模様。

・甘鯛の麻濃炭ソース（雲丹と秋トリュフ乗せ）
麻濃炭とは…。食べたことのない味です。甘鯛は甘く香ばしく。雲丹とトリュフとのマリアージュによって、これまた食べたことのない味へ変貌しました。

◎宇部牛のフィレ肉
脂分は抑えめで、肉の旨み濃く、ナイフを入れると引っかかるところなく切れる絶品です。

・モンドール
少しクセのあるチーズ。まったり濃厚。

◎カカオケーキとアイスクリーム
苦味が上品なカカオが印象的。甘過ぎず、大人の甘さです。

◎オレンジとマドレーヌ
マドレーヌの外側が一部カリッとしていて美味しかったですね。

グジェールと魚介のスープのバゲットをパンとしてカウントすると、パンが5品。
どのパンも美味しくて、特にバニラバターには参りました。
作りたてかつ、精巧なレシピと調理技術でないとこの味は再現できないでしょう。

ドリンクは、マリアージュフレールパナマのほかにも自家製レモンスカッシュ、自家製ジンジャーエールなどいただきました。

なかなかのお値段のコースですが、ここは料理もさることながら、圧倒的な非日常感を味わえる体験のできる場所です。

人生で一度は訪れる価値のあるレストランでしょう。

素晴らしい思い出になりました。
ごちそうさまでした。