ウマさはジャンク性と背徳性を感じる油と調味料のパンチ力に比例する : Shinasoba Ken

◆いつもよりだいぶ短い前置き
河口湖エリアには魅力を感じるラーメン店が多くないのが残念。
「吉田うどん」や「ほうとう」が有力な地域なのでラーメン店は少ないのかもしれない。

過去、エリア×競争の考察を書いたことがありますが、ここで「ちょっとした」ラーメン店を始めると繁盛するのかも？

「ちょっとした」というのは「東京で流行っているが河口湖には無いジャンル」とか。
今でいうと「けんね系」や「二郎系」、「家系」や「にぼし系」とかがねらい目？

◆「けん」さんの感想
河口湖エリアで数少ないラーメンジャンルで評価の高いお店。
東京から来るものからすると「東京ではよくあるお店」はチョイスしたくない。
そんな中「肉チャーハン」や「ニラそば」など個性的な品揃えで魅力を感じるけんさん。
（お店の名前は「志那そば」だけどけしてあっさり系ではない様子）

駐車場はけっこういっぱい。
地元の方と思われる方がほとんど。

「地元民に古くから愛されている間違いないお店」感がプンプン漂っている。

オーダーは「ニラそばと半チャーハンセット　1,100円（税込）」。

ニラそばは塩ラーメン的なスープにニラ・モヤシ・豚肉を塩コショウ濃いめの味付けで炒めたものがトッピングされている。
たっぷりのニンニクでスタミナチャージ間違いなし。
麺は珍しい色白タイプでか弱そうな印象を受けるも食べ応えとして不思議と満足。

チャーハンはこちらも味濃いめでパラパラ系ではなく油と調味料がしみしみのしっとり系。
チャーハンはパラパラこそ正義派もいらっしゃると思いますが、このしっとりジューシーチャーハンも背徳的にウマい。

ニラそばもチャーハンも

（味濃いなぁ～）
（油相当入ってるなぁ～）

と食べながら良い意味の罪悪感を痛感する味わいだが

（結局こういうのがうまいんだよな）

と納得してしまう。

私が「けんね系」が嫌いな理由はこういう「パンチ」や「不良」っぽさがないのが物足りなく感じるからなのだろうな。
この背徳的ウマさは地元民なら通っちゃうようね、私だったら通っちゃうわの3.5。

◆まこべえの今日の格言

「体に悪いものはウマい」

※けんさんの料理が体に悪いということではありません。
　味濃いめの塩分とかダイエット観点の油とかそういうアレです。


◆今日の戯言（けんさんには関係ない話）
自分が小学生に上がる前からか記憶はあいまいだから小学生でもせいぜい低学年くらいだったか、父親に連れられて行った中華料理店の閉店を知った。
そんな小さな頃の訪問にも関わらず強烈なお店だったので記憶に残っていて「いつかまた行きたい」と思い食べログ保存をしていた。
保存の中から次に行くお店を探していたら「閉店」のアイコンが・・・。

中をのぞいて口コミを見ると例によって「建物の老朽化と店主の体調により」という理由らしい。

今日は
A．メディア（テレビ）に取り上げられるってどうなんだろうね
B．古き良き名店の後継者問題
について書きたい。

A．
どこかの考察でも「メディアにとりあげることの影響」について書きましたが、そのお店はどうやら「オモウマイ店」で放送されたよう。

「オモウマイ店に出た店」
「オモウマイ店で知った」
「オモウマイ店で有名になった店」
などの口コミがあった。

（そんなテレビに出る大昔から有名で人気なお店だったわい！）

と若干苛立ちを覚えるがどなたかの口コミで

「テレビ放映後の繁忙により体調を崩されて入院されたことがあったそうだ」

ともあった。

メディア（テレビ等）に取り上げられると

「（良くも悪くも）ペースが変わる」

テレビに出て行列ができる人気店になった、売れた売れたでよかったねになればいいが、そちらのお店はそれが直接的な原因かはわからないが「入院」して「閉店」してしまった。

もちろんテレビ側に悪意はないだろう。むしろ「うちが放送することによってお客が増えてお店は嬉しいはず」と「お店の営業に貢献しているのだから感謝されてもいいくらい」と思っているかもしれない。

テレビは視聴率が伸びる
お店は売り上げが伸びる
消費者は情報が増える
win-winでありそうだがそうとも限らないようでなかなか難しいものだ。

飲食店を営業している人にとっては
「自分のお店がテレビに出てお店に行列ができる」
なんてまるで夢のようだろう。
その夢がお店の営業を悪いほうに招いてしまうとしたらそれはとても残念なことだと思う。
誰も悪くない。歯車が狂いさえしなければと悔やんでしまう。


B．
そんな昔からの人気店なら
「閉店せず代替わりすればよいだろうに」
「味を継承したい人に跡継ぎ募集すればよいだろうに」
と思うかもしれない。

が、それがそうもいかないらしい。それはなぜか。

だいたいがそういった廃業間際の老舗は「美味しい」は当然ながらそして「安い」
安くて美味しい人も良い人気店ばかり。

なぜそんな商売繁盛間違いなしのお店が廃業に追い込まれるのか。

ここがちょっと違う。
人気店というのは間違いないが「商売は繁盛していない」お店がほとんどという。

商売繁盛を辞書で調べると

「活気・賑わいがあり、盛んなこと・栄えること、その様子」

とある。

人気店は「賑わっている」が「栄えてはいない」つまり「儲かっていない」から跡継ぎがいないというわけ。

通常、飲食店というのは
１．原材料費
２人件費
３．水道光熱費
４．売り場家賃
５．その他管理費
が費用としてかかる。

廃業危機にさらされている名店は
２．だいたいが家族（あるいは夫婦あるいはワンオペ）経営
４．だいたい店舗は自宅兼でローン完済系

２．は自分たちが普通に食べていけたらねレベルでたいした給料をとっているわけではないという。
だから「跡継ぎ」としてこれを「商売」と考えると「稼げない」からだれもやりたがらないという。

４．はお店の営業を任せるとしたらそこは自分たちの家なわけだから自分たちの家を一銭にもせず他人に明け渡すというわけにはいくまい。
多少なり「家賃」的な契約を交わすか、あるいは家賃はいらないから「売り上げたうちの〇％を払ってくれ」ということになるだろう。

これももともとの営業では発生していない「追加費用計上」になる。

つまりいくら人気店だとしても「そのままのメニュー・売価設定」では「儲からない」前提という状況。

「じゃあ値上げしたらいいんじゃない？」

これまでお昼の定食800円でやっていたお店が同じメニューで1,000円になったら？
ジャンボから揚げ定食800円がから揚げがジャンボでなくなったら？

きっと口コミは荒れて一気に低評価。

「代が変わって味が落ちた」
「サービス改悪」
「値上げ」

評判はがた落ちとなり遅かれ早かれ廃業という結果は変わらないかもしれない。
それであれば惜しまれつつも廃業をした方がいいのかもしれない。

戦後復興、昭和の高度経済成長を支えた町の食堂たちで、同じような状況に陥り廃業の決断を迫られているお店は少なくないという。

あなたの周りでも「そういえば」と思い当たるお店がいくつかあるかもしれない。

こんな僕らに何ができるのか。何をすべきなのか。

とにかく日本の将来は暗い。
少子化、為替、値上げ、労働環境。

少しでも未来を明るくするために今日できることを頑張るくらいしかないが、政治に不満があって選挙に行ったことがない人は次回は選挙に行きましょう（話が飛躍）。