About TabelogFAQ

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4.5

¥10,000~¥14,999per head
  • Cuisine/Taste5.0
  • Service4.5
  • Atmosphere4.0
  • Cost performance5.0
  • Liquor/Drinks4.0
2012/08Visitation1th

4.5

  • Cuisine/Taste5.0
  • Service4.5
  • Atmosphere4.0
  • Cost performance5.0
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 10,000~JPY 14,999per head

 “抽斗”

2012.08 第29回香楽会

“抽斗”

 所詮“食べログ”の投稿なんてものはマスターベーションに過ぎない訳で、人の投稿記事などは
よほど“マイレビュバーター登録”の義理以外は目も通さないのだろうが、こんなマニアックな店
で、私が何度も“店の構えが小汚い”とか“店主が勝手に煙草を吸っている”などと、ここ
の料理の本質とは関係の無い“些末な出来事”が気になるような人間は絶対行かない方
が良い!!と忠告しているにもかかわらず、最近2~3、そのような投稿があったので笑
いがとまらない。
 

 まあ、そのような方々はしょせん一見止まりで、二度とここの暖簾はくぐらないだろうから我々の“
秘密の会合”の邪魔にならずに済むわけだが、この夜も斎木さんに“変な一見客を入れると食べロ
グにあることないこと書かれるから気をつけた方が良い。”と御注進申し上げたところだ。

 さて本題だが、またまた隔月開催の“香楽会”での会食となったが、結論的には今回も斎木さん
の料理人としての“抽斗の広さと深さ”に脱帽した料理であった。では“料理人の抽斗”とは何かと
言う話になるわけだが、それは技術、経験、知識に裏付けられたレシピの多さやアイディアなどが
挙げられるが、中でも斎木さんに関しては“独創的な組み合わせ”が、やはり他の料理人に比すれ
ば群を抜いていると思うのだ。

 故に並みの料理人が流通的な価値だけでビビッテしまう“鮭児”なども“所詮、鮭でしょ!!”と言
いながら思い切った料理法が使えるのだ。

 今回は“夏の終わり”という事もあってお題は“松茸、鮑、鱧、鼈”であった。口取りは今が旬の“渡
り蟹と松茸と素麺j南瓜の酢の物”から始まり、“蒸し鮑の生姜肝ソース掛け”“鼈の煮凝りが掛かっ
た茄子の冷し茶碗蒸し”、“鱧、本ミル、天鯛、ノドグロのお造り”焼物は“マナガツオの葱味噌漬け”
付け合せは“地蛸の煮物”と“鱧胡瓜”、さらに“鼈と松茸の宝楽焼き”と続き、〆は“天鯛の冷汁”で
あった。これで呑み代含め一人一万円では申し訳ないようなご馳走であったが、素晴らしく
楽しい夜であった。またまた次回が楽しみである。


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2012.04 第27回香楽会

“涸れない泉”

 とでも表現するしか言葉が浮かばない斎木さんのレシピ。相変わらず良い意味で期待を裏切
り続けてくれる料理の数々に一同唖然。

 例えばコースにしっかりした“造り”が準備してあるにもかかわらず、その2皿前に“一塩した
サツキマスの刺身”
“湯引きした本ミル”“茹でた車海老”“筍”“黄味酢”で喰わせる
算段。

 で、その“造り”の中には“たまたま鮮度の良い大振りなサイズが入手出来たから。”と、 “目
光の刺身”
が何気なく盛り込んである。相方は旬の“天然真鯛”“南鮪の頭肉”など・・・・・・・

 “強肴”には斎木さん得意の“鮑の柔らか煮”だが、何と相方は“牛タンの煮物”だ。それに
新玉葱の甘みを生かした餡がとろりと掛けてある。これで不味かろう筈が無い。おまけに牛タンの
煮込み方も鮑の歯応えより敢えて柔らかくして、旨味の違いを違和感無く楽しめるような仕事だ。

 順序は前後するが、斎木さん得意の“餡かけ茶碗蒸し”は今回は“赤味噌仕立ての深川風”
で、身の詰まった浅蜊と長葱が赤味噌と相性が良く、これが上品な玉子の生地に実にインパクトの
ある“下世話な味付け”を巧みに加味し、思わず“白飯!!”と叫ばせる。

 “焼物”にいたっては、すかさず“流行のお遊び”もとりいれ“指五本サイズ”の“太刀魚の塩麹
漬”
という茶目っ気もかかさない。これも載り過ぎるほど載っている脂と塩麹の風味が、酒呑みを
唸らせる逸品で冷酒に歯止めが効かなくなる。

 いつもの如く、十分満足した我々に食後にふと持ち上がる“懸念”・・・・・“果たして斎木さんがい
つまでこの店を続けてくれるのだろうか?”・・・・・という命題も、本人のひょんな事情から、どうやら
我々は暫く(ここ数年は)心配しなくても良くなったようだ。そして皆でわいわいと2ヵ月後の次回の
日時を決め散会となった。

 また今夜も御馳走様でした。

*ちなみに本編中の料理は貸切で特別料金でお願いした特注料理につき、普段の“おまか
せコース”とは内容がかなり異なりますので御注意を。


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2011.10 第24回香楽会にて再訪

“幻”
 
 まだ多少字数に余裕があるので簡単に。
 先日いつものメンバーで第24回の“香楽会”が開催された。隔月の香楽会になってから3年目、
これだけでも通算で18回、それ以前の訪問を足せば40回以上の訪問になるだろう。私が1軒の
料理屋にこれだけ通っているのも稀な事だ。にもかかわらず“柳川鍋”など一度も出た事が無いし、
“柳川風”も喰った事がない。それが不思議だったので斎木さんに確認したが、あれだけ記憶力
の良い斎木さんが過去に柳川鍋を出した事は“記憶に無い”(そもそもこの店には平鍋が無いの
で柳川鍋を作るのは不可能)というし、それ風のものを出した常連もいないと言う。

 こんなマイナーな居酒屋の記事を自信満々に書く位だから週に1回以上通うような、私たちより
きっと凄い常連なのであろう。世の中には上には上がいるもんである。“はったり”でなければの
話だが。また斎木氏の名誉のために言っておくが彼は決してアルコール依存症などでは
ない。

 
 この日の献立・・・・渡蟹、ミル貝と柿のサラダ仕立て、鮑と松茸のステーキ、造り、太刀魚の
             焼物、ローストホース、甘鯛の吸い物、栗御飯。御馳走様でした。 

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2011.08 また数多ある再訪の一(おそらく字数の都合で最後の“太香未”記事。)

 “心躍った夜”・・・・・・・我が偏屈王師匠の記事“しみじみと好い会”に、敬意を込め
て返信すれば、このような表現になろうか。

 お客道家元と聡明な秘書と偏屈王師匠との初対面の会食を取り持ったのが、斎木さん
の料理でよかったとつくづく感じた夜だった。やわらかく煮た鮑の先付けに微笑みながら
お互いの挨拶を済ませ、鴨のスライスや煮蛸のつまみで、ちょっとした自己紹介を・・・そ
して得意の松茸の茶碗蒸しでは話題がスムーズに料理の話題に、さらにいつもの斎木
さんの“謎掛け”がちりばめられた刺身の皿では期待通りに話が弾む。

 師のたまわく、“いやあ、この鮪のカマトロはいい脂の載りですね。美味い。”

 家元曰く、“カマトロも美味いが、鰆もしっかりした脂で負けてはいないのでは?”

 秘書曰く、“本ミルも甘くて、歯応えも素敵で良いお味だわ。”

 次郎曰く、“斎木さん、でも主役はこの真鯛だな?口中に残る脂の旨味が
        尋常ではない気がする。”

 家元曰く、“おおげさな!!やっぱり今日はこのカマトロだろう!!”

 秘書曰く、“全部美味しいわ!!誰が主役でもいいじゃない。”

 師のたまわく・・・・いや、最後は言葉は無く・・“(無言の微笑み)”

 とまあ、たかだか刺身の盛り合わせ一皿で大の大人4人が師匠の言葉を拝借すれば
“浅間神社裏に音も無く在るといった風貌のこの家”の中で和気藹々と盛り上がり、
束の間の楽しい時間を過ごすことが出来るのだ。何かと嘗ての戦争の話題が多い8月
の締め括りとして、もし無謀な太平洋戦争の開戦を決めた“御前会議”が、古今東西の
贅沢な御馳走ではなくとも、せめて腕の立つ料理人が当時入手できる範囲の食材でも、
持てる技法の限りを尽くし、精魂込めて料理をした食事をたらふく喰った後での開催で
あったなら、もう少し違った結論に辿り着けたのではないかと、素朴に疑問を感じるのだ。
さほど“美味い料理”のもたらす至福感は何事にも代え難いものが在る。

 この夜のメインのサプライズは、通常営業では絶対やらない斎木さんの隠し技の一つ
“天麩羅”であった。海老やら松茸、メゴチ、ズッキーニ、茄子など一人当たり6種ほどネ
タが出されるが、天紙の油染みは最後まで、ほんの薄いのが一つか二つ、そしてネタご
とに微妙に揚げ加減を変えるタイミングの鋭さは、やはり陳腐な言葉だが、この斎木とい
う料理人の非凡さを感じざるを得ないのである。

 師匠の一言・・・・“いやあ、綺麗な天麩羅ですね。”が全てを物語っている。

 本日のお勘定: 呑み代含めすべてでお一人様10Kでした。いつもながら素晴らしく美
味しい料理を御馳走様でした。斎木さんありがとう。

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 2011.02 数ある再訪の中の一 

“香楽会”・・・・・・斎木マジック

 この店で“香楽会”なる食事会を始めて、 もう4年は経つだろうか? そもそも、 この店
をアジトとしている“お客道”の面々が、お決まりの酒代込みでの6,000円おまかせコ
ースだけでは、斎木さんには失礼だが、この居心地の良い店がいつ閉店するか気が気
でないし、 たまには斎木さんの腕が鈍らないように、 7人で貸し切って、 自分の好きな
ネタを仕入れて、思い切り好きな料理に腕を振るってもらい、結果、我々も今まで喰った
事の無い御馳走にありつければ幸いという主旨で始めた会なのだが、 これが結構永く
続いている。

 会費は1食あたり、10,000円を下限に設定し、当日の料理内容や、我々の感動次
第でプレミアムを支払うというシステムだが、 最近は斎木さんも十分我々の壺を押さえ
ており、店が狭くて臭いがこもるのが嫌だからといってレギュラーメニューでは絶対に出
さない揚げ物 (それも“お座敷天麩羅風”や“串揚げ専門店風”といった楽しい仕掛け)
で楽しませてくれたりと、 本当にサプライズが多いので、 結局12,000円から13,00
0円くらい支払うのが最近の相場となっている。

 元々は年3回ほどだったが、駄洒落ではないが、毎回“趣向をこらした酒肴”が目白
押しで、おまけに斎木さんは頭脳明晰・記憶力抜群故、今まで我々に出した料理はすべ
て記憶しているらしく、我々のリクエストか、 旬の魚のお造り以外はかぶったことが無い。
例会もいつの間にか隔月開催の年6回になり、 カウンター7席しかない小体な居酒屋ゆ
えメンバーも7名で固定されており、 このような他愛も無い普通の食事会にしてはメンバ
ー全員異例の出席率の高さを誇っており、 いずれ健康上の理由などでリタイアするかも
知れないメンバーの後釜を虎視眈々と狙っているファームの連中は後を絶たない。

 斎木さんの料理の魅力は一言で表現すれば“基本にあくまでも忠実な自由闊達さ”
であり、面倒でも下拵えには一切手抜きはせずに非常に時間を割き、器に盛り付ける寸
前の最後の仕上げの段階になって、焼いてみたり、蒸してみたり、揚げてみたり、軽く炙
ってみたり、浅く煮てみたり、はたまた仕上げのソースは基本は和なのだが、その中にフ
レンチ風、イタリア風、中華風ありとまさしく自由闊達な斎木さん独特の感性の技が加え
られるので、料理そのものが美味しいのは当たり前として、見ててワクワクする楽しさが
あり、毎回何らかのサプライズを味わうこととなる。
これこそ我々は“斎木マジック”と呼ん
で、この店に通う最大の魅力となっている。さて、今日の“香楽会”のお品書きは以下の
とおりであった。

 先付け 其の壱        鮑、小海老、季節の野菜煮物            

 先付け 其の弐        河豚の紅梅煮、新筍、菜花のお浸し 

 先付け 其の参        小柱と生青海苔の海鼠腸和え                    
                       
                   注釈1)この青海苔は4時間かけて取った鼈の出汁
                        で軽く煮てあります。

 椀物               鼈の茶碗蒸し、生姜餡掛け 

 お造り              印度鮪のカマトロ、西浦産ボタン海老、河豚のブツ 
                       
                   注釈2)愛知県の西浦漁港には最新式の底引き漁船が
                         あるため、駿河湾で深海の底引き漁が可能とな
                        り水揚げ場が西浦となるため西浦産ボタン海老
                        の表記となるようです。

 強肴(焼物)           雲子の豚バラ肉包み焼き

 留め椀および揚げ物      河豚の唐揚、溶き玉子餡かけ 

 御飯               新筍の炊き込みご飯

 本日のお酒           真澄の純米吟醸“あらばしり”

 お品書きをご覧になれば、判る方は判るはずだが、今日のお題は“河豚と鼈”であった。
特に鼈は斎木さん自慢の“茶碗蒸し”だけのために1Kg弱のものを仕入れたとのことで、
画像では判り辛いが、生姜餡の中はエンペラであり、玉子地の中にも身肉が隠されてい
る。この一品は寒い冬の宴には本当に心も体も温まる佳作で、上品な出汁とともにレンゲ
ですくって味わえば、 思わず微笑まずにはいられない。河豚も“留め椀”の中にわざわざ
唐揚にして浸すとは、一瞬無謀で下品になりがちな手法だが、画像は撮り忘れたが、 最
後の“新筍の炊き込みご飯”と食べると、 新筍独特の爽やかなエグミとコーンのような甘
みと、唐揚の脂っぽさとが打ち消しあって、 何故か穏やかで上品な味になるから不思議
だ。

 本日の料理の中で特筆物であり、 全員の大好物は“雲子の豚バラ肉包み焼き”で、こ
れはいつも沈着冷静な我等が国交省曰く “斎木さんの料理の中でも珍しく足し算で喰わ
す逸品だね。”のごとく、“灰汁”や“臭み”など雑味を削ぎ落として洗練した味を追及する
和食の中にあって異色の存在の料理である。確かに真鱈の白子と豚肉という、それぞれ
味のしっかりした海の幸と山の幸の組み合わせでは、ややもすれば野暮になりがちな素
材同志だが、この料理に関しては、カリカリに香ばしく焼きあがった豚肉をおそるおそる前
歯で噛むと、その間隙から、絶対的に猫舌の人ならずとも舌に火傷を与えるようなアツア
ツトロトロの雲子のマグマが口中に押し寄せ、 官能的な美味さと、火傷をするかもしれな
いというスリルを同時に楽しめる逸品料理なので、 緊急避難的に手元に置いてある冷酒
には恐ろしいくらいに相性が良い。

 こんな調子で今宵も“7人の喰いしん坊達”を唸らせた楽しい宴は、次回の4月の開催日
を決めてお開きになりましたとさ・・・・・・・・しかし何度も言うようだが、斎木さん、あんたの
引き出しの数と深さには脱帽だよ。

 本日のお勘定: 貸し切り、特別料理でお一人様12Kでした。ごちそう様、また宜しく。  

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この店はシロウト衆は行ってはいけない。興味本意の一見もお断り(されるかも知れない・・・)。
 

 我が“お客道”の聖地でもあり、年数回の“鮭児を喰らう会”の定期開催会場でもあるここ
“太香未”さんで、先日、本年度2回目の“鮭児を喰らう会”が開催されたので、その料理内
容の詳細を“キリ番”の記念レビューとしてリポートをしておく。

 先ず、この店について前もって説明しておくが、カウンター7席だけの非常に狭い店で、外
見も貧乏長屋の煤けた小料理屋然とした佇まいなので、“美味い料理を小洒落た店で”
が優先条件という客には絶対おすすめ出来ないし、店主の斎木さんも、包丁人としての、ど
この“高級料亭の板長”にも決して引けをとらぬ卓越した味覚と技術と、華麗なるキャリアか
らは想像できないような風采と普段着で仕事をしている“世捨て人”なので、今流行りの“き
りっとしたイケメン店主のモダン会席”などを求めてこの店を訪ねる客も、間違い無く期待を裏
切られる。さらに極めつけは斎木さんの煙草好きで、“客どころか割烹の店主が調理中に喫
煙するなんて、料理人の風上にも置けぬ、言語道断だ。”という嫌煙家も、腹が立つだけなの
で、絶対この店には行くべきではない。

 さらに、食材の仕込みの関係で、原則完全予約となっているので、この“食べログ”のような
グルメサイトで知り、興味本位だけで訪問しようと予約の電話を入れても“信頼できる常連の
紹介か否か?”を聞かれ、全くの一見だと断られる可能性は非常に高い。其の理由は、そうい
う客は都合が悪くなると、当日平気でキャンセルしてくる場合が多いらしく、彼の店のように当
日の朝、市場で予約分だけの食材を仕入れてくるスタイルの店にとって、“確実に来てくれる”
客以外の予約はリスクが大き過ぎるからである。

 そしてここは料理こそ“お任せ”しかないが、酒は呑み放題(ただしビールはエビスのみ、日
本酒、焼酎は1銘柄のみ)で6,000円ポッキリという高度な料理内容から判断したら、とても
考えられない値段で、なおかつ呑まない人は食事のみ5,000円也という誰でも行ける値段
であるが、いろいろな制約があって、残念ながら常連の紹介が無いと入れないのである。ただ
、この店の常連に誰も知り合いはないが、どうしてもここで喰ってみたいと言う物好きは、とり
あえず店に直接予約の電話を入れてみれば良い。そのときの斎木さんとのやり取りの中で、
斎木さんが気に入れば一見でも大丈夫だろうし、逆の場合は誰か常連の紹介でも断られるか
も知れない。

 今回は特につい1ヶ月ほど前に、“セレスティー”さんの“フレンチ鮭児”に自費で参加してもら
っているだけに、武闘派で負けず嫌いの斎木さんも、大いに何かにインスパイアされて、そのア
イディアが昇華されて出てくるのではないかと参加者全員が期待していたのだが、結論を先に
言ってしまえば“あっけにとられて開いた口がふさがらない”くらいに我々の期待をはるかに通り
過ぎた素晴らしい料理だったのである。以下に詳細を記す。

 先付: 海山の幸の“吹き寄せ”・・・・・鮭児のハラス、茶ぶり海鼠、水引海老、胡瓜、大根、
                          子持ち昆布

 *これは、いわゆる斎木さんの挨拶代わりで今日の料理の流れを示唆する重要な1品である
  事が多い。今回はいきなり“鮭児のハラス”という一番シロウト好みの旨い部分をフューチャー
  しながら、実は相方の“茶ぶり海鼠”のジューシーな柔らかさに目を瞠らせ、最後は“胡瓜”と
  “子持ち昆布”の異なる食感の楽しさで驚かせるという考えつくされた一皿である。味は薄い
  昆布出汁でそれぞれの持ち味は十二分に引き出されている。

 八寸: 鮭児とフランス産マグレ鴨の冷製鮑添え、亀の手の浅煮を添えて・・鮭児、鴨、鮑、亀
                                                 の手

 *いきなり出た。見るからにフレンチのオードブルだ。薄くスライスした鮭児の腹上の部分と、フ
   ランス産のマグレ鴨の薄切りロースを交互に盛り付け、蒸し鮑を乗せて、コンソメジュレのよう
   な透明な薄餡がかけてある。付け合せは小鉢に盛った“亀の手”だ。先ず見るからに美しい。
   そして淡雪のように口中に消え行く“鮭児”のフィレと食感がまったく異なる“鴨ロース”の薄
   切りが果たして合うのだろうか?という最初の疑問は一口で見事に吹き飛んだ。ミディアムレ
   アに火が入った鴨がとても柔らかく、土臭さが無いのでとても鮭児と合うのだ。魚類と鳥類と
   の脂質の違いも全く気にならない。だから、微かにフォアグラの余韻が残るマグレ鴨をわざわ
   ざ選んだのだ。そこにさらに鮑の蒸煮が花を添える。掛かっている餡はベースは鰹だが、亀の
  手やら鮭児のアラで旨味を足してあり、口中で渾然一体となった時の至福のカオスが堪らない。
  付け合せの“亀の手の浅煮”も驚くほど旨味が強く、貝類でも甲殻類でもない独特の歯応えが、
   さらにこの皿に楽しさを付与している。

 椀物: 本ミル貝の紐と鱈の白子の茶碗蒸し、ポン酢餡掛け・・・・卵、本ミル貝紐、真鱈白子、
                                          ポン酢、柚子

 *斎木さんのお得意で、この店の名物茶碗蒸し、玉子生地自体には具は一切入っていないが
   一穴の“巣”もない、完璧な火加減の大人のプリン。其の上に鱈の白子と本ミルの紐をポン酢
   餡で、軽く一煮立ちさせたあと掛けている。本ミル貝紐の甘さが、ポン酢餡の酸味でひときわ
   強調される反面、白子の濃厚な旨味は程よく中和され思わず微笑む1品だ。

  向付: お造りの盛り合わせ・・・・・鮭児、本ミル貝、ノドグロ、真梶木の藻摺り、カマス焼霜

 *私はこの日初めて知った“刺身”と“お造り”の違いを。全く“食ブロガー”失格である。“刺身”
   を関西風に上品に呼べば“お造り”になると思っていたが、斎木さんから“単なる生魚の切り
   身が刺身で、それに塩をしたり、〆たりと仕事をしてあるのがお造り。”と聞き、この皿は、ま
   さしく全てお造りであった。“鮭児”も、本当に軽く一塩することによって、上品な脂の旨味に
   甘さが加わってさらに美味しくなり、旬の“ノドグロ”や“真梶木の藻摺り”さらに大振りな脂の
   載った“カマスの焼霜”との極上白身魚の脂の旨味の競演。ところが我々の舌を一番唸らせ
   た物は、何と“カマスの焼霜”であった。その様子を笑って見ながら斎木さんが、つぶやいた。
   “KG何万円もする鮭児は確かに美味いけど、三河湾の地魚でも、旬に目利きして仕入れ、そ
   れなりのきちんとした仕事をすれば鮭児に負けず劣らず美味いんだよ。 ”と。

  強肴: 牡蠣と茸のロールレタス、炙り鮭児添え、野菜ポタージュ仕立て・・・牡蠣、榎茸、
                                                 鮭児、レタス

 *またサプライズだ。画像からお分かりのように、これは見た目もまるでフレンチだ。牡蠣をくる
   んだロールレタスの上に炙った鮭児を載せ、ソースというより、ポタージュスープが掛けてある。
   先ほどから斎木さんがユキヒラの小鍋を火にかけて仕上げをしながら、今日のメニューとはあ
   まり縁の無いはずの生クリームとミルクを足しているので、何か企んでいるなと思えばこの皿
   だった。とにかくポタージュが絶妙だ。聞けば馬鈴薯と玉葱と下仁田葱を煮込んで、ミキサー
   に掛け裏漉しし、最後に鰹出汁で味を調えたとのことだが、この皿は、皆の舌を唸らせた。炙
   った鮭児とロールレタスの食感も抜群で、洋風なのだが最後に口の中には鰹の風味が残る
   のでやはり和食と呼ぶのだろうか?それにしても斎木さんの実に自由闊達なレシピは凄い。
   ちなみに、非常に赤ワインに合う一皿であった。

  鉢魚: 鮭児とカマス、味噌一夜漬けの焼き物・・・・・鮭児、カマス

 *もう、ここまで進むと、あきれ返るばかりであったが、さらに駄目押しがこの皿だ。鮭児の尾
   の身と、大カマスの脂の載ったフィレを数時間(一晩だと、やはり味噌が入りすぎて身も締ま
   りすぎてしまうので本当に数時間らしい)味噌漬けにした後焼いたもので、むろん儚い身質
   の鮭児も、ほどよく味噌味が染みて当然のように美味いが、これも主役はカマスであった。
   ほろほろ解れる脂の載った白身は、まさしく銀鱈を彷彿とさせるが、それより味がしっかりし
   ている。この焼き物も実に見事であった。
 
  止椀: 鮭児のチゲ鍋・・・・・・鮭児、豚肉、人参、大根、下仁田葱、椎茸、蒟蒻

  御飯: 鮭児とイクラの親子丼・・・・・・鮭児、イクラ  

 *そして〆は鮭児のチゲ鍋と、軽く〆た鮭児の身を1センチ程度のダイスカットにしたものと、ピ
   ンポン玉のようなイクラの薄口醤油付けでいただく“親子丼”であった。もう、ここまで来ると逆
   に参加者全員、満足感と満腹感で会話も途切れがちだ。それにしても斎木さんの筋子から作
   るイクラの醤油漬けの見事さはどうだ。まるで、一粒一粒が宝石のように、はちきれんばかり
   に輝いている。その至福の味を持った海の女神からのプレゼントを、最後の鮭児を惜しむよう
   に味わいながら、本日の“鮭児を喰らう会”は幕を閉じたのであった。

  本日のお勘定: 鮭児購入代金の7人分頭割り含めて一人12Kでした。なお、酒はいつものよ
            うに持込で、シャブリ、国産の白ワイン、赤ワイン 各1本、日本酒1升など。

  • Takami - “渡り蟹と松茸、素麺南瓜の酢の物”

    “渡り蟹と松茸、素麺南瓜の酢の物”

  • Takami - とても柔らかな“煮鮑”・・・生姜と肝のソースが逸品。

    とても柔らかな“煮鮑”・・・生姜と肝のソースが逸品。

  • Takami - “鼈の煮凝り”が掛かった冷し茶碗蒸し・・・実に上品。

    “鼈の煮凝り”が掛かった冷し茶碗蒸し・・・実に上品。

  • Takami - “本日のお造り”・・“鱧、本ミル、天鯛、ノドグロ”

    “本日のお造り”・・“鱧、本ミル、天鯛、ノドグロ”

  • Takami - “焼物”は“マナガツオの葱味噌漬け”で、付け合せは“地蛸、鱧胡瓜”

    “焼物”は“マナガツオの葱味噌漬け”で、付け合せは“地蛸、鱧胡瓜”

  • Takami - “鼈と松茸の宝楽焼”・・・思わず微笑む逸品。

    “鼈と松茸の宝楽焼”・・・思わず微笑む逸品。

  • Takami - 本日の先付け・・・・青柳、本ミル、筍、三つ葉の酢の物

    本日の先付け・・・・青柳、本ミル、筍、三つ葉の酢の物

  • Takami - 煮物は今が旬の“真鯛の白子”

    煮物は今が旬の“真鯛の白子”

  • Takami - 本日の八寸・・・・“サツキマス・本ミル・車海老・筍・フルーツトマト黄味酢掛け”

    本日の八寸・・・・“サツキマス・本ミル・車海老・筍・フルーツトマト黄味酢掛け”

  • Takami - 本日の茶碗蒸し・・・“深川風餡かけ茶碗蒸し”

    本日の茶碗蒸し・・・“深川風餡かけ茶碗蒸し”

  • Takami - 本日のお造り・・・“目光・南鮪の頭肉・天鯛・車海老・赤貝”

    本日のお造り・・・“目光・南鮪の頭肉・天鯛・車海老・赤貝”

  • Takami - 本日の強肴・・・・“鮑と牛タンの柔らか煮”

    本日の強肴・・・・“鮑と牛タンの柔らか煮”

  • Takami - 本日の焼物・・・・“太刀魚の塩麹漬け焼き”

    本日の焼物・・・・“太刀魚の塩麹漬け焼き”

  • Takami - 本日の〆・・・・・“若布と蛤餡掛け御飯”

    本日の〆・・・・・“若布と蛤餡掛け御飯”

  • Takami - 渡蟹、本ミル、柿のサラダ仕立て・・食感がたまらん。

    渡蟹、本ミル、柿のサラダ仕立て・・食感がたまらん。

  • Takami - 志摩観風“鮑と松茸のステーキ”

    志摩観風“鮑と松茸のステーキ”

  • Takami - この時期の定番・・“いくらの茶碗蒸し”

    この時期の定番・・“いくらの茶碗蒸し”

  • Takami - 造り・・・ケンシロウ海老、本ミル、ノドグロ、南鮪など

    造り・・・ケンシロウ海老、本ミル、ノドグロ、南鮪など

  • Takami - 南鮪に納豆と芥子で練った黄味を掻けた“山掛け”

    南鮪に納豆と芥子で練った黄味を掻けた“山掛け”

  • Takami - “太刀魚の焼物”・・・所謂指5本サイズ

    “太刀魚の焼物”・・・所謂指5本サイズ

  • Takami - ローストビーフならぬ“ローストホース”・・あっさりして美味い。

    ローストビーフならぬ“ローストホース”・・あっさりして美味い。

  • Takami - “甘鯛の吸い物”

    “甘鯛の吸い物”

  • Takami - 香りが素晴らしい〆の“栗御飯”

    香りが素晴らしい〆の“栗御飯”

  • Takami - 鴨のスライスと煮蛸のつまみ。

    鴨のスライスと煮蛸のつまみ。

  • Takami - 斎木さんの十八番“餡掛け茶碗蒸し”・・今日のお題は“松茸”

    斎木さんの十八番“餡掛け茶碗蒸し”・・今日のお題は“松茸”

  • Takami - 盛り付けの順番に“謎掛け”が鏤められている“刺身”

    盛り付けの順番に“謎掛け”が鏤められている“刺身”

  • Takami - 今日の天だねの中でも私の好物・・“ズッキーニ”

    今日の天だねの中でも私の好物・・“ズッキーニ”

  • Takami - 夏の天だねのど定番・・・“茄子”

    夏の天だねのど定番・・・“茄子”

  • Takami - 海山の幸の“吹き寄せ”

    海山の幸の“吹き寄せ”

  • Takami - “鮭児と鴨の冷製・蒸し鮑添え”別皿“亀の手”・・白ワインはシャブリ

    “鮭児と鴨の冷製・蒸し鮑添え”別皿“亀の手”・・白ワインはシャブリ

  • Takami - “亀の手の浅煮”

    “亀の手の浅煮”

  • Takami - “マグレ鴨と鮭児・蒸し鮑”

    “マグレ鴨と鮭児・蒸し鮑”

  • Takami - ここ“太香未”の名物・“季節の茶碗蒸し”

    ここ“太香未”の名物・“季節の茶碗蒸し”

  • Takami - 甲州産、マルスワインの白

    甲州産、マルスワインの白

  • Takami - 本日の“お造り”・鮭児、真梶木、喉黒、本ミル、カマス

    本日の“お造り”・鮭児、真梶木、喉黒、本ミル、カマス

  • Takami - 勝沼産、赤

    勝沼産、赤

  • Takami - “牡蠣と榎茸のロールレタス・炙り鮭児”・・まるでフレンチ

    “牡蠣と榎茸のロールレタス・炙り鮭児”・・まるでフレンチ

  • Takami - 本日の“焼物”・鮭児とカマスの味噌漬けを焼いた物

    本日の“焼物”・鮭児とカマスの味噌漬けを焼いた物

  • Takami - 鮭児のチゲ鍋

    鮭児のチゲ鍋

  • Takami - 〆の御飯:“鮭児とイクラ”

    〆の御飯:“鮭児とイクラ”

  • Takami - 御飯に載せると“親子丼”・・美味すぎる。

    御飯に載せると“親子丼”・・美味すぎる。

  • Takami - 鮑と小海老、季節の野菜の煮物

    鮑と小海老、季節の野菜の煮物

  • Takami - 河豚の紅梅煮と新筍・・・・爽やかなエグミがたまらん。

    河豚の紅梅煮と新筍・・・・爽やかなエグミがたまらん。

  • Takami - 家元の本日の差し入れ・・・真澄・純米吟醸“あらばしり”

    家元の本日の差し入れ・・・真澄・純米吟醸“あらばしり”

  • Takami - 鼈の茶碗蒸し・・・・生姜餡とともに芯から温まる、そして美味い。

    鼈の茶碗蒸し・・・・生姜餡とともに芯から温まる、そして美味い。

  • Takami - 本日のお造り・・・印度鮪カマトロ、ボタン海老、河豚

    本日のお造り・・・印度鮪カマトロ、ボタン海老、河豚

  • Takami - 小柱と青海苔の海鼠腸和え。ちょっと凝り過ぎ・・?

    小柱と青海苔の海鼠腸和え。ちょっと凝り過ぎ・・?

  • Takami - 絶品・・“雲子の豚バラ肉包み焼き”・・・メッチャ熱いけど美味い。

    絶品・・“雲子の豚バラ肉包み焼き”・・・メッチャ熱いけど美味い。

  • Takami - 留め椀・・・・河豚の唐揚・溶き玉子餡かけ

    留め椀・・・・河豚の唐揚・溶き玉子餡かけ

  • Takami - 中にはこんな唐揚がゴロゴロ。

    中にはこんな唐揚がゴロゴロ。

Restaurant information

Details

Restaurant name
Takami
Categories Japanese Cuisine、Seafood
Phone number (for reservation and inquiry)

052-524-6436

Reservation Availability
Address

愛知県名古屋市西区浅間1-3-11

Transportation

84 meters from Sengen Cho.

Opening hours
Budget(Aggregate of reviews)
¥6,000~¥7,999

Check the distribution of amounts spent

Seats/facilities

Private dining rooms

not allowed

Non-smoking/smoking

Smoking establishment

Please check with the restaurant before visiting as the law regarding passive smoking countermeasures (revised Health Promotion Law) has been in effect since April 1, 2020 and may differ from the latest information.

Parking lot

not allowed

Menu

Drink

Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu)

Food

Particular about fish

Feature - Related information

Occasion

With friends/colleagues

This occasion is recommended by many people.

Location

Secluded restaurant