今年最後(恐らく)の十一(とっぴん)さん
流行り病に世界中が振り回された2020年が終わろうとしている。
個人的にも散々な一年となった ... 等と思いながら、足はふとこの店へ。
小窓から覗くと、丁度独り飲み(ちなみにこの店は独り飲みも実にさまになる)の先客の席が空いた様子で、カウンターには一組しかいないのを確認。
店主一人で仕切っているお店なので、客一杯であまり忙しそうな時は入店を避けているが、今日は大丈夫な様だ。
入ってみると、奥の座敷席にも女性のグループが。
コロナ禍であちこちの店が悲鳴を上げているが、根強い常連さんを掴んでいると思われるこのお店は乗り切ってくれそうだ。
カウンターの奥に座り、まずは瓶ビールを飲みながら、いつもの店主の手書きのお品書きに真剣に見入る。
ちなみに、ビールと同時に出て来た突き出しの牛すじ煮が既に滅茶苦茶美味い。とろける。
この店は、料理一品一品と真剣勝負を行うつもりで来る価値が有る。
悩んだ末、まずお造り系は;
生鯖刺 (800円)
かます昆布〆 (750円)
に決定。
飲み物は日本酒・秋田の「刈穂」をオーダー。
端麗辛口だが風味豊か、流石はこの店のチョイス。
筋肉質でありながら甘みもある鯖、昆布の風味が上品に乗ったかます...鯖は横須賀産、かますは横浜産でいずれも地のもの。
この店の味だなぁ。
揚げ物はそれ程迷わず;
ずわい蟹と百合根の天ぷら (800円)
鱈白子の大葉包み揚 (1000円)
飲み物は新潟の「北雪」を経て、鹿児島の焼酎「紅椿」へ。
揚げ物が美味しいこの店、蟹の身が美味いのは当然ながら、ほくほくした百合根も美味しい。
「鱈白子の大葉包み揚」は以前も食べたが、絶品。物が新鮮で良いうえに揚げもの達人の店主が目の前で揚げてくれる白子、口の中でとろける。こういうものがいつまでも美味しく食べられる様に、身体を気遣おうという気にさせられる。
いずれも店主お勧めの天だれで食べても勿論美味しいが、ほんの少し塩をかけただけでも素材の良さがより味わえて充分美味しい。
ということで、今日の宴も満足し、店主さんに年の瀬の挨拶をし、店を後にした。
その後は近場に有るメキシカンの「Bar Borracho」さんで軽く飲み、港南台ではしごの週末となった。
秋の十一(とっぴん)さん
この前この十一(とっぴん)さんに来たのは夏の盛りの8月、その頃は倒れる様な酷暑が続き連日大汗をかいていたが、10月に入り、ここ数日で急に肌寒くなってきた。
日本の四季の変換を感じざるを得ない今日この頃、味覚でも秋を感じてみようかと、2ヶ月振りに十一さんに出掛けた。
先客は一組、カウンターの反対の端に陣取り、店主お勧めの日本酒・宮城の「墨廼江(すみのえ)」を1合頂きながら手書きの「本日のおすすめ」に目を通す。
今日は比較的定番な;
まぐろ刺 (1,200円)
あん肝ポンズ(850円)
でスタート。
本日の突き出しは横須賀・長井の鰹、これがいきなり美味い。
2杯目の日本酒は初めて見る福岡の「庭の鶯」という酒だったが、これが端麗辛口で美味しい。
辛口の酒を種々揃えているこの店のセンスには唸らざるを得ない。
まぐろ刺は、まぐろ刺と言うより正にトロトロのトロ。
最初の一口は癖が有るかと思ったが、飲み込むときの旨味が凄い。本物。
「庭の鶯」を飲みながら、一枚一枚大切に頂いた。
あん肝は最強。基本的に好物なので何処で食べても美味いと思う事が多いが、ここのが身が厚くてトロトロで最強。
店主にまぐろを褒めると、「まぐろネギマ鍋」(900円)というものを勧められたので発注。
これがまた美味かった。ネギと一緒に煮込んだトロトロのまぐろ...汁の味も勿論良い。これも正解、大正解だ。
次の日本酒は秋田の「刈穂」。これも辛口で良い酒。
ここに来たら、1品は天ぷらを食べた方が良い。今日は正に秋らしい、「秋野菜の天ぷら」(900円)を発注。
鳴門金時、松茸、百合根、もっての4種類。何とも秋らしく風流で、そして美味い。
全部美味しいけど、特に百合根って美味しいものなんだと思った。
〆に「蟹と生湯葉のグラタン」(1000円)と芋焼酎の「本垂」と泡盛の「翠古」をオーダー。
「本垂」は正に「芋」と言う味、芋焼酎好きにはたまらないだろう。泡盛「翠古」は気持ちよく酔えた。
本日も満足。
こういう店がさり気なく有る我が町港南台、良いな。
風流な夏の十一(とっぴん)さん
8月に入り急に梅雨が明け、うだるような暑さが続く中、コロナの流行も先が見えぬほどとなっている。
世の飲食店は一様に苦労をしていると思うし、個人で頑張っている良い店が潰れるようなことが有ってはいけないと日々思う。こういう時に出来る事は、店が空いているアイドリングタイムに顔を出して、美味しい料理を頂き、混んできたら早々に退散...と思い、連れと共に2ヶ月一寸ぶりに訪れた十一(とっぴん)さん。
開店直後の5時過ぎに顔を出して見ると、既に先客1組。
流石に固定客をつかんでいる店は強い...と思いながら、反対側のカウンターへ。
まずは店主お勧めの日本酒...という事で、珍しい鹿児島の地酒(確か、「せいきょく」と聞こえた)を頂いた。
鹿児島と言えば、何といっても焼酎の一大生産地だが、風味豊かな美味しい日本酒で、思わずお代わりした。
いつも通り、手書きの「本日のおすすめ」に見入り、季節感あふれるお品書きより、以下を頂いた。
・松輪産生鯖刺
・岩がき
・はも落とし
・賀茂なすの天ぷら
・白海老唐揚
・甘長唐辛子の素揚
・海老とアボカドのかき揚げ
程近い横須賀の海で取れた鯖の刺身... 新鮮なのは勿論、筋肉質なのに、醤油につけると脂がほのかに流れる。
前に同じく地元産の鰆を頂いた時を思い出した。最高レベルの地魚を、手際よく綺麗に捌き盛り付けて出してくれる。
比べるのは失礼だが、最近は冷凍技術の発達により、ノルウェーから脂の乗った美味しい鯖が入ってくるようになり、スーパー等で売っている鯖は「国産」だからと言う強みが薄れて来ている。しかし、この店のものははっきり別物。
岩がきはプリプリと大振り、言うまでもなく美味しい。
夏の京料理・鱧と茄子...鱧は小骨が綺麗に取り除かれひたすら上品な味、盛り付けも風流。揚げ物達人の店主が揚げる茄子天はシンプルだけど日本酒と合わせると幸せな味。
2件目が有るので軽く飲んで食べるつもりだったが止まらなくなり、白海老唐揚や海老とアボガドのかき揚げを追加注文。日本酒も別のお勧めを伺い、岩手産の「月の輪」(これも初見の日本酒)を頂いたが、これは美味しかった鹿児島の酒より、更に端麗で好みだった。これもお代わりを頂いた。
「海老とアボガドのかき揚げ」、これは今まで有りそうでなかったけど、凄く美味い。気を付けなきゃ、大居酒屋チェーンにパクられるのではないか(汗)。勿論店主さんほど上手く揚げられるわけはないが...。
店の中には夏の虫の音が流れ、居心地が良かったが、やはり後からお客さんが数組入って来て、店主も忙しそうになって来た頃合いで退散。
本日も満足でした。
また伺います。
緊急事態宣言解除祝いはやはりこの店
ついに緊急事態宣言が解除されたからと言って、再流行させない為にも、まだまだ一人一人が油断をしないで過ごさないといけないわけだが、久しぶりの外食をしてみたくなるのも人情と言うもの。
こう言う時はまず地元の名店... と言うわけで、人が最も少ないと思われる開店直後の5時過ぎに訪問。
予想通り先客はおらず、天気が良く解除後の人通りに活気づく夕方、店主さんは店先で最初の客を待っていらした。
1月ほど前にテイクアウトで美味しい料理をふんだんに作って頂いて以来の利用となる。
入口のそばの席に座り、京都の純米酒「亀の尾蔵舞」で宴を始めると、開け放した扉から涼しい5月の風が入って来る。
何とも風流。
鰻ともずくの突き出しを頂きながら、いつも通り手書きのお勧めメニューに真剣に目を通す。
どれもこれも気になるのだが、考えた末下記を注文:
1. 金目鯛刺とつぶ貝刺
2. 生ミンク鯨刺
3. 島らっきょ天ぷら
4. 生桜海老と玉葱のかき揚げ
お酒は、常にお気に入りの「出羽桜」の「枯山水」、店主お勧めの秋田「刈穂」を追加。
どれもこれも美味しいのだが、まず、全く臭みが無く歯応えが素晴らしいつぶ貝刺と共に出て来た金目鯛刺。
金目鯛と言うのは、煮付けはまず何処で食べても美味しい。しかし、美味しい刺身と言うのは案外有りそうでないもの。
淡白なつぶ貝を味わった後にこの金目鯛を醤油に漬けると、美味しそうな脂が広がる。
もともと上品な白身にたっぷり脂が乗っているんだが、ちっともしつこくなくて、素晴らしく美味しい。
店主さん曰く、稲取産で1kgを超えるともっと美味しいとのこと... でもこの値段でこの味なら、もう充分ですよ!
また、らっきょを天ぷらにするという発想はこれまでなく、どういうものが出て来るんだろうと思ったが、これが存外に美味い。「島らっきょ」と言う細長いらっきょを軽く炙った後天ぷらにしてあるのだが、塩で食べても、天つゆで食べてもすこぶる美味。実に仕事が細かい。
何でも、店主がかつて石垣島を訪れた際に着想を得たとのこと。アイデア豊富な店主らしい。
揚げ物の達人の店主がつくる「生桜海老と玉葱のかき揚げ」、旬の新鮮な桜海老がふんだんに使われており、言う事なし。
こういうものが頂きたかった、と言うものズバリが出て来た感じ。
しばし外食断ちをしていた後の最初の店をここにして大正解。
今後も末永く頑張って欲しいもの。
御馳走様でした。
記念日にテイクアウト対応、深謝。
新型コロナ渦は未だ収まる気配は見えず、外出、人との接触は控えろ、じゃあ個人や家族で頑張っている料理店はどうなるんだと言う事態が続く。
かく言う私もかなりの間外食らしい外食もしていない。
普段なら記念日には連れと美味しい食事に出掛けるのだが、今年はどうしようと案じていたところ目に入って来た「十一」の灯り。
駄目元で店主さんにテイクアウトをやってくれないかと頼んでみたところ、平日の夜であればと快諾して貰った。
約束の日時に訪れてみると、3つの重箱と天ぷらのタレがたっぷり入ったペットボトルが準備してあり、丁重にお礼を言って持ち帰った。
「十一」さんの味を自宅で味わえる喜びと共に3つの重箱を一つ一つ開けた。
まず重箱1. お造り。
地のもののイサキ、立派な殻に乗った恐らく北海道産の平貝、鮪の赤身とトロトロの中トロ、風味の良いウニ、甘みのあるボタン海老、イカの身にワカメを巻き込んだもの....どれもこれも美味い。
重箱2. 天ぷら。
「十一」さんと言えば揚げ物の美味さでも知られている。
たっぷりの海老、山菜、かき揚げ、そして好物の穴子。
ボリュームたっぷり、塩でも、勿論準備して頂いたタレで食べても美味しい。
重箱3. お惣菜系。
ホタルイカとふきのとうと筍、バジルソースの乗った太刀魚の塩焼きと出汁巻き卵、カニの身とペースト状のものを挟んでいる厚揚げ、唐揚げとしんじょう挟み揚げの様な面白い形のポテト。
全部酒に合い美味しいが、特に印象に残った技は、敢えて塩気を強めにした太刀魚に甘い出汁巻き卵を組み合わせたところ。
ふきのとうと筍も春を感じさせてくれる。
お陰様で、豪華な食事と共に良い記念日を過ごすことが出来ました。
どうもありがとう。
この様な対応をして頂いて、偉そうに料理に点数付けるなど出来ないので、満点。
一日も早く、店主さんが目の前で作ってくれる料理を、周囲を気にせず食べられる日が戻って来て欲しいものだ。
※ちなみに、店主さん一人で切り盛りしている店なので、いつもこの様な対応が出来るわけではない様。
外出自粛要請前の平日夜に訪問 ... 最強のあん肝に出会う
神奈川県が週末の外出自粛要請を出す前の平日の夜、飲まずにいられないような事有り、勤め帰りに連れと合流し、小一時間お邪魔した。
ご時勢だけに人で埋まっていたら帰ろうかと思ったが、奥の個室に1組、カウンターは空だったので安心して着席。店主さんも大変だろうが、やはり常連さんがついている店はこういう時も入れ替わり人が入っている。一人で全て仕切れる範囲で地道にやって来たのがこういう時にも生きているのかも。
この日は仕事帰りで喉が渇いていたのでまずビールを頼み、お通しのまぐろ山かけを食べながら本日のおすすめメニューに見入る至福の時。今回もメニューは細かく変わっている。酒肴好きには本当に楽しい。
嬉しく悩んだ後、まず頼んだのは「赤目ふぐ刺身」と「海水生うに」。
赤目ふぐは唐揚も有って(少し前に金沢八景の「ぽんぽこ」さんで美味しいのを頂いた)どちらにしようか悩んだが、今回は刺身をチョイス。こりこりの歯ごたえと新鮮な風味があり、下手な浅草の「とらふぐ」売りの店で高い金払うより全然良い。
岡山の「わすけ」さんもそうだが、腕の立つ店はマフグや赤目ふぐ等地のもののフグで立派なものを出してくれる。
美味しい地元産の赤目ふぐでした。
海水生うにも勿論言うことなし。日本酒をチビチビ、ウニを少しずつ。これぞ和の酒肴。
次に頂いたのは「あん肝ポン酢」だが、これにはやられた。
厚さが15mmくらい余裕であり、新鮮さ、風味、コク、最高レベルといって良いだろう。
基本的にあん肝は好きなのだが、これはその辺の居酒屋とはものが違う(その辺の居酒屋のあん肝でも好きなんだけど)。
これは生涯食べたあん肝の中で最高のものと言って良く、ガキの頃に新宿のどこかの居酒屋で初めてあん肝を食べて感銘を受けた記憶を思い出させた。
ご店主は、国産・山口県産のもので、アジア産の輸入ものとはものが違うと言っておられたが、味わえばその言葉に相違ないことが分かる。
次には「太刀魚の塩焼き」を頂いた。
太刀魚の身をまるで三つ編みの様に編み込んで塩焼きにしている。
見かけが洒落ているだけではなく、味も滅法美味い。日本酒、或いは焼酎、どちらでもイケる。
この店主は何処で修行していたのかな。一流料亭で長年働いて、面倒臭いしきたりや人間関係が嫌になって独立したのかな、等と想像する。ご本人は何も言わず、黙々と美味しい酒肴を出してくれるだけ。
「穴子天ぷら」... 次の日にも、この穴子の柔らかくてほのかに甘みのある白身、そしてカリカリの衣が口に蘇って来た、と言えば良いだろうか。
赤目ふぐ、太刀魚、そして穴子...本当に地元の海の魚だね。
最後は「鉄火巻」で〆た。
お酒は、青森の「安藤水軍」、山形の「出羽桜 枯山水」、長野の「佐久の花」、いずれもこの店の料理によく合う風味がある端麗辛口。
この小一時間はしばし仕事の憂いを忘れ、料理一品一品と向かい合う幸せな時間となった。
港南台は、この店やらーめんの「龍ちゃん」等、個人の職人さんが経営している非チェーンの良い店が根付いている。
これらは誇るべき日本の文化であり、これらの文化が外国産の得体のしれないウイルスなどに駆逐されてはいけない。
ウイルス騒動が終わったら大手のチェーン店しか残っていなかった、なんてことにはなって欲しくない。
そう心から思いながら、自分に出来ることは、定期的に来て美味しい料理をご馳走になることくらい。
申し訳ないけど、応援してます。
早速再訪 ... やはり美味い
先週初めて来てすっかり気に入り、1週間後の土曜日に早速再訪。
店主手書きのお勧めメニューを見てみると、内容が先週とかなり違っている。
絶品だった白子のシーズンが終わってしまったのは残念ながら、こう言うの良いんだよな~。
毎回来る度にメニューを見る楽しみが有る。
店主さんが毎回毎回その時の良い素材を仕入れて来て作っている、和食本来の手作り感。
メニューと暫し睨めっこするのがまた楽しい時間。
まず、日本酒は店主お勧めの秋田産「刈穂」のややにごり気味のお酒(風味はあるがすっきりしていて美味い)と新潟産の北雪(これも淡麗かつ風味が有る良いお酒)と共に、下記を頂いた:
1. たこ刺 1,100円
たこ刺なのに、なぜか太刀魚より、ほっけより、更に生うにより高い。
どんなタコなんだろうと、これは頼まずにはいられなかった。
北海道産のさっきまで生きていたミズダコとのことだったが、タコと言うのは実は刺身でも充分旨いのだということを教わった。
絶妙な歯応えでサクッと柔らかく噛み切れる身、繊細な旨味。
特にオリーブオイル等で味付けしたりしなくても、そのままでも美味しいのは、新鮮で丁度良い大きさのものに限られるのだろう。
2. ほっけ刺 900円
実は過去に北海道でほっけの刺身を食べたことがあるが、その時はぶよぶよした水っぽい身で、全く美味しくなかった。
ここ「十一」で食べたものは全く別物。脂が乗って、柔らかくて美味しい。頼んで大正解。
次に、壱岐産の焼酎を飲みながら;
3. 山菜天ぷら 950円
この店主は本当に揚げるのが美味い。その辺の天ぷら屋は相手にならない。
全部美味しかったが、とくに「こごみ」が微妙な苦みが有って美味しかった。
4. たちうおベーコン巻ソテー
これはいきなり洋風だが、これもその辺のイタリアンやらフレンチでは味わえないもの。
太刀魚は、大きなものは脂が乗り風味があるが、それ程大きくないものはかなり淡白である。
しかし、この様に工夫すると、実に美味しい。
良い素材を活かすだけではなく、一工夫してもまた素晴らしい料理を作る。
ここの店主さんは本当に料理が好きなんだな~。
時節柄客足も遠のいているかと心配したが、カウンターにキチンと1席ずつ間を空けながら、我々を含めて3組で綺麗に埋まっており、後から来て断られている人達もいた。
凄く顔馴染みな人達もいるようで、一人で切り盛りして大変そうな店主を見て、奥の座敷から自分でビールを注ぎに来ると言う、「孤独のグルメ」の一場面の様な風景も展開されていた。
また、持ち帰りで唐揚げを頼んでいる御近所さんもいる様で、やはりこの店の揚げ物がとても人気なのだということを再確認させられた。
我々も定期的に通って、その内に常連さんの一人と認めて貰おう。
御馳走様でした。
来週も伺います。
本物の和食を日本酒と共に味わえる店、もっと早く来るべきだった
その一見さり気ない佇まいからこれまで注目する事が無かったが、有る時ジョギング中に表に出ている手書きのお勧めメニューにふと興味を惹かれ、その通なセレクションに心中唸っていると、中から気さくそうな店主が声を掛けてくれたことが有り、いつか訪問して見ようと思っていた。
3月半ばなのに突然雪の降った寒い日の夕方、遂に訪問。
入口に来てみると、17時半過ぎているのに「支度中」の札が。
営業時間は17時からの筈だし、中に先客が一人いるし、不思議に思って玄関を開けて店主に聞いてみると、「うっかりしてた」とのこと(笑)。
他の方のレビューを見てみると、お得でボリュームのあるランチについて書かれている人が多い様だけど(そっちも行って見たい)、実際に夜に行ってみて分かった、これは本物の和食を頂ける店。こんな良い店がある事にこれまで気付かなかった。
恐るべし港南台。
もし井之頭五郎氏が港南台に来るとしたら、この店かも知れない。
日本酒も焼酎も店主が選んだものが揃っており、しかも和食に良く合う端麗辛口系が中心、これは嬉しい。
まずは秋田の「刈穂 吟醸六船」と石川の「加賀鳶 極寒辛口」を頂いた。どちらも端麗で美味しい。甲乙つけ難いが、「加賀鳶」の方は辛口の中にほのかな柔らか味が有り、より好みか。
手書きで書かれたお勧めメニューを真剣に見入って、本日の肴をチョイス。
下記を頂いた:
1. 穴子薄造 900円
穴子は大好物なのだが、薄造は意外にも初めて頂いた。
上品な白身なのに、ほのかに脂が乗っていて、美味い!
新鮮な江戸前を仕入れているからなんだろうな。
2. ほっき貝刺 700円
盛り付けも綺麗だが、味も良い。
これも良い塩梅に甘みが有り、言う事なし。北海道産とのこと。
3. 白子の大葉包み揚 1,000円
これは絶品!表面はカリッと上がっているけど、中の白子はトロッ。
これ頼んで大正解。
4. 稚あゆ天ぷら 700円
稚鮎と言いながら10cm以上有りそうなサイズ、しかし頭の芯までカリっと揚がっている。
はらわたの苦みが酒に合ってたまらない。これぞ鮎。
5. さわらたたき 800円
昨年末に岡山のWASUKEさんでとても美味しい鰆を頂いたが、ここの鰆も負けていない。
WASUKEさんのはぶ厚い身にたっぷり脂が乗っているホロホロで豪快な美味さ、こちらはもっと筋肉質ながら脂もちゃんとのっており、薬味が絶妙に効いている繊細さがある。瀬戸内海産と横須賀産、それぞれ違っていて、それぞれ美味しい。
6. 長ひじき・穴子・ふきの煮物 700円
再び好物の穴子。やはりホロホロの煮穴子も良い。正に和食と言う感じ。
最後に店主お勧めの「背黒の目刺」300円を頂いた。
小さいのに、脂が乗っていてホロホロに崩れる。どうやってこういう魚を見つけて来るのか。
日本酒も他に長野産の端麗辛口等数本頂いたが、どれも美味しかった。
店主一人で切り盛りしている店の様で、カウンター10人ほど、奥に座敷が一つとこじんまりしているとはいえ、もし満席となったら大変だろう、お客さんも手伝ってあげないと(笑)。
話を聞いてみると、やはり昨今のコロナの影響で、お客さんも半減してしまっているとのこと。
世情の所為とはいえ、こういう良い店が潰れてしまっては本当に勿体ない。
とは言え、出来る事は、今後も定期的に通って、美味しい酒と肴を御馳走になって応援すること位だけど。
兎に角、こういう個人でやっている名店・良店がちゃんと世に残ってくれる様に祈るしかない。
御馳走様でした。
また必ず伺います。
Restaurant name |
Toppin
|
---|---|
Categories | Japanese Cuisine、Izakaya (Tavern) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
045-835-2122 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
神奈川県横浜市港南区港南台4-3-9 荒井ビル1F |
Transportation |
JR港南台駅より徒歩5分 251 meters from Konandai. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥3,000~¥3,999~¥999
|
Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Private dining rooms |
OK For 4 people |
---|---|
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
− |
Parking lot |
OK 裏手にビルの共同で |
Space/facilities |
Comfortable space,Counter,Tatami seats |
Drink |
Japanese spirits (Shochu),Wine,Particular about Japanese sake (Nihonshu) |
---|
Occasion |
Alone |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
---|
昨今の情勢下により、家で食事や酒を楽しむことが中心となり、外食からはとんと遠のいていたが、やはり定期的に訪れたいお店というものがある。
そういうわけで、昨年末以来の訪問と相成った十一(とっぴん)さん。
出来るだけ人が少ない時間をと、夕暮れ前の17時過ぎに訪問、先客はカウンターに一組。
いつも通りまずは店主お勧めの酒を頼む。
本日は越乃鹿六。端麗辛口の美酒、外れなし。
お通しの江戸前真鯛漬けとわけぎの小皿を頂きながら、本日のメニューを見る。
毎回毎回季節を反映したメニュー、観るのが楽しい。
最初は;
・江戸前〆このしろ (600円)
・キス天ぷら (800円)
と江戸前の定番メニューを選択。
グルメめいたことを語れるほどのガラではないのだが、コハダやコノシロ(同じ魚だが大きさが違う)は職人の腕が分かる魚だと聞く。
例えば脂の乗った立派なトロなどは誰が出しても美味しいが、小骨が多く、淡白なコノシロは捌き方、酢の〆加減等に違いが表れるということだろう。
届いたコノシロはいつも通りまず盛り方が美しい。
食べてみると、脂が乗って旨味が豊かで、酢の〆加減もさり気なく絶妙、これほどのコノシロは中々頂けない。
店主さん曰く、丁度良い素材が入り、昨日〆たばかりでタイミングが良かったとのこと。
2杯目のお酒は秋田の「刈穂」。
キス天は期待通り、塩を振って食べても、店主さん手製の天つゆにつけても美味しい。
次はやや変化球で;
和牛ステーキ (2,000円)
新玉葱スライス (400円)
飲みものも赤のグラスワインに変更。
ステーキと赤ワインとはこのお店では珍しいパターンだが、肉はひたすら柔らかく、口の中でとろけるよう。
オニオンスライス- 新鮮な玉葱に一寸した味付けと生卵で本当に美味しく頂ける。
最後は、思わず頼まずにはいられなかった
酒盗スパゲッティー (700円) !
常にアイデア豊富な店主さんだが、これは本当に面白い。
元々酒盗は酒の肴として好きだが、以前クリームチーズと一緒に出してくれた店があって、それも非常に美味しかった。
なので、考えてみればパスタに合わせることも出来るのだろうけど、基本的に本格和食の店でメニューに入っているのがこの店らしい。
一見シンプルなパスタ、ペペロンチーノ風。
食べてみると...これが美味い。
酒盗の風味とネギ、鷹の爪、ニンニク、そしてさり気ない和な味付け。
パスタではあっても日本酒に合うので、この店の基本線からは外れていない。
この〆の麺に合わせたのは滋賀県の「道灌」。滋賀県産のお酒とは珍しい。
これも辛口で美味しい。
カウンターにいた他のお客さんが帰る際に「幸せな時間でした」と店主に挨拶されていたけど、全く道灌、いや同感。
本日も料理と酒と言うものに真剣に向き合う時間でした。
ごちそうさまでした。
次に伺う時の季節メニュー、楽しみにしています。