箱根強羅の旧閑院宮別邸洋館での懐石料理。３段重の中は丁寧に調理された和の世界のパラダイス : Goura Kadan

強羅の高級旅館の一角にある洋館がこの店。つまり旅館の直営店。広大な敷地の中にあるのだが、私の車のナビはとんでもない所を指示して役に立たなかったので、注意が必要。

箱根登山鉄道の踏切を渡って花壇の敷地に車を入れると、どこに付けたらば良いのか迷う程広大なエリアがあり、迷っていると、案内の人が出て来て、ど真ん中に駐車している車の隣につける様に言われ指示に従う。この時こちらが「懐石料理 花壇」と聞いているので進めるものの、3つある建物のどこに向かうか聞かないと分からない。

そして「旧閑院宮別邸」に足を踏み入れる。
入口を入った瞬間、「世界」が切り替わる。洋館独特の落ち着いた雰囲気。普段住んでいる世界とのギャップが心地よいのだが、そのまま正面のダイニング進む。どうやら3つの部屋で構成されている様で一度真ん中の部屋に入り、我々が案内されたのは入って右手の部屋で窓際のテーブルに着席。
レトロな木枠の窓から冬景色の箱根の雑木林が見える。平日の12:00という事で席はほとんど埋まっていない。

メニューは
・松花堂懐石【花乃膳】4,235円(税込)
・懐石料理「百合」6,050円(税込)
・懐石料理「水仙」8,470円(税込)
なのだが、予約時に、初めての訪問なので様子見と言う事で松花堂懐石【花乃膳】と指定済み。
定刻到着という事で準備が出来ていた様で、３段重の花乃膳が登場。

先附　胡麻和え
　　　烏鰈　椎茸　人参　銀杏
　　　クコの実　粟麩
向附　季節の二種盛り
　　　あしらい一式
弁当　口取り
　　　金目鯛寿司　零余子岩石焼　渋皮栗
　　　金柑密煮　山葵菜　鳥賊山葵浸し
　　　出汁巻卵　鮭西京焼　菊花蕪
　　　銀杏松薬差し　芽慈姑唐掲げ
煮物　蕪　南瓜　小芋　白舞茸　青味
揚物　蓮根フライ　若鳥胸肉　甘長　レモン
御飯　白御飯　そぼろ
留椀　白味噌仕立て粟麩
香物　盛り合わせ
甘味　林檎ババロア
　　　焼林檎

何とも盛り沢山なのだが、そこは「弁当」。
腹も減っていたので。パクパク食べ進むとあっという間に完食。
隙が無いと言うか、味付けが絶妙。
こんなに美味い弁当は食べた事がない。
ボリューム的には食べる量が減って来た私には、昼食として十分。
考えてみれば『懐石は茶事の一環であり、茶を喫する前に出される軽い食事で飯と汁は最初に提供される（Wikipedia）』、正にこの日の料理は懐石料理そのものなのだ。

値段も手頃で、箱根の昼を昭和5年に皇族が建てた洋館で静かに楽しむ。是非お薦めしたい。