15:00開店の、正統派居酒屋さん。 : Iso hachi

「春日部西口第四公園近くの居酒屋『磯八』は侮れませんよ。」
という情報は、数年前から耳にしてはいた。

耳にしたからと言って
ホイホイと知らぬ店に入るほど、僕は馬鹿ではない。
（いや、かなり馬鹿である！との声もよく耳にはするのだが｡｡｡｡｡）

その情報を、ようやく実現できたのは先月のこと。

ある夜、２１時を過ぎてから
「あっれ～？ご飯炊くの忘れちゃった｡｡｡｡｡てへぺろッ！」
と女房皇太后様がおもむろに叫ぶ！

しかしわが家族（ボクを含む）は今さら動じることもない。
初めてのことではないし、ご飯どころか
おかずすら無いのも知っていたのだから｡｡｡｡｡

そこで、「じゃ、俺についてこい！」
と言ったか言わなかったかは定かではないが
皇太后様、コハル、スナオとともに踏切を渡り、徒歩で西口に向かった。

うらぶれた古いビルに、掠れた赤い暖簾が掛かり
まだ営業中であることをひっそりと告げていた。
この店が『磯八』だ。

「こんばんは。まだイイですか～？」と尋ねると
小上がりに腰を落ち着けていた短髪白髪のオヤジさんが
キョトンとした顔で立ち上がる。
（しょーがねえなぁ、もう俺ぁ呑んじまってんだがなァ､､､）
とでも言いたげな表情ながらも、白い前掛けを巻き直しながら
「ああ、いいよぉ。そこに座ってくんな。」と座を空けてくれた。

整然と美しい文字で、とは言い難い。
しかしキッチリと壁に貼りつけられたお品書きから、いくつかを選ぶ。

呑兵衛のために最初に出てくる「お通し」　
コイツがすでに“侮れない！”
豆腐に蟹カマ･野沢菜･カマボコ、おカカとポン酢がかかり
雑然とはしているがセンスの塊でもある。

◎中トロと呼んでもよさそうな「マグロ赤身」　　○サクッとした「サバ竜田揚げ」
　
◎これまた侮れない「イカげそ揚げ」　　　　　　◎定番になりそうな「穴子の白焼き」　　　　　　
　
△サシの入りすぎた「馬刺し」　　　　　　　　　　△脂ののった「サーモン刺身」
　
◎これも定番決定の「たけのこ炒め」　　　　　　○「ピリ辛もつ煮」
　
◎巨大かつ米が美味しい「おにぎり」　　　　　　○「焼きおにぎり」
　

これだけのものを（ほんの一部ではあるが）
狭い古びた厨房で、オヤジさん一人でササッと支度する（しかもほろ酔いで！）

（うむむむむ、コイツは一度ウラを返さなければ！）
と密かに決意して、長っ尻することなく帰宅。

どうぞ、ごゆっくり飲み直してくださいませ。

ごちそうさま、オヤジさん！

（続編につづく）