Restaurant name |
ONZI(ONZI)
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Categories | Bistro、Steak |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3341-0234 |
Reservation availability |
Reservations available |
Address |
東京都新宿区荒木町6-41 荒木町寿3 1F |
Transportation |
221 meters from Yotsuya Sanchome. |
Opening hours |
Hours and closed days may change, so please check with the restaurant before visiting. |
Average price(Based on reviews) |
¥6,000~¥7,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX、Diners) Electronic money Accepted QR code payment Accepted |
Table money/charge |
500円 |
Number of seats |
10 Seats ( カウンター6席、テーブル4席) |
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Private rooms |
Unavailable |
Private use |
Available |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking |
Unavailable |
Space/facilities |
Stylish space,Counter seating |
Drink |
Particular about wine |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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The opening day |
2013.9.30 |
雨上がりの週半ば、
仕事の山でいい加減嫌になって仕事場を飛び出した。
どこへ行こうと決めていたわけでもなく、
あまり降りない駅の周りをうろついてみよう、
それだけ決めて赤い地下鉄に乗り込んだ。
吸い込まれるようにたどり着いた荒木町。
沖縄料理の店のジャズのライブ、送別会終わりか何かの賑やかな喧騒の脇を抜けて、
間口の狭い、だが、洒落たフレンチダイニングの扉を開けた。
先客はどうやら同じ職場の男女。
とはいえ、いわゆる「ワケあり」な風もなく、
盛んに仕事の話で熱くなっているようであった。
そういう関係もなんだかいいな。
ま、こちらは仕事を夜闇に蹴飛ばしてきた身。
こちらはこちらで自分の世界へと帯を緩めてみようかと思う。
とても静かな店内、寡黙な主人は、岩手の出身のようである。
メニューに岩手産の野菜や豚肉、牛肉をつかったものが散見。
ただ、基本的には王道のビストロメニューがラインナップされている。
冷菜5種盛り合わせは、
・白とうもろこしのムース
・カニとエビのタルタル
・白身魚のグリーンペッパーオイル
・ヤリイカのジェノベーゼ
・龍泉洞黒豚真二郎 バラ肉のリヨン
お店の雰囲気からしてもっと上品な味を予想していただけに
どっしりとしたどちらかというとクラシカルなテイストは
さながらモデル体型ではなく、グラマラスな女性のようでもあった。
クライマックスの仕込みは先に済ませていたが、
もう一勝負打てそうな感触を掴んだところで、とあるメニューに気づいた。
クラブ・アン・ココット。
私にビストロって気軽に飲みに入るところだと教えてくれた、
新宿の老舗ギャラリー・クープ・シューの看板料理の一つでもある、あれだ。
他の方のレビューをみると、日によってはうにのグラタンもあるそうではないか。
たぶんギャラリー・クープ・シューで一番口にした料理だ。
見た目こそオシャレに仕上げているが、
お味は王道そのもの。まさにあの味だ。
すごく懐かしい気分。
そういえば、学生時代に、とある女性をなんとかしたいと背伸びして一緒に入った日を思い出す。
・・・すでにあの時の倍の年齢になってしまった。
ここまでどれもワインの進むものばかり。
こういう時に酒が弱いってのは損だなとつくづく思う。
クライマックスに登場したのは、鉄なべごはん。
パエリア風とあるように、写真だけみればパエリアかもしれないが、
確かにパエリアではない。
アロスでもないし、かと言っていわゆる土鍋ご飯とも違う。
イカスミ煮がないから、といって、天然大有頭海老をまるまる一尾と
ダシも有頭エビのものをつかって炊いたそうだが、
実はそれで正解だった気がする。
強烈な、でもくどくない品のあるエビの風味全開の炊き込みご飯。
もちろんぺろりと完食させていただいた。
火照りをリセットするデセールには、
これもギャラリー・クープ・シューでいつもオーダーしていた、青しそのソルベ。
ああ、やっぱりあの味だ。
口の中がさっぱりしたころには、
また現実の世界へ帰る準備ができたと、最終電車のベルがどこかで鳴った気がした。
夢はいつか覚める。
我に返ったぼくは、また、
明日の扉のほうへ歩き始めなければならない。
荒木町のクランクの手前、
ほんとに間口が狭いので気づかぬまま通り過ぎるかもしれないお店。
いい店だった。
さすがねえさんがレビューするだけのことはある。
ちなみに今回のものとほぼ同じ構成のコースメニューも4,000円と格安なので
そちらをオーダーしたほうがよいかもしれない。
ボリューム的にも程よく設定されているかと思う。
さて、今度来る時は誰を誘おうか。
いや、やっぱりここはまたひとりで。
ごちそうさまでした。