極太麺はゆで時間がかかる : Ramemmasaru

2024年4月
「中華そば830円」
　もともとは潤系列の出身なのだが、年月が経つにつれて味は変化してきた。燕背脂ちゃっちゃ系にはとどまっているが、煮干しの出汁がかなり引っ込んで、醤油の風味がキリッと立ってきた。この辺は好き好きだね。そして、時々ゆず果汁のフルーティーさをフッと感じるのが面白い。あとは、うま味調味料を使わないんじゃないのかなあ。ホワン、と全体をまとめる感じが無くて、素材の味がよくわかるというか…。決してバラバラなまとまりのない味ではない。背脂がその代わりにまとめ役をしてくれているんだな。
　麺は、よくよく見たら14じゃなくて12番かもしれない。やや平打ちの極太麺。これはゆで時間がかかるわけだ。提供に少々時間を取るのも仕方ないところだ。でも、時間がかかっても店主はこの極太麺を出したいんだろうね。この極太麺一つとっても、個性的な店だと思う。

2022年9月
「もやしラーメン850円」
　券売機でもやしラーメンを買った。もやしが旨いのは、アスパラギン酸が多いからである。ラーメンのスープが旨いのは、豚骨や鶏ガラのイノシン酸に負うところが大きい。また、醤油だれや昆布だしにグルタミン酸も多く含まれている。日本人が解明した旨み成分イノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸、アスパラギン酸、コハク酸などの二種類以上を足すと、旨みの相乗効果といって、単純に足すよりも数倍旨みを増して感じられることが、既に明らかになっている。だから、ラーメンにもやしを載せると旨いのだ。
　こちらのもやしラーメンには、ピーマンやニンジン、ニラや玉ねぎが彩り程度に混ぜられている。ただモヤシ炒めを盛り上げるよりは、視覚的にもおいしそうだ。
　麺は14番の極太麺。推定加水率は40%の多加水タイプ。もやしのシャキシャキとめんのモチモチが一度に口に入ると、楽しい。チャーシュウやメンマなど、余計なものは一切ない。
　もともとのラーメンは、煮干しのきいた濃いめしょうゆ味なのだが、もやし炒めの汁が加わって、まるで別物になっている。横浜のご当地ラーメンの一つに、もやし炒めをたっぷり載せたサンマーメンというものがあるが、あの感じに近くなっている。もやし炒めの熱さで背脂が溶け、スープのコクになっている。
　燕系ちゃっちゃにもやし炒めを載せただけなのに、まるで別な味わいを醸し出している。これぞ、ラーメンマジックです、ハアーイッ！

2018年2月　勝タンメン 880円
　北陸を大寒波が襲った日、出張途中に訪問。吹雪の外観シャシンを取りながら、こんな日にラーメン食べてるバカがいるかよ、と自嘲の念がこみ上げる。交通事情が悪く、大渋滞発生中。しかし駐車場には5～6台の車が停まっている。ま、食べなきゃ何にもできんわな。
券売機で「勝タンメン」880円を買う。半年ほど前から横看板風に「勝タンメン」と書いてアピールしてたので、興味があった。で、カウンターに着く。あとは静かに着丼を待つ。
「勝タンメン」は、タンメンじゃなくてタンタンメンの方だった。それも、中華由来の担々麺じゃなくて、勝浦タンタンメンインスパイアかなあというような感じ。「勝」つながりで、面倒くさいから「タン」をひとつ削ったって感じ。ネーミングにはさしたる意味はなさそう。
麺は14番極太麺。角がはっきりしていて、ほぼうどん。やや多加水タイプ。存在感のある麺だ。
スープは、辛味と酸味のバランスが取れたもの。そこに背油たっぷり。もやし、キャベツ、キクラゲなどの野菜少々と、豆腐、豚肉を炒め煮した物が具だ。タンタンメンにしても独特だ。「キムチの素」をタレにして半濁豚骨煮だしスープで割れば、こんな感じになるだろう。トロリとしていて熱々で辛い。温まるねえ。

2013年4月7日　　「らーめん勝」つけめん　650円

　潤のフランチャイズからスタートしたお店だが、今や独特の自家製麺でかなり個性を発揮している。今日は券売機でつけ麺を選択。
　いわゆる作務衣系（店員が作務衣や黒Ｔシャツを着て、店内に能書きや人生訓が書き出されているタイプ）の店舗。看板風の大きな能書きを読んでみると、豚油はオレイン酸が豊富で長寿にいいと、独特の主張をしている。ラード食べて長生きするってのは初めて聞くが、まあ豚好き沖縄県民は長寿で有名だしなあ。
　などと考えつつしばらく読書。太麺なので少々ゆで時間がかかるのだ。
　やってきたつけ麺、堂々の14番極太麺。角のきりっとしたタイプ。ラーメンに入ると、うどんのように感じていたが、こうして麺だけで見ると、しっかりとラーメンの麺だ。かん水も使っているようだ。うどんとは違う、キッパリとラーメンの麺だ。
　けずり鰹節、岩のりがついているので全投入。背脂に加えて、麺にスープを絡ませる役を果たす。つけ汁はそれほど粘度が高いわけではなく、味の濃さもほどほどだ。背脂、岩のり、カツ節のおかげでバッチリと麺に絡む。
　もぐもぐ麺を噛んでいると、次第に甘さも出てくる。さすが北海道産小麦。さすが自家製麺。スープはすぐにぬるくなるが、麺を味わうには問題なし。刻み玉ねぎが燕系であることを主張する。たまにゆず皮が紛れてきてふわっと清涼な風味を添える。
　がっつりと麺を味わうにはもってこいのお店。