開高丼、この上なく贅沢!! : Kobase

永年の念願だった「開高丼」をいただいてまいりました!!

作家の開高 健 氏が、６０年代半ばに こばせ さんを訪れ、その際、連日、蟹三昧の宴を張ったらしい。
何杯ものカニを平らげたという大食漢でも知られる同氏をもてなすのに窮した店主、ついに、ご飯のうえにセイコガニの身や内子外子をこれでもかと盛った丼物を供したという。
これに開高氏はいたく感動し、「開高丼」と名付けるよう店主に勧めたとのこと。

そんな「開高丼」の提供期間はカニの解禁時期から基本年末まで。
年により異なるかもだが、2021年は、
昼食：11月8日～12月27日
宿泊：11月7日～1月20日（予定）
ということです。

そして、2021年のお昼の予約は 8月10日 AM10:00 から、電話のみで受付開始されました。
今年もまた例年どおり出遅れであきらめかけていたどんボルガだが、ある日ダメもとで電話してみたら奇跡的に平日一日だけ空いているタイミングに遭遇。
なんとありがたいことでしょうか!!

「開高丼」単品での昼食は受けていらっしゃらないので、カニのコースで申し込み、締めの一品として開高丼にありつけるという寸法だ。
お昼のカニのコースは、13,200円から24,200円までの４段階。今回予約は最もリーズナブルな13,200円のコースで。
蟹料理は、基本ゆでガニの数・大きさ・グレードで段階が上がっていくので、小食などんボルガはこれで十分と判断いたしました。
高いコースには蟹刺しも付くようですが、なんたってこばせさんでのカニ料理の主役は「開高丼」になると思うので、そちらに集中しようという算段。
そして「開高丼」。
こちらは３サイズから選択なのですが、せっかくなのでオリジナルサイズ 15,400円 で。１人から４人まで対応のサイズです。


およそ２か月後、待ちわびたその日が参りました。
お昼は、宿泊前の客室の空き時間を利用する形のようなので、11時半から14時までの時間制限の中での食事ということで、時間厳守での訪問です。

海がすぐ足元までに迫る建物、その２階の客室に入り、日本海の冬景色をめでているとほどなく…。
きました～、ズワイガニ～!!

ゆでガニ（２人で１匹）
越前港船名のタグ付きです。なかなかのサイズに思います。

蟹味噌つきだし
濃厚な味噌に、蟹身（脚）も添えられています。

月見がに
たっぷりの蟹身の上に淡雪をのせ、さらに黄身です。ちょっと不思議な味わい。
ＨＰでは蟹甲羅焼きとのいずれかになるような記述がされています。選択が可能なのかは確認しませんでした。
「月見がに」はこばせさんの名物らしく、いわば希望どおりの品をいただけたので結果オーライって感じでした。

セイコガニのみぞれ和え
大根おろしとセイコ（メスガニ）の蟹身をたっぷり使った酢の物。
甘目ですが絶品でした。産地ならではの贅沢感を感じます。
ちなみに、香箱ガニと説明されている口コミが散見されますが、福井県ではセイコガニと呼ぶのが正しいです。

甘海老のお造り
とても大きい、最大級のサイズの甘えび。プリプリ食感が素晴らしかった。

焼きガニ（半身）
ややレア気味の焼き方。かなり大きめのカニで食べ応えありました。
なので、上記「ゆでガニ」のほうは持ち帰りを決断いたしました。

そしていよいよ…「開高丼」です!!

開高丼
いわゆるセイコ丼とはかなり違ってます。
ご飯２合を、セイコガニ８杯分の出汁を使って、蟹身、ミソを混ぜ込み炊き上げたカニ飯です。熱々で提供されました。
ご飯の上に内子、外子、ミソを隙間なく敷き詰めた、この上なく贅沢な丼でした。
オリジナルサイズは、やはり４人でいただくのが正解です。　
これをいつも一人で平らげていたという開高さん、凄すぎです!!

みずべこのお吸い物
海辺でないとなかなかいただけない、深海魚の一種です。越前のかにの宿ではかなりの確率で遭遇する美味。底引き網で蟹と一緒にかかるらしい。
コラーゲンたっぷりのふるふるとした食感。
みずべこは、みずうお（水魚）とも。富山では げんげ と呼ばれる幻の魚で、正式名称は「ノロゲンゲ」とのことです。

紅蕪の千枚漬け（甘酢漬け）
濃厚な旨味に麻痺（？）してしまった舌を優しい酸味でスッキリ。

みかん
一人１個をそのままで。素朴でいい感じです。　　


「開高丼」、福井県民としてもやはり貴重な食体験でした。長～く記憶に残る食事になりそうです。
こばせさん、本当にごちそうさまでした。しかし、次回…　はなかなか難しいだろうなー。(*^^*)